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   ○に願いを   


先日、しし座流星群が見られたようですね。私の住む地方は曇ってて見れませんでしたー。
次は、2014年12月14日21時頃がふたご座流星群のピークだそうですよ。詳しくはWEBで。
見られるといいなぁ。



「キョーコ、起きて?」
「ん…朝?」
「ううん。まだ朝じゃないけど、真夜中のドライブに出掛けない?」
「…行きたいです」

本当は敦賀さんの腕の中にいたいのになぁ…温かくて、いいにおいがして …… すぅ …

眠りかけるキョーコを抱えるようにして蓮はベッドから起き上がる。

「少し寒いから暖かい格好に着替えて?」
「むー。」
「ほら、寝ぼけてないで。早く早く」
「…っボタンを外さないでください!自分で着替えられます!!」

蓮は完全に目覚めたキョーコに急いで着替えさせて、自分もベンチコートを持って家を出た。

「わぁ…真っ暗ですね。車も殆ど走ってないし、都内じゃないみたい」
「そうだね。キョーコ、目的地に着くまで寝ててもいいよ?」
「折角のドライブにそんな勿体無いこと出来ません…あれ?ドライブじゃないんですか?目的地って、どこ行くんですか?」
「内緒だよ。着いてのお楽しみ」

何処だろう?夜景スポットかな?もしくはご来光スポットで富士山?
でも今日もお仕事があるからそんな遠くにいくとは思えないし…

キョーコがベイブリッジや都内の夜景スポットを思い付くまま挙げても、全部外れだと蓮は笑っている。
そんな会話をしているうちに車はくねくね曲がる山道に入っていた。

「そろそろ着くよ」

車はキャンプ場駐車場入口に入った。

「キャンプ場…ですか?」
「うん。この時期なら殆ど誰もいないと思ったんだけど、数台停まってるね」

蓮は駐車場に車を停めて、顔にハテナを浮かべたキョーコの手を握って歩き出した。

「さむーい!そして本当に真っ暗ですね!!」
「気を付けて?」

辺りは真っ暗で、蓮の持つライトだけが頼りだった。

「着いたよ。ここが本当の目的地」
「わぁ湖ですか!都心から一時間経たないうちにこんな場所があるんですね。敦賀さんよくこんな場所知ってましたねぇ」
「うん。少し前にドラマのロケで来たんだ」
「綺麗…」

月明りが湖面にまるで鏡のように反射していた。

辺りに人はちらほらいるものの、暗闇の中、誰もキョーコたち2人のことを気に止める風ではない。

キョーコは、はにかんだ顔で、蓮と繋いだ手をゆらゆらと振った。

「ん?どうしたの?」
「凄い…デートみたい」
「お嬢さん、デートのつもりなんだけど?」
「えぇっ! そっか…エヘヘ」

キョーコは蓮を見上げてテレっと笑った。そんなキョーコに蓮は少しすまなそうに顔を歪ませた。

「ごめんね。本当は昼間の明るい中で色々な所へ連れて行ってあげたいんだけどね…」

有名芸能人がそんなことできる筈もなく、蓮はキョーコの手をギュッと握り締めた。

「じゃあ、今度お休みが取れたらここに来ましょう!真冬にバーベキューなんてする人、あんまりいないと思うんです」

『次の休み』なんて、いつ取れるか分からないですけどね、なんて言わないです。聞くだけ野暮ってもんです。
それくらい忙しい中で、私になにかしてあげたいなんて思ってくれるだけで、泣きたくなる位、とっても幸せなんですよ?
敦賀さん、分かってるんですか?

キョーコはもう一方の手を伸ばして、蓮の持つライトのスイッチを切って空を見上げた。

「凄い真っ暗… あっ流れ星!敦賀さん見ました?今流れ星が…あっ!また見えた…何これ凄い!!」

キョーコは興奮しながら蓮を見上げた。
子供のようにはしゃぐ様子に蓮は笑った。

「今日はね、流星群が観測できる日なんだって」
「だからここに連れて来てくれたんですね!!ありがとうございます」
「どういたしまして。
今見ている流星群はね、彗星からこぼれた数ミリの屑なんだよ。それが地球に落ちてきて、発光して
流星に見えるんだってさ」
「へー。彗星の屑…ふふ。じゃあ宇宙の掃除人はお掃除が下手なんですねぇ」
「どういうこと?」
「彗星って、『ほうき星』とも言うんです。尾の部分がほうきの先に見えなくもないでしょ?太陽の周りを回りながら
ほうきで掃除をしてるのに、ゴミを取りきれないどころか撒き散らしてるんですね」
「そうか、そう言われるとそうだね。でもそのお陰でこうやって綺麗な光景が見られる。宇宙の掃除人はいい仕事を
してるんじゃないかな?」
「ふふふ。そうですね…あっ!」
「うん。今のは俺も見たよ」

蓮とキョーコは夢中で星空を見上げた。

「ねぇ、敦賀さん。流れ星が消えるまでに3回願い事を唱えると、その願いが叶うて知ってます?」
「うん。聞いたことあるよ。流石にやったことは無いけどね」
「でも、あんなに速いと3回も唱えられませんよね?それに、見つけたら興奮しちゃって何も考えられないし」

メルヘン好きな君の事だから、きっと2人で遊んだあの京都の河原で、今日みたいな満天の星空の下で
流れ星に願い事をしたんだろうね。
小さな君は何をお願いしていたのかな…。
お母さんが笑ってくれますように?王子様が迎えに来てくれますように?
それとも、コーンとまた遊べますようにって、願ってくれたんだろうか…

次こそ、と真剣に空を見つめるキョーコの横顔を蓮はじっと見つめていた。

「今は何を願うの?」
「えへへ。それはですね…  クシュン」
「寒い?風邪を引かないようにしないとね」

蓮は着ているベンチコートの中に、キョーコを後ろからそっと抱き込んだ。

温かくて、いいにおい…。

「星にお願いする前に、願い事が叶っちゃいました」

キョーコは後ろに首を倒して、笑いながら蓮を見上げる。
蓮は笑って前に首を倒してキョーコにキスを降らした。

「俺も叶ったよ」
「…流れ星、全然関係ないじゃないですか」
「そうだね。…あったかいね」
「…はい」

星になんか願わなくても、きっと2人でなら叶えていける事ばっかりなんだよ。
星の見えない太陽の下でも、雲に覆われた闇夜の中でも

この先ずっと、こうやって小さな願いを1つずつ、2人で叶えていこう。




Fin.




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