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   王子は誰だ 24   


妄想してて面白くなって書いてしまいましたが、どうでしょう。
アウトかな?



「不破君、スッゴい人と親交があるんだねぇ!」
「は?」

ライブ前のリハーサルを終えたショーに、スタッフの1人が目をキラキラとさせて話しかけてきた。
スタッフはショーにタオルを渡しながら、空になったミネラルウォーターのボトルを受け取った。

「楽屋にお通ししといたよ。スッゴい色気で俺、マジで緊張したよ。案内した後、笑顔でありがとうなんて言われちゃってさ。
もう心臓ドキドキしちゃったよ。バックステージパス持ってなかったけど関係ないよね?顔パスでいいよね。不破君、いいよな~」

?誰だ?お色気系の知り合い…。グラドル?女優か??
ショーコさんも事務所に戻ってていないし、2人きりになるチャンスだぞ?ムフフーッ

ショーは楽屋でのお色気ムンムンな訪問者との展開を妄想しながら、足取り軽く楽屋へと向かった。


ショーはニヤニヤする顔を必死に整えて、ガチャリと楽屋のドアを開け … 中を確認して静かにドアを閉めた。

何故だ。どうしてアイツがここにいる?
いや、見間違いに違いない。アイツが俺を訪ねてくる訳が無いだろ?テレビ局で鉢合わせするなんて
偶然なんかじゃない。今日は俺のワンマンライブだ。ドームツアー最終日だぞ?そんな場所にアイツがいるわけない。
そうだっ落ち着け、俺!ハコのデカさで興奮して見間違えただけだ!
そうに決まって…

ショーが軽くパニックに陥った自分を立て直している最中、内側からドアが開いた。

「お邪魔してるよ?」
「何であんたがここにいるんだぁーーーーーっ!!」

そこにはスダレがかかった顔色の蓮が立っていた。



キョーコたちとラウンジで別れ、ホテルを出て自宅に戻る途中、赤信号で停車した虚ろな蓮の目に、
沢山の人だかりと、看板に書かれた忌まわしくも見慣れた文字が飛び込んできた。

「不破尚 ツアーファイナル…」

引き寄せられるように、蓮は看板が掲げられている施設方面にウィンカーを上げていた。



何なんだコレは!!
コレが「芸能界一バキューーン(言いたくない)男」と騒がれている奴の姿なのか!!
どうして壁際で体育座りしてんだ!背後に見えるのはブラックホールか?
抜け殻…いや、魂が抜かれた亡き骸みたいなヒドイ顔しやがって!
こんなツラ、写真撮って投稿サイトに載せたところで誰も「敦賀 蓮」だって信じないぞ?!

ショーは居心地の悪い楽屋で、どうにか自分を落ち着かせようと椅子に座ろうと近寄ったテーブルの上のレジ袋に気づいた。

「なんだこれ?」
「ああ差し入れ。良かったら、どうぞ?」
「おっおお…わりいな。…なぁ、そんなところに座ってないでこっちの椅子に座れよ。茶ぁくらい出してやっからよ」

ショーに言われるがまま、蓮はどんよりと虚ろな表情のまま壁際から歩み寄り、椅子に座った。

意外な奴に差し入れを貰うとは…殊勝な心がけだな。

カサリとレジ袋を開けると、中にはショーの大好物、ぷっちーんプリンが数個入っていた。

!!
おーのーれ~~キョーコの奴、俺の名前と並ぶ極秘情報をコイツに話したなぁ~~!
ショーコさんさえ俺がプリン好き(しかもぷっちーん限定)だって事知らないんだぞ!

ショーは焦りで渇いたのどを潤そうとして、手元にあるはずのミネラルウォーターを飲み干していたことを思い出た。
新しいものを取り出そうと冷蔵庫を見ると、冷蔵庫に入れておいたはずのペットボトルやカロリーチャージのための
ゼリー飲料が庫外に出ている。

誰だよこんなガキみたいな悪戯した奴は!出したら仕舞う!行儀がなってねぇな。親の顔が見たいぞ!

