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   黒猫の希い 3   


「コーン、帰っちゃうの?」
「うん…今日、アメリカに帰るんだ…キョーコちゃん、泣かないで!」
「…キョーコ、コーンのこと絶対に見守ってるからね!だからキョーコのこと忘れないでね?」
「うん。約束するよ。コレはその約束のしるしだよ?」

コーンはキョーコの頬にキスを贈った。


黒猫の希い 3


自宅の庭でクオンが今日の出来事をぼーっと考えていた時、一匹の猫が近づいてきた。

「ニャー」
「あ…ソックス…。また来たの?ちょっと待ってて。ミルク持ってきてあげるから」
「ニャー」

クオンは一度家の中に入り、猫の為にミルクと缶詰を持って庭に戻った。
猫は首を傾げて、その場でおとなしくクオンを待っていた。その様子にクオンは笑った。

「お待たせ。お前の為に猫缶も用意してあるんだけど、食べる?」
「…ニャー」

クオンは猫の頭を一撫でして、ミルクと猫缶を別々の皿に出してやった。
猫はミルクをひと舐めして顔を上げてクオンを見つめた。クオンは笑いながらソックスの背中を撫でてやった。

「遠慮せずどうぞ?」

理解したのか、猫はミルクを舐めはじめた。
ソックスと呼ばれた黒猫は、3本の足先だけが白く、まるで靴下を履いているように見えた。

「やっぱり後ろ足の1本だけ靴下が脱げっちゃってるみたいだね。お前、そそっかしいんだね」

食事を終えたソックスは、まるでご馳走様、と言うようにクオンに擦り寄った。

「首輪をしてないけど、お前はどこかの飼い猫なの?違うならうちに来ればいいのに…でもこんなに可愛いんだから、
きっと飼い猫なんだろう?」

クオンはソックスを自分の膝の上に乗せ、頭を撫でてやると、気持ちがいいのかソックスは目を細めた。

「ニャー」
「うん。今日はツイてない日だったよ。…演技が下手くそだって…クビになったよ」
「ニャー」
「もっと上手くなりたい…親の七光りだって言われないようになりたいよ」
「ニャー」

ソックスはクオンの手をペロリと舐めた。

「ソックス、慰めてくれるの?…ありがとう。お前はいい奴だな」

クオンはソックスの鼻にキスをして笑った。

「クオンーっ夕飯よー」
「母さんが呼んでる。一体今日の夕飯はどんな仕上がりなんだろう…。うちの母さんの料理はかなり個性的なんだよ。
多分、ソックスが食べたら一口で気絶すると思うよ?」

盛大にため息をついて、それでも、先程庭を眺めていた憂いは晴れていた。
クオンのソックスを見つめる眼差しは優しかった。

「じゃあな、ソックス。母さんに見つからないうちに早くお帰り」

笑いながら手を振って家の中に入っていくクオンをソックスはじっと見つめていた。


**


「あれ?ソックス、今日も来たのか」
「ニャー」

玄関先にクオンはソックスを見つけた。

「あら、可愛い猫ね?」
「だろ?たまにやって来るんだ。もう3年以上かな?な、ソックス。俺たち友達だもんな」
「ニャー」
「でも今日はゴメン。お前と遊んでる暇は無いんだ。またな?さ、行こう」

クオンは長いウェーブがかったブロンドの少女の肩を抱いて家の中へと進む。
「ニャー」
「うゎ、付いてきちゃったのか…まぁいいか」

クオンの家にはたくさんの動物がいる。室内にも犬やインコなどがいることもあり、ソックスの訪問に目くじらを立てる
気にはならなかった。ソックスが2人の後をひょこひょこと後ろの右足を庇いながら歩くのを気にしながら、クオンは部屋に辿りつく。

「ソックス、後ろ足を怪我してるのか?…って首輪してる?お前やっとご主人様に首輪をしてもらったのか。
…あれ?首輪の紐に括り付けられてるその石…」
「ちょっとクオン、猫よりも私に集中してよっ」
「猫にジェラシー?可愛いところもあるんだね…」
「ん…クオン…」

クオンはブロンドの少女にキスをし、そのまま2人はベッドで重なった。

「ミャー…」

ソックスは小さく鳴き項垂れ、くるりと体を反転させて部屋から消えて行った。
以降、ソックスはクオンの元に現れることは無かった。



「ニャーニャーうるせぇな」
「ニャー」
「チッ」

クオンの家を出て、ソックスは自分の居場所へと戻った。

「あんなのは動物の本能だ。生殖行動くらいどんな動物だってするし、お前だって見慣れてるだろ?
良かったじゃねぇか!あのヤローがヘタレてる時にお前がわざわざニャーニャー慰めなくても、アノヤローにもツガイが
できたんだ。お前の役目は終わったんだよ!」

「ニャ」

自分に捲し立てる男の視線からプイッと顔を反らして、寝床である木の上にするりと登った。

「あ!まだ話は終わってねぇぞ。こらっキョーコ!!仕事の合間にチョロチョロと抜け出しやがって!
しかも今は右足にヒビ入ってるんだぞ!怪我も治りきらないうちから…ってキョーコ、聞いてんのか!」

体を横たえ、首輪の紐に括り付けられた碧い石を、前脚で触ったまま黒猫は目を閉じた。




つづく




__________

ソックスのモデルは、ナーがたまに見かける孤高の別嬪さんです。
飼い猫なのかわかりませんが、常に尻尾をピンと上げて歩いてます。
ほんとに3本の脚先だけ白くて、可愛いんですよ。




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