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   回し蹴り   


34巻の描き下ろし『ドリーム コンタクト』から、勝手にもしもシリーズで妄想です。



「今日の予定はっと…」

誰もいないエレベーターに乗り込んで、今日のスケジュールを確認しようとスマホで手帳アプリを起動させる。

午後は雑誌の取材か…。BRUTASの担当さん、面白いんだよね。色んな使えるネタ教えてくれるしさ。

チーン

上機嫌な中、途中階でエレベーターが開く。

「なかなかお風呂から出て来ないから、もう既に1時間の遅刻よ?分かってるの?」

雪花がぶちぶちとお小言を言いながらエレベーターの中に一歩踏み出して、見知った人物が隅に立っていることに気付いた。

っ貴島さん?!

一瞬、雪花がスポンッと抜けだしそうになるのを懸命にこらえ、キョーコは平静を装ってエレベーターに乗り込む。
その後ろから、のそりと緩慢な動きでカインが続いた。


きき貴島さんっ、あなたどうしてこんな所にいるんですかぁーっ!
っていうか、この前はバカショーと魔犬に鉢合わせするし、もしかしてこのホテル、芸能人御用達のホテルなの!?
そんなホテルにカインに扮している敦賀さんを滞在させるなんて、危険極まりないんじゃないのかしら?バレたらどうするのよぉ~。
そうよ、貴島さんなんて『Dark Moon』で私も共演させていただいてるのよ?

…もしかしてもうバレてるんじゃないかしら?

キョーコはそっと貴島を窺う。


貴島はちらりと二人を見た後、すぐにスマホに視線を戻した。


あれ…気づかれてない??
良かったぁ。神様ありがとーっ!!どうかこのまま気づかれずにホテルから出られますようにー。


京子ちゃん、今バレてないって思ったでしょ?ふっ甘いな。緊張を解いた気配が伝わっちゃってるよ。
ふふん、そんな変装を見破るなんてチョロいもんよ。伊達にこの世界で生きてないって。

貴島は内心ニヤニヤしながら蓮とキョーコの様子に神経を集中させていた。

あれ?2人で部屋から出てきたってことは…えー敦賀君と京子ちゃん、もしかして??
敦賀君に牽制されてから2人のことはずっと気にはなっていたけど、まさか既にそんな仲だったんだー!
京子ちゃん、純潔を生涯守り抜くって言ってたけど、敦賀君、どうやってその誓いを破らせたの?
もしかして俺のお陰?俺が敦賀君の背中を押すどころか回し蹴りしちゃった?
後でゆっくり聞いてみよう!

それにしても、それは一体何プレイなの?すっごい気になるんだけど。
京子ちゃん、パンクガール?銀髪に濃い化粧か…大人美人とは180度真逆の変身っぷりだけど、これはこれでアリだな。コケティッシュでキュートだよ。
引き締まった細い足を惜しげもなく晒してくれて。ガーターベルトっていうのがナイスチョイス。太腿が眩しいね。

…うわぁ、敦賀君の刺すような視線が痛い。見てません見てません。俺は京子ちゃんの美味しそうな太腿をイヤらしい目でなんて見てません。
て言うか敦賀君、怖いよ?
ただでさえガタイがでっかいのに全身黒づくめで威圧感ハンパ無いのに、人を見下すような鋭い視線で睨まれたら、普通誰も敦賀君だなんて思わないよ。それ以前に危険を察知して目を逸らすって。一分の隙もない感じが、本性剥き出しの肉食獣…
そうだな、黒豹みたいだな。


「ねぇ、アタシの話、聞いてるの?」

雪花はエレベーターの入り口にもたれ、ため息をついて目を閉じたカインに、まだまだお説教があるのだと捲し立てた。

うぉ。腰に手をあてて脚を開いたら、太腿がフルリと揺れて…更に美味しそうだな。
ぴっちりしたマイクロミニでお尻もきゅっと引き締まった感が出てて、グイッと掴みたくなっちゃうね…堪んないね。