腐っても鯛。幼いころから行儀を叩きこまれて育った老舗旅館の1人息子であるショーは、乱雑に積まれた飲み物を
冷蔵庫に戻そうと冷蔵庫を開けて絶叫した。

「なんじゃこりゃぁーーーっ!」

ショーの視線の先、冷蔵庫の中は黄色い物体で埋め尽くされていた。
冷蔵庫に隙間なくぷっちーんプリンが詰め込まれている。

冷蔵庫にミッチリ入れやがって!いくらなんでもこんなに喰わねぇよ!!
何なんだよ!!こいつは何がしたいんだよっ!嫌がらせかよ!
嫌がらせ…やるなら徹底的にやるのが嫌がらせ…

「まっまさか」

ショーが恐る恐る上の扉、冷凍庫の扉を開けると、予想通りそこにもぷっちーんプリンが同じように詰め込まれていた。

「敦賀サンよぉ…確かに壮観だけどさぁ…」
「そのテーブルのは冷蔵庫に入りきらなかった分」

蓮の声にギッと鬼の形相でショーは振り返る。

「そりゃーどーもありがとーございましたっ!!!」

くそーっ何なんだこの男は。なんだ、金を使った嫌がらせをしに来たのか!!
俺だってプリンくらい買える金くらい持ってるわっ!単にトップアーティストたる俺様がプリンなんて恥ずかしくて買えないだけだ!!!

イライラとしながらショーはテーブルに戻って苛立たしげにドスンと音を立てて蓮の向かいの椅子に座った。

ペリリ、とプリンの蓋を開けたところでショーははたと気づいた。

「あ、スプーンどこだ?」

ショーはレジ袋の中や、キョロキョロと周りを見渡て、スプーンを探した。

「くそ、無いな」
「探し物はこれかな?」

蓮は無表情のまま、すいっとプラスチックのスプーン束を掲げた。

ブチリ

「あ゛ーーっ!!アンタ何しに来たんだ!俺がアンタに一体何をしたていうんだ!ちくしょー!
もう俺の前から消えろーーーっ」

ショーは耐えきれず絶叫した。

「1つだけ…どうしても不破君に教えて欲しい事があって来たんだ」
「なんだよもうっ!教えてやるから早くスプーンを置いて帰ってくれよ!これから俺のライブなんだよ!!
ただでさえナーヴァスになってるんだよっ!アンタの真っ黒ブラックホールにのまれてる場合じゃないんだよ!!」

ショーは本気で早く帰れ!と念じていた。

「最上さんが本気で怒った時…どうしたら許してもらえるだろうか」
「…俺にそんなことフツー相談する?現在進行形でアイツのド憤怒をぶつけられてる俺に」
「違うよ、不破君。君は現在進行形で憎まれているんだよ?」
「んがーーーっ!!やっぱりアンタ、俺をおちょくりに来たんだろ!…って、あんた、キョーコを怒らせたのか」

バキバキバキ

「ぁあっ、スプーンを握りつぶすなよ!教えて欲しいんじゃねぇのかよ」
「…」


蓮は縋るような目でショーを見た。

「どうしたらいい?」

ぐっ…なんだコイツ、滅茶苦茶情けない顔しやがって。何が色気満点だ!お前はワンコか、愛玩動物かっ!!
整った顔のアンタにキャーキャー騒ぐ女たちの前で今みたいに眉を下げてみろ、失神者続出だぞ!
何俯くんだよっ!あんたの頭にでっかい垂れた犬耳が見えるぞ?

…その情けないツラも全部キョーコのせいだっていうのか。毛嫌いしている俺のところに、幼馴染みの俺のところに
来るほど追いつめられてるって訳か。
バカだろコイツ!!

「~~っそんな簡単なこともわからねぇのかよ!ホントにアンタ、アイツの事好きなのかよっ」
「え?」

蓮は弾けるようにショーの顔を見上げた。ショーは真剣な顔で蓮にがなり立てていた。

「アイツには本気しか通じねぇんだよ。アイツが本当に怒ってるなら、本気で謝れよ!
アイツと向き合いたいなら、真正面からぶつかるしか無いんだよ!走り出したら脇目も振らない単細胞なんだ。
真正面からその怒りとやらを受け止めて鎮めて見せろよ!!そんなこともわからないような奴にアイツは渡さないぞっ」

ショーは蓮を見据えて、はっきりと伝えた。
蓮の顔から迷いが消えていく。

そうだ。まだ最上さんに何も伝えていない。彼女が今何を思っているか、何も聞いてない。全部…すべてを話そう。
彼女なら真正面から聞いてくれるはずだ。その後で…それでも俺を許さないというなら、許してもらえるまで精一杯謝ろう。

「…そうだね。その通りだ。お邪魔したね」
「おう…スプーン置いてけよ?ついでにお前なんか振られちまえっ!」

むっつり顔のショーに、蓮は笑って手を上げて楽屋から出て行った。



つづく。




プリンで腐った鯛を釣る男、敦賀 蓮。
少しショーちゃんを美化しすぎたかな。



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