HOME   »  スポンサー広告  »  スポンサーサイト  »  長編   »  [完]王子は誰だ  »  王子は誰だ 20

   スポンサーサイト   


上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

   王子は誰だ 20   


こんばんは。ナーでございます。
偽王子をお届けに参りました。



今すぐ君を抱きしめたい…

「ねぇ、キョーコちゃん、『敦賀さん』に告白しないの?」

机に突っ伏し、羞恥に悶えていたキョーコの動きが一瞬にしてピタリと止まり、ゆっくりと顔を上げる。

その顔は、今まで動揺とはかけ離れた表情のない、まるで能面のような顔だった。

「…しないよ?死んでもしない。この感情はね、地獄に持っていく覚悟なの」
「地獄って!!どうして!」

浮かれていた蓮の心に一気に冷や水が浴びせられる。

「どうしてもよ」
「なんで!」

蓮は悲痛な表情で声を荒げた。
そんな蓮を見て、本当は話したくなんかないんだけど…と渋々キョーコは話し出す。

「…だって…敦賀さんにはちゃんと好きな人がいるの。だから告白なんてバカなことはしないわ」
「え…」

蓮は二の句が継げない程に驚いた。

「いつか敦賀さんがその人と…敦賀さんが幸せになった時、私はきっと心から祝福なんてできない。
そんな日が来なければいいなんて思うような、醜い人間になってしまったの。
…もう清い心なんて無くしちゃった私には、コーンの本当の姿は見えないのかもね」

キョーコは蓮を見つめて、悲しそうに笑った。

「それにね、今は敦賀さんと先輩後輩って関係がすごく上手くいってるの。居心地がいいの、凄く。
ウッカリ告白なんかして、ごめんって言われて、その後ギクシャクするなんて絶対に嫌よ」

「…好きな人がいるって…それ、キョーコちゃんの妄想なんじゃないの?さっきのボッキュボッと一緒でさ」
「ううん…本当にいるのよ。大切な人が。本人が言ってたんだから間違いないわ…
でもいいの。
私は少しでも敦賀さんが納得のいく最高の演技ができるように、お食事とかサポートできるだけで十分なの」

さあ、この話はおしまい、と寂しそうに笑うキョーコに、蓮は驚くしかなかった。


俺がいつそんなことを彼女に言った?絶対に無いだろう!
俺が大切に思っている人なんて、君以外にいるわけが無いじゃないか!
君は何を勘違いしてる?俺は何を勘違いさせた?

「ねぇキョーコちゃん、ソレ、本人にいつ聞いたの?」

う…いくらコーンにでも鶏…『坊』として聞きましたなんて言えないわ…

「絶対に勘違いだと思うよ?」

「…それだけじゃなくてね、そもそも私は女の子として見られてないの。『対象外』なのよ?」
「え!?」

キョーコは困ったように話し続けた。

「『君には何もしない』って言われてるの。スッゴイお洒落なドレスを着せてもらって、プロにメイクしてもらって…
ふふっ。
皆に綺麗だねって褒めてもらえるような、最上キョーコ至上、相当イケてる状態でよ?
あの時ローザ様の魔法があったら、もっと違ったのかなぁ。もう少し女の子扱いしてくれてたのかなぁ」

この子は…『Dark Moon』の打ち上げパーティの事を言ってるのか?
…確かに言ったかもしれない。でもそんなつもりで言ったんじゃない!
純情な君を弄ぶようなマネはしないって意味で言ったつもりだ。
そんな悲しそうな顔をさせたくて言ったんじゃない!!

「笑っちゃうでしょ?お前なんて遊び相手にもならないって…まぁ考えなくても当然よね。メイクを取ったら十人並み、
素うどんですもの。自分でも納得よ。だからいいの。ねぇ、コーンそれより「よくない!!」」


急に声を荒げる蓮にキョーコは驚く。


「コーン、どうしたの?」
「よくない…全然よくないよ、キョーコちゃん!」

今すぐ『敦賀 蓮』として最上さんを抱きしめたい!
今すぐ誤解を解きたい!

