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   王子は誰だ 23   


ドタバタ感満載ですが、アップいたします。



「あれ?敦賀さん、目が覚めたんですか?あれれ?コーンは帰っちゃったのかな?」
「最上さん…」
「あれ?私、もうコーンに会えないのかな…」

首を傾げるキョーコの目は虚ろで。それでもキョロキョロとコーンを探していた。
そんな様子のキョーコの手を、ただ見守っていたフェリックスがガシリと掴んだ。

『~~っキョーコ、部屋に帰るよっ!』

やっぱりコイツ、真っ黒オーラ男だったんだ。真っ黒王子か!俺の真っ当な王子ネットワークにいなくて当然!!
よく分かんないけどマリアが泣いてるし、良くないことが起きてるはず。早いところ2人をマックロクロスケから
離さなければ!

『セバー!』

フェリックスがマリアに付き従っていたローリィの側近の名前を呼ぶと、柱の陰に控えていたセバスチャンがスッと現れ、
大泣きするマリアを抱きかかえた。

蓮も突然の事で何を言ったらいいのか分からない様子だった。
フェリックスに手を引かれながらも振り返って自分を見るキョーコを蓮は苦しげに見つめて、絞り出すように「ごめん」と零した。


キョーコはフェリックスに手を握られて、フラフラとフェリックスの部屋へと戻った。

『キョーコ、大丈夫?』
『…』
『マリアも大丈夫?』
『グスッ…ごめんなさい。もう大丈夫ですわ。どうしても我慢できなくなって暴走してしまいました』

蓮さまがあんまりにも情けなくて…。
お姉さまと楽しくお話をするのが蓮さまの目的でしたの?違うでしょ?お姉さまを誰にも…
フェリックス様にとられたくないのでしょう?
自分のものにしたいのなら、力づくで奪えばよろしいのよっ!そうよ。それでこそ私も失恋のし甲斐があるってものよ!

マリアは立ち上がり、茫然とするキョーコの元に歩み寄った。

「マリアちゃん…」
「お姉さまにとっては突然で驚いたでしょうけど、蓮さまのあんな変装、お姉さま以外のギャラリー相当数に丸わかりでしたわ!」
「へ?」
「ラウンジ内でどれだけカメラを向けられていたか分かってらっしゃる?」
「ほえ?」
「明日のお昼には、『敦賀蓮、無駄な変装で京子と密会』ってワイドショーが賑わってるハズですわ!!」
「密会?私はコーンと…だってコーンが敦賀さんから急に抜け「お姉さま!現実逃避してる場合じゃありません!!」」

マリアは真剣な眼差しでキョーコを見上げた。

「お姉さま、ちゃんと蓮さまとお話してください。蓮さまもきっと落ち込んでるでしょうけど、それは蓮さまが悪いので
お姉さまが気にすることじゃありません。でも、蓮さまがどうしてこんなことをなさったか、聞いて差し上げて下さい。
ね、マリアのお願い、お姉さま叶えて下さるでしょう?」
「マリアちゃん…」
「ふーっ。すっきりした。マリア顔を洗ってきます」

マリアは蓮から華麗に奪い、握り締めたままだった金髪のウィッグをキョーコに笑顔で渡し、洗面室へと歩いて行った。

そうよね、ちゃんと敦賀さんにコーンの事を聞かなきゃ駄目よね?
…ちゃんとコーンが妖精界に帰れたのか、それだけが心配よ。髪だってここに残したまま…コーン、大丈夫かしら?

「ふふふ…」

……なんてもう微塵も思ってないけど?

「ふっふっふっふっ」

愛馬がペガサスですって?見せてもらおうじゃないの。乗せてもらおうじゃないの!!
私のメルヘン世界がガラガラと音を立てて崩れ始めているけど、きちんと全部説明してもらわなくちゃ。

「~~~っよし!」

キョーコは自分の頬を両手でペチペチと叩いて立ち上がって、心配そうに覗き込んでいたフェリックスに向き合い、
笑顔で腕まくりをした。

『フェリックスさん、お夕飯は何が食べたいですか?準備いたします』
『えっ!いいよ。キョーコ、無理しないで』
『もう大丈夫です。それよりフェリックスさんの体調はいかがですか?少しは楽になりました?それともお医者様呼びます?』

こんな時にまで俺の心配をしてくれるなんて…もう駄目だ!!

