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   王子は誰だ 27   


ラストの筈がラストにならない王子ですみません。



敦賀さんの腕の中、やっぱりすごく落ち着くわ。いい香りがして、あたたかくて…気持ちいい。

キョーコは心から安心して、蓮の腕の中で目を閉じていた。


「本当に最上さんからカレーの匂いがする」

そうでした。私のことを謀っていたお仕置き…。
Tシャツに、カレーを作ってた鍋から立ち上る蒸気をこれでもかって程に浴びせたんだった。
なんか、敦賀さんの匂いはいい香りなのに、私の匂いがカレーみたいでちょっと嫌だけど、もう少しこのままでいさせて欲しいな。

「はい。お仕置きですからね。存分に嗅いでください」
「このまま最上さんを抱きしめたまま眠ったら、カレーの匂いを嗅いで眠るっていう罰を受けたことになるかな?」
「…敦賀さん、破廉恥です」

「破廉恥、か…」

クスリと笑う振動がキョーコに伝わる。

「破廉恥と言えば、Dark Moonの打ち上げで貴島君に変身させられて登場した時の話を、さっきラウンジでしたよね?」
「はい。確かにコーンと話しましたね…それがどうかしましたか?」
「あの時は本当にイラついたよ。パーティ向きの衣装に困った君が、俺ではなく貴島君を頼ったっていう自分への不甲斐なさと、変身して周りの男たちや貴島君を自分の虜にしてしまう君の軽率さにね」
「えぇっ!?とと虜ってなんですか!貴島さんたちが褒めてくださったのは、社交辞令とホテルメイドのメイクとお衣裳へのお言葉であって私に対するものではありませんよ。それに私は軽率な行動なんてとりません!」
「ふー…軽率じゃない、か。本当に困ったお嬢さんだね」

何故…ナニユエのダメ息?
私が何か致しましたか!?
はっ!この抱きしめられているというシチュエーションが軽率って事?
確かに軽率だわっ!!そっそれに私から敦賀さんにキスしたり…
ぎゃーっ思い返すと恥ずかしすぎるーーーっ!!

「…男が服を贈るのは、『どうにかしたい』って事だって教えたよね。じゃあ、今逆に俺の服を君が望んで着てくれているって事は、『どうにかしてほしい』って事でいいのかな?」

キョーコは真っ青になって、ガバリと蓮の腕の中から体を起こした。

「…!!!つつつっ敦賀さん、何てこと言い出すんですか!そんなつもりでお借りしたんじゃありません!
そんなっっそんなつもりなんてこれっぽっちもっ!!」
「そうなの?残念だな。俺は気持ちが伝わった今、最上さんをどうにかしたいって思ってるよ?」

蓮はくすくす笑った。

「ふぎゃっ!!っ分かりました!今すぐお返しします!!」
「え?」

言うが早いか、テンパったキョーコは蓮のTシャツの裾を掴んで脱ごうと腕を上げようとする。

「!!!最上さんっ」

急いで蓮はキョーコの腕を掴んでキョーコの脱皮を阻止した。

「敦賀さん?」
「こっちがびっくりするよ…。本当に君には敵わないよ。今日のところは可愛いおへそが見られたからそれで満足です」
「おっおへそ!?」
「何でもないです。もう、なんていうか…一気に疲れたよ」

蓮はキョーコを再び抱きしめて、今度は横向きに、キョーコと向かい合うようにラグに寝転んだ。

本当に君はびっくり箱のようだよ。何が飛び出すか全然予想もつかないよ…

ぐったりと寝転んだ蓮を、キョーコも寝ころんだままじっと見つめ、意を決して話しかけた。

「敦賀さん、1つだけ、どうしても教えてください。誰にも言いませんから」
「…いいよ?何かな?」


瞳の色の事だろうか?それとも本名を聞かれるのか?
最上さんには自分の全てをさらけ出す気でいたんだ。何を聞かれても真実を告げる覚悟はとうに出来てるよ。

蓮は真剣な瞳で、それでも優しくキョーコを見つめ、キョーコの質問を待った。


「どうして敦賀さんは妖精についてそんなに詳しいのですか?」
「…え」
「ホテルのラウンジでたくさん教えてくれたじゃないですか。それって…」

キョーコはごくりと喉を鳴らして、真剣に蓮を見つめた。

「刻み込まれた祖先の知識…妖精DNAのなせる技ですか!?やっぱりご先祖に妖精がいらっしゃったのですね!!」

キョーコは爛々と輝く瞳で、頬を紅潮させて蓮を見つめている。

蓮は目を見開いて固まった。

えぇっ!?最上さん、まさかまだ妖精の存在を信じてるの?
俺が、コーンが妖精じゃないイコール妖精話は嘘八百、妖精は存在しないって事にはならないのか!
君は妖精の存在を確信してるわけだ!
最上さんのメルヘン世界は不滅なんだね。


嘘はつかない。真実を告げると心に固く誓ったのに…


「参った」


俺は一生、この可愛い嘘を君につき続けたいって心から願うよ。


「参ったとおっしゃいましたね?敦賀さん認めましたね?」
「うん。絶対に誰にも言っちゃ駄目だよ?」

わくわく顔でぶんぶんと頷くキョーコを見て蓮はくしゃりと笑った。

妖精DNAは謎だけど、俺のせいで最上さんのメルヘン世界まで崩壊させなくて本当に良かったよ。


「駄目だ…緊張が解けて一気に眠くなった…ごめん、このまま少し寝かせて…」
「敦賀さん、本当にカレーの夢を見る気ですね?」
「…できれば最上さんも出演してくれると嬉しいな」
「仕方がないですねぇ。わかりました、お供いたします」

蓮は宝物を抱きしめたまま目を閉じた。




つづく。





やー、これで終わりでもよかったんですけど、お忘れの方もいらっしゃると思いますが
アホ王子をぶん投げたままなんで。詰め込むつもりだったのですが、それもどうかと思いまして…。
エピローグのように短いと思いますが、あと1回だけ続けさせてください。



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