カインは閉じていた目を開いて雪花を一瞥した後、貴島に視線を据えた。


敦賀君の眼に鋭さが増したー!グリグリ心臓を抉られるようだ!!
だってしょうがないじゃん、男の本能だよ。ご馳走を目の前にして『見るな』って脅されるなんて、「オアズケ」された犬のようじゃないか。

…なるほど、そうか。この余裕のなさは敦賀君もオアズケ状態なんだ?
ふふん。ご馳走を目の前に飛びつかないように一生懸命目を反らしているって言うのに、どこぞの野良が横からご馳走を
掻っ攫わないようにって威嚇してるって訳だ。
なんか、敦賀君が可哀想になってきたなぁ。


…回し蹴り、してあげようかな?


貴島はカインの視線など気にする風でもなく、雪花の躰を舐め回すように視線を巡らせ、獲物を捉えた猛禽類のように目を光らせ、舌なめずりをして見せた。
雪花を見下ろしていた視線をそのままカインへと辿らせて、口角を上げて挑発的な視線でカインを見据えた。


カインの目が驚きと憤怒で揺れる。


「セツ、部屋に戻るぞ?」
「えっ忘れ物?」
「違う。お前の着替えだ。そんな恰好で外になんか出せない」

むっ。どうせ貧相な私にこの服は似合いませんよ。えぇ、十分わかっておりますとも。セクシーダイナマイトが着てこそのお洋服でしょうよ。
でもっ!そんなことで敦賀さんを更に遅刻なんてさせられないでしょ!

「いいのっ!コレ、可愛くて気に入ってるのよ。ガーターベルトだって赤で可愛いでしょ?」

雪花は膝を曲げて太腿を突出し、ガーターベルトをピチリと指で弾いた。


ヒュー!京子ちゃん大胆すぎるでしょ!!そんなこと、何とも思ってないコにやられたってドキリとしちゃうって。
それを懸命に理性を保ってる男の前でやっちゃうなんてさ!無自覚な小悪魔ちゃんほど手に負えないものは無いなぁ。

あれ?なんか敦賀君、悟りを開いたような顔しちゃったよ?なんか真っ黒なのに神々しい…

…コレは敦賀君の理性、切れたんじゃないか?


「…どうしても着替えないんだな?」
「着替えないもん」
「分かった。着替えないなら、他の男の前でこんな風に足を広げられないように…内股でヒョコヒョコ歩く状態に今から
してやる…覚悟しろ」
「?全然分かんない」
「今からじっくり、教えてやる」

チーン

ロビー階に到着し、エレベーターの扉が開く。

カインが行き先階に、乗り込んだ階数のボタンを押すのを横目に貴島がエレベーターを降りる。
カインと貴島はお互い目を合わせることなく通り過ぎた。

「えっ!ちょっと本当に戻るの?」
「…」
「ねぇ、聞いてるの?」


カインの威圧を前に、ロビー階から誰も乗ることは無くエレベーターの扉は静かに閉じた。
扉が閉まり、2人を乗せたエレベーターが上昇していくのを貴島は笑いをこらえて見守った。

京子ちゃん、ヒョコヒョコでも歩けると良いね。でも歩く以前に、今日は2人とも体調不良でお休みって事になっちゃうんじゃないの?
回し蹴りで一歩を踏み出せばいいと思ったのに、まさか理性が吹っ飛ぶとは…敦賀君、相当ギリギリだったんだなぁ。

とりあえず、次に敦賀君と会うのが凄く楽しみのような、絶対会いたくないような。
京子ちゃんにはそうだな…お詫びとお祝いを兼ねて、甘喜廊の特選丹波栗入り鯛焼きを差し入れしよう。


貴島は気持ちよさそうに鼻歌を歌いながらホテルを後にした。




おしまい。



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