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   王子は誰だ 28   


王子最終話です。
きちんと着地できてますかね。



社はモーニングコールに出ない蓮を心配して、少し早めに蓮の家にやって来た。
合鍵を使って、勝手知ったる蓮の部屋に入る。


うっ。カレーくさい。蓮の家で食べ物の匂いがするってことは、昨日キョーコちゃんが夕飯を作りに来てくれたんだ!
蓮、よかったなぁーって…まさかその小さな幸せを噛みしめて、まだ寝てるってことは無いよな?

「蓮ー、起きてるのかぁ?」

ドアを開けてリビングに入ると、そこには

ラグの上で、すやすやと眠るキョーコを抱きしめたまま、ジロリと社を睨む蓮がいた。


「れっ蓮ーーーっ!!お前何やってんだよぉっ!!!」
「んー…」
「あと少しこのままで居ようと思ってたのに…」

社の声でキョーコが、両手で目をこすりながら起き出した。

「…あれ?社さんがいる…あれ?私…」
「うん。おはよう、最上さん。あの後、結局そのまま寝ちゃったみたいだね」
「ふぎゃっ!!つつつっ敦賀さん!!!」

蓮の腕の中に居たことを思い出して、キョーコは真っ赤になって目を白黒させた。
蓮は甘やかな笑顔でキョーコの髪を撫でて、ラグから起き上がる。

「社さん、10分ください。シャワーを浴びたらすぐに出ます。最上さんは時間が許す限りここに居てくれていいから、ゆっくりしてて?ベッドで寝てくれて構わないから」
「えぇ!?蓮、どういうことなの?お前とキョーコちゃん!!もしかして…ぴゃーーーっ!」
「社さん、後で説明しますから少し落ち着いてください」
「何その余裕ぶった笑顔と態度!!カレー臭いくせにカッコつけやがって!」

蓮と社がじゃれあうのを横目に、キョーコはまだうす暗い外を見つめた。

「今何時だろう…」

ケータイで時間を確認しようとして、メールの着信に気が付く。

「あ、マリアちゃんからメールが来てた。 …え?フェリックスさん、今日の午後便で急に帰ることになったって…」
「…ふぅん。王子、帰るんだ」

蓮はほっとした様子で息をつき、チラリとキョーコを窺うと、キョーコは真剣な顔をしてメールを見つめていた。

「最上さん?」
「私、空港にお見送りに行きます!」
「じゃあ、俺も一緒に行くよ。…ね、社さん?」

うぇーーーっ!そんな無茶な!!スケジュール調整、今から俺がするの!?
幸せを噛みしめてたところを乱入されたのがお気に召さないみたいだけど、それって俺のせいなのぉ!?


**


『じゃ、フェリックス様、またね?』
『うん。…マリアも元気でね?』

フェリックスは意気消沈、肩を落としてため息をつきながら出国ゲートへと向かっていた。

『…フェリックス様。ブロークンハートなのも分かりますけど、早く立ち直ってくださいませ。世の中、女はお姉さま1人じゃ無いのよ?』
『…そうだよね。そうさ、帰ったらパーティ三昧だ!!キョーコよりも綺麗で可愛くって、料理上手なナイス・バディを見つけてやるっ』
「ふぇりっくすさーーーん」
『うわーーーんっ!キョーーーコーーーー!!』

キョーコの声にフェリックスが振り返ると、愛しのキョーコがフェリックスめがけて駆け寄って来る。

『よかったぁ、間に合って』
『キョーコ…』

やっぱり可愛い。抱きしめてこのまま攫って行きたいよ!

ジワリと涙を浮かべるフェリックスに、キョーコはついっと紙袋を差し出した。

『何?』
『えへへ。必要ないかもですが、キャラ弁です。フェリックスさん、ずっと食べたいっておっしゃってたでしょう?』
『キョーコ…俺のために作ってくれたの?』
『よかったらどうぞ』

キョーコは笑顔でフェリックスを見上げる。

『…やっぱり好きだ』
『え?』
『そう、そんなにキャラ弁が好きだったんだ。よかったね、最上さん。俺の家で作った甲斐があったね』
『んがっ!』

いつの間にかキラキラと神々しい笑顔を振りまきながら、蓮がキョーコの横に立ってフェリックスを見つめていた。

出たな!!真っ黒王子めっ

フェリックスは刺すような視線で蓮を睨みつけながら、チラリとキョーコを見ると、キョーコは満ち足りた、幸せそうな笑顔で蓮を見上げていた。

『…キョーコ…コイツの事、本当に好きなの?』
『えぇっ…その…はい』

頬を染めて恥ずかしげに、それでも笑いながら話すキョーコに、フェリックスは悲しげに眉を下げ、フーッとため息をついた。

『わかった。キョーコ、邪悪な真っ黒王子と別れたら、いつでも俺のところにおいで?真っ白い馬を用意して待ってるからさ』
『?フェリックスさんの国を馬車で観光案内してくれるってことですか!?真っ黒王子はよくわからないですが、またお会いできるのを楽しみにしていますね』
『うん…じゃ、行くね。キョーコ、バイバイ!!』

笑顔で手を振るキョーコを名残惜しそうに見つめた後、寄り添う蓮に視線を移してフェリックスはカパリと口を開けた。

『こんにゃろぉーーー!!!』

蓮はキョーコの髪にキスをした後、フェリックスに向かって「あかんべー」していた。


『キョーコのバカーーーーーーっ!お前の男を見る目は鳥目だーーーっ』
『えぇぇぇっ!?』

フェリックスは思いっきり叫んで、出国ゲートへと走り去った。


**


傷心のフェリックスは帰国後、両手では足りない彼女たちに会うこともクラブに通うこともなく、自宅に引きこもっていた。
一日の大半を王宮の庭でぼーっと過ごす日々を続けていた。

『はぁーーーーーーーーーーーっ』

キョーコ、今頃何してるかな…。帰国して5日か…。
そろそろあの真っ黒王子と別れたかな?

庭の芝生に座っていると、前の茂みからカサカサと音が聞こえた。

『何だ?ウサギかな?』

フェリックスが首をかしげて、音の主が出てくるのを見守っていると、それは弾かれたようにぴょんと現れた。

『えっ!どっどうして!!!』
『ふふ。こんにちは、妖精さん』
『マリア…』
『妖精さん、あと8年もすればきっと私、お姉さまより綺麗で可愛くって料理上手なナイス・バディになると思いますのよ?』

マリアは笑いながらフェリックスに駆け寄って抱きついた。

『ね、妖精さん、私の王子様になって下さらない?』
『…マリア、スッゴイいい女に成長してよね?じゃないと8年なんて待てないよ』
『あら、フェリックス様も私が目移りしてしまわないよう、知性を磨いてくださいね?』
『ぐっ…ガンバリマス』

フェリックスはマリアを抱き上げて顔を突き合わせて、くすくす笑った。



お姫様を世界で一番幸せにする 王子は誰だ?









7月末から書きはじめて、何とかきちんと終えることができました。
オリキャラのおバカ王子を好きだと言ってくださる方もいらして、とても嬉しかったです。
読んでくださった皆様がいたから、ずっと楽しく妄想して書いてこられました。大感謝です!



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