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   世界は闇で満ちている 13   


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   王子は誰だ 8   



蓮と社はCM撮りの現場から都内に戻り、そのまま業務報告の為に事務所に寄った。

「蓮、悪いけどラブミー部の部室ででも休んでて。俺、報告に行ってくる」
「なんか、彼女たちの部室を休憩室代わりにしちゃってますよね。事情を知らない人たちに、俺たちが
ラブミー部員4号、5号認定されてもおかしくないですよ」

蓮は可笑しそうにくすくす笑った。

でもキョーコちゃんが居れば確実に蓮のパワーチャージができるし、いなくても関係者以外は
絶対に来ないから休息スペースとして重宝してるんだよねぇ。
っていうか、1号と4号がくっつけばいいのに。。

社は苦笑する。

「そうだなぁ。今度お礼に何かキョーコちゃんたちの好きそうなもの差し入れしようか」
「そうですね」
「ま、今日はまだ朝早いから誰もいないんじゃない?とりあえず休んでてくれ」
「はい」


蓮がラブミー部の部室のドアを開けると、キョーコが本を読みながらソファに座っていた。

「え…最上さん!?どうしたの?こんな時間に…。これから仕事?」
「あっ!敦賀さん!おはようございます」

キョーコの眩しい笑顔に蓮も自然と笑みが零れる。

「いま、フェリックスさん・・・あ、お世話係をしている方なんですけど、体調が悪いみたいで、社長さんに
お医者様を紹介してもらってるんです。それ待ちです」
「そうだったんだ。世話も大変だね。ところで…何読んでたの?」
「これですか?へへ。フェリックスさんが、キャラ弁が食べたいって言うので、研究してました」
「キャラ弁?」
「可愛いキャラクターのお弁当です」

蓮が雑誌を覗き込む。

「ふーん。いいね。今度俺にも作って?」
「えぇぇっ!本気で言ってますか?」
「うん。最上さんのお弁当なら何でも食べたい…」

…敦賀さんがキャラ弁を食べてる姿ってどうなのかしら?

[最上さんの]という言葉をキョーコは華麗にスルーし、不審そうに蓮を見上げると、蓮の頭がグラグラ揺れていた。

「敦賀さんどうしたんですか?…すっごく眠そうですけど…もしかして徹夜明けですか?」
「…うん。ちょっと君の顔を見たら…限界…」


ホッとして気が抜けたっていうか…落ち着くっていうか…


「すっすみません。バカ話で気が遠くなっちゃいましたか! もう黙ってますのでどうぞ、このソファでよかったらお休みになってください!」

私がプレゼントした携帯枕…使ってくださってるのかしら
蓮のバースディプレゼントにキョーコが贈った、ふもふした可愛らしい羊の携帯枕を常備していると
雑誌のインタビュー記事で読んだのは最近だった。

「うーん、寝たいんだけど、君がくれた羊、家に忘れてきちゃったんだ。だから…枕が無いと寝られないし…君の膝を貸してもらえないか?」
「ぅええええっ?!」
キョーコはピキッと真っ赤になって固まった。
「駄目かな?」

蓮は『きゅーん』と哀願するカイン丸を総動員させてキョーコを見つめる。

敦賀さんがメチャクチャ可愛い目をするなんて…きっと何を言ってるか自分で分からないくらい疲れて眠いんだわ!
…少しでもお役にたてるなら…

「不肖、最上キョーコ、敦賀さんの枕にならせていただきます!」
「ありがとう」

そんな蕩けそうな笑顔で言われたら…普通の女の子だったら勘違いしちゃいますよ?敦賀さんが自分の事を好きだって…

そぉっとため息をついて、キョーコはソファの端に座る。


「ちょっと狭いですが、大丈夫ですか?」
「うん。…ありがとう…」


キョーコの膝に横になるとすぐに蓮の寝息が聞こえてきた。

よっぽど疲れてたんだ…。…髪、触ったら起きちゃうかな?でも触りたい…。
Dark Moonのロケバスで膝をお貸しした時みたいに、こっそりナゼナゼしたい…
キョーコが手を空中でワキワキさせていると


ビクッ


蓮の体がピクリと動いた。

ぶっ・・・・敦賀さん、今ビクッってなった!!メチャクチャ可愛い!!