『キョーコ、俺の話聞いてくれる?』
『はい。聞いてますよ?』

フェリックスは真剣な顔でキョーコの両肩を掴んだ。
キョーコはフェリックスの今まで見たことも無いような真剣な表情に驚き、ただ見つめ返していた。

『キョーコ、俺、キョーコのことが好きなんだ!』
『?私が演じているナツが好きなフェリックスさんには大変申し訳ないのですが、私は最上キョーコです。
最上キョーコ以外の何物でもないのです』
『だからその最上キョーコが好きなんだよ!』

フェリックスはキョーコを抱きしめた。

「えっ!ふぇふぇふぇりっくすさん?」
『俺、あの真っ黒王子みたいにキョーコを悲しませたりしないから!』
『ちょっっフェリックスさん、苦しいですっ!放してくださいーっ』

キョーコは突然のフェリックスの抱擁にパニックに陥った。
フェリックスの腕から逃げ出そうとジタバタしても、フェリックスの両腕はキョーコを抱きすくめていてびくともしない。

『キョーコ、ずっとここにいてよ。俺、キョーコをもっと知りたい。もっと…ずっと一緒にいたいんだ。
キョーコ、結婚してください!!!』
『うぇええええっ』
『こんなに誰かの隣にいて嬉しくて心臓が跳ねたり、切なくてギュッとなったりしたことなんて今まで無かった。
初めてなんだよ。キョーコ、君が好きなんだ』



えーーーーーーーっ!!
告白とプロポーズが一緒だなんて、フェリックス様どれだけお姉さまに恋しちゃったの?
策を弄した蓮さまと真逆のアプローチじゃないの!!

リビングのドアにかざしたコップに耳を張り付けてマリアは心の中で叫んだ。


『キョーコ…』

フェリックスは驚いて動けないキョーコの髪に、頬にキスをした。

「なっななななにぅおーーーーーーー」
『うぉっ!』

驚きを通り越したキョーコはフェリックスを渾身の力で突き飛ばし、フェリックスは床に尻もちをついた。

「マリア様、退避です!!」

セバスチャンがマリアを抱いてドアの後ろにがるのとほぼ同時、勢いよくドアが開いてキョーコが飛び出した。

『キョーコッ!!』

フェリックスが叫ぶようにキョーコを呼ぶが、キョーコは振り返らずに部屋を出て行った。
キョーコは一目散でエレベーターに飛び乗る。

何?どうしたっていうの?一体何が起きたというの?フェリックスさん、熱で頭がおかしくなったんじゃないかしら?
そうよ!そうでなきゃ有り得ないわ。
明日になればきっといつも通りの、ちょっと子供っぽくて親切で優しいフェリックスさんに戻っているはずよ!
そうよ。ご飯を食べてお風呂に入って寝てしまえば…あれ?私お夕飯作ってない…

キョーコの顔からサーッと血の気が引く。


キョーコが飛び出していったドアを見つめるフェリックスに、マリアは膝をついてそっと声をかけた。

『フェリックス様…お姉さまに振られてしまったんですの?』
『っ…マリアぁ~』

フェリックスはマリアに抱きついた。

『よしよし。フェリックス様にはマリアがついてるから大丈夫ですわ』


『ぎゃーーーーーーーーーーーっマリアちゃんに何をしてるんですか!フェリックスさんの破廉恥っロリコーン!!』

夕飯を作らねば、と世話係としての仕事を完遂すべく戻ったキョーコの目に、マリアを抱きしめるフェリックスの姿が
飛び込んできた。
更なる混乱を上乗せされたキョーコは絶叫し、再び部屋から駆け出して行った。


『プっ!!フェリックス様、すごく情けない顔をなさってますわよ?』
『マリアぁー俺、もう立ち直れないー』
『仕方が無いですわね。マリアが慰めて差し上げます。よしよし』

マリアは泣き笑いながらフェリックスの背中をポンポンと叩き続けた。




つづく。





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