でも今の状況…君に嘘をついているこの『コーン』の姿で何が言える?


蓮は両手をグッと握り締め、自分を落ち着かせようと目を閉じて深呼吸をしてから、不安そうに見つめるキョーコを
見据えた。

「ねぇ、キョーコちゃん」
「う、うん。コーン、どうしたの?」
「世話係の仕事が終わったら、今夜…俺がちゃんと妖精界に還ってるか確認してくれないかな?」
「いいよ?でもどうやって?」
「『敦賀さん』の家に来てよ。その時、キョーコちゃんが出迎えるのが俺じゃなくて『敦賀さん』だったら問題ないんだけど、
もしも俺だったら、妖精界に戻る方法を一緒に考えてよ」
「分かった!一緒に考えるわ。コーンが妖精界に戻れないのも、敦賀さんが戻れないのも大変よ、一大事よ!」

どうしたらコーンが妖精界に還れるかなんて、私思いつくかしら…。
そうだ、マリアちゃんなら呪術の本とか持ってるかも!

「…じゃ、絶対に来てよ?」
「うん。絶対に確認に行くわ」

キョーコは真剣な顔でコクコクと頷く。

「そうだ、妖精界に還る時、これを持って行って」

キョーコはゴソゴソとバッグから何かを探し出した。

「はい、コーン。これあげる!」

キョーコは蓮を見つけようとホテルを出る間際にマリアから渡された、カレーのルーを蓮に手渡した。

「…なんでカレー?」
「マリアちゃん…私のお友達なんだけどね、絶対に必要になるからって渡されたの。妖精界で作ってみて!
敦賀さんには、今日お伺いする前に同じものを買ってから行くから」

どうせ蓮の家に夜行くなら、食べたいと思っているカレーを夕飯で作ってあげるのだとキョーコは笑って話した。

マリアちゃんに好みの辛さを聞かれたのはリサーチだったのか…。

「うーん、敦賀さん何カレーが食べたいのかなぁ」
「…ハンバーグカレーじゃない?」
「それはコーンが食べたいものでしょ?…ふふっ。でもいっか」


キョーコは楽しそうに、蓮は少し切なそうに笑った。




つづく。




Comment
キョコさんからの衝撃の告白。
喜んだのも束の間、「恋する男」として自分がピンチで、キョコさんを悲しませてると気がついた蓮さん。
今宵彼女の誤解を解く事が出来るのでしょうかー!

(゚´Д`゚)゚
大変心配ですが、カレー食べて頑張ってほしいですね。マリアちゃんも応援してますし。ヾ(≧▽≦)ノ
Re: キョコさんからの衝撃の告白。
まじーん様
訪問ならびにコメントありがとうございますー!
誤解を解くのと、コーンの秘密をどうするのか、蓮にとってダブルパンチです。
きっとグルグル考えてるんでしょうね!(ナーが(涙))
蓮、キョーコ特製カレーを美味しく食べられるといいのですがー。
Comment Form
管理者にだけ表示を許可する

menu    Profile    menu

ナー

Author : ナー

menu    Recent    menu

menu    Counter    menu


キリ番踏まれた方、コメントなどでご連絡ください。
リクエストなぞあれば浮かれてお聞きしちゃいます。

    Since 2014.12.07     

menu    Category    menu

menu    禁無断転載    menu

menu     Link     menu

menu    ブロとも    menu



形而上 愛の唄
美海様が作ってくれた拙宅バナー



menu   WonderfulWorld   menu
Mimi's Worlds  by 美海様 mimi's worlds /STAR星DREAM夢の卵 HEARTハートLOVE愛の卵 From Mr.D * Dear my dare Dears. Love Dreams Eggs ©From far away beyond beautiful sea.

Hop Step Skip Jump !!
  by ゆみーのん様 Hop Step Skip Jump !!

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。