キョーコは両手で口元を抑えて何とか笑いを押さえ込んだ。




つづく。




   晴れるや!   


感謝と愛を込めて!



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   そうだ、旅に出よう。 中編   


お久しぶりにレイノが出てきた 続きです。
葬り去ろうかと思ってましたが、続きました。



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   かき氷   


残暑の中、駄文にたどり着いてくださった方に感謝をこめて。



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   王子は誰だ 7   


『お早うございます!フェリックスさん、今日も張り切って観光しましょう!
朝ごはん出来てますよ! …フェリックスさん?』


キョーコはフェリックスが滞在するホテルの寝室にいた。

『もう起きてくださーい』

スヤスヤと寝息をたてて眠り続けるフェリックスの頬を、キョーコはペチペチと叩いた。


…ん…


『起きました?』

フェリックスがボンヤリと目を開けると、満面の笑みのキョーコがいた。

『キョーコ…』
「フンギャッ」

フェリックスが、覗き込んでいたキョーコの腕を引っ張った拍子に、キョーコはバランスを崩してフェリックスの胸に倒れ込んだ。


温かい…キョーコのいい匂いがする…
フェリックスはギュッとキョーコを抱き締めた。

「うぎゃあ~~~~~!何するんですか~~~!」


ガンっ


~~~~~っ!

『痛ッテ~~~っ!!起き抜けに肘鉄って酷くない?』


フェリックスは顎を押さえながら涙目でキョーコに抗議した。

『何を言ってるんですか!当然です。まさか、あをな真似をいつもしてるんですか?破廉恥にも程があります!』

プリプリと怒るキョーコさえ可愛く見える…どうしよう、俺絶対に100ぱー病気!

『で、ふざけてないで今日はどうします?予定通り、秋葉原に行きますか?』
『…行かない。なんか調子が悪い』

Mr.Rollyに会って、どっか優秀な医者紹介してもらおう…。

『えぇ!どこか体調悪いんですか?熱ありますか?』

キョーコが駆け寄り額に手を当てる。


ボッ


フェリックスの顔が一瞬で真っ赤になる。

『うーん、平熱っぽいですけど、顔が赤いですね。大丈夫ですか?』
『大丈夫じゃない…』

弱々しい声に、キョーコは心配そうな顔になる。

フェリックスさん、疲れが溜まってるんじゃ…。

『分かりました。ご飯食べたら、社長さんのところに行きましょう!』


***


「蓮、お疲れ。少し休んで東京に戻るか」

蓮たちは、夜明けの海をバッグにしたCM撮影のために、東京近郊の海辺にいた。撮影は順調に進み、
空が完全に明るくなった頃には全ての撮影が終了していた。

「社さんもお疲れ様です。俺に付き合わず寝ててよかったのに」
「はは。そうはいかないさ。担当俳優が頑張ってるんだ。とは言っても、ほぼ徹夜だもんなー。仮眠とってから戻ろう」
「いえ、帰ってゆっくりした方が良くないですか?事務所に一度寄るにしても、その後はオフですし」
「でもお前、疲れてるのに…すまないな~俺が免許を持ってないばかりに移動時間も休ませてやれなくって…」
「大丈夫ですよ。気分転換にもなってます。さ、帰りましょう」

本当にコイツ、性格までイイ男だよなー。俺が女だったらイチコロなのに…。どうしてキョーコちゃんは転ばないんだ…。

疲れた頭にキョーコの笑顔を浮かべながら、社は1人ため息をついた。


***


『おーっフェリックス君、久しぶりだな~。どうだ、日本滞在を楽しんでいるか?』
『Mr.Rolly お陰様で。父があなたによろしくと言っていました』


フェリックスは朝食後、ローリィを訪ねてLMEの社長室に来ていた。


『君のお父さんとは旧知の仲だからな!何か困ったことがあれば何でも言ってくれ』
『ありがとうございます。実は…』

話をしていると、社長室の奥のドアがぱたんと開き、愛らしい少女が現れた。

『フェリックス様~!』
『あ!マリア!!』

ローリィの孫であるマリアはフェリックスを目に捉えると、走り寄り抱きついた。

『お元気でした?』
『うん。マリアも少し大きくなった? クスッ…重くなってる』
『まぁ!レディに向かって言っていいことと悪いことがありますわっ』
「おい、マリア。フェリックス君と話してる途中なんだ。少しおとなしくしていなさい」
「はーい。でもフェリックス様に久しぶりにお会いできたんですもの。ご一緒してもよろしくて?」
「まぁ、いいんじゃねえか?」

幼いころに母親を亡くし、父親の愛情や大人を信じきれなかったマリアが、いまだに懐く大人は限られていた。
その中の1人がフェリックスだった。
マリアが楽しそうな顔でフェリックスと話をしている様子をローリィは微笑ましく眺めていた。


『で、フェリックス君、俺に話ってなんだ?』
『それが、日本に来てから心臓が変なんです』
『心臓が?』

ローリィは顰め面をし、マリアは心配そうにフェリックスの顔を覗き込んだ。

『ドキッとしたり、ドクンとしたり、ぎゅーっとなったり急に脈が速くなったり…とにかく変なんです。心臓の名医を紹介してください』

フェリックスは真剣な表情でローリィを見つめるが、ローリィとマリアは豆鉄砲を食らった鳩のような顔をしてフェリックスを見つめた。

『…ほぅ。ドキッとしたり…因みにそれはどんな時に起きる症状かね?』
『別に走ったりしてないです。普通にしている時です。こんな事、今までありませんでした』
『や、そうじゃなくて…大体の予想はついてるんだが一応聞いておく。その症状は、どんな時に起きる?』

はて?とフェリックスは考え込む。

どんな時?…キョーコの笑った時……キョーコに触れた時…キョーコに・・・? 

あれ?? 全部キョーコ??キョーコのせいで俺の心臓、おかしくなってる?


あいつ、悪魔の使いか!?


スッと血の気が引いてフェリックスの顔は青くなった。
マリアは嬉々とした面持ちで、両手を胸の前で握り締めてフェリックスを追い詰める。

『まぁ!フェリックス様!!誰かの事をお慕いしていらっしゃるのね!!』
『はぁ!?お慕い??』

俺は悪魔を慕うようなマネはしない!!

『だってその方を見ると、心臓がドクンてするのでしょう?嬉しい気持ちになるでしょう?』

確かにそんな気もする。キョーコが笑ってるとこっちもつられて笑っちゃうし…。今朝も無意識に抱きしめてたし…

昨日なんかキスしそうになったし!!


『フェリックス様はその方に恋をしたのですわ!フェリクス様の元に天使が舞い降りたんですわ!』


悪魔じゃなくて…キョーコが俺の天使…?
キョーコの笑顔を思い浮かべ、ぼふんっと音がする勢いでフェリックスの顔が赤くなった。

『どちらのお嬢様ですのーっ!私お会いしたいわ!!』


「うーむ」

蓮すまん。馬の骨、1本増やしちまった。

キャーキャーと騒ぐマリアを余所に、ローリィは少し困ったような顔をしてフェリックスを眺めていた。




つづく。





マリアちゃんも大好きです。絶対に黒い感じが。



   BOOST 謀略   


BOOSTシリーズのあらすじ:キョコさんのオカンの冴菜さんはドSにキョコさんを愛してるって話です。



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   王子は誰だ 6   


お弁当に入っててほしい具といえば卵焼きです。あとから揚げとブロッコリーが入ってたら完璧。
おむすびの具は鮭、海苔はパリパリ派です。



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   眠りに寄せて   


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   王子は誰だ 5   


最初の妄想では3話だったのです。当初は2話目の予定がここからだなんて…
アホの子フェリックス…恐ろしい子です。



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Author : ナー

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