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   東方の三博士 1   


東方の三博士とは、イエスの誕生を知り、祝福にやってきたとされる人物です。



「いらっしゃい…ってキョーコちゃんじゃないかぁ!どうしたんだい、顔を見せに来てくれたのかい?今日は仕事は休みなの?」

キョーコの足は、蓮の家とを何度となく往復した通い慣れた道を歩き、無意識のうちにキョーコをだるまやへと運んでいた。


キョーコという名前に反応して、板場から大将が慌てて顔を覗かせる。
女将は満面の笑みでキョーコの来訪を喜んだ。


「外は寒かったろう?ほら、こんなに頬が冷たくなってるよ。あんたぁ、甘酒があったよね?今温めてあげようね」
「ふぇ…女将さん…大将…」
「ちょっと、どうしたのっ!キョーコちゃん!?」

2人の変わらない様子に、キョーコの頬を包み込んだ女将の手のひらの温かさに、凍えたキョーコの心が解けた。
解け出した涙のせいで、キョーコの目には大将と女将の驚いた顔が歪んで見えた。


**


「敦賀さん!お帰りなさい!!」

蓮の家の玄関でキョーコは蓮を出迎えた。
キョーコが高校を卒業した19歳の3月から、キョーコはだるまやを出て蓮の家で暮らすようになった。

「うん。ただいま…」

蓮は明らかに疲れた様子でフーッとため息をついた。

「どうしました?お疲れですか?」
「いや…うん…ちょっと疲れたかな」

蓮はキョーコをギュッと抱きしめた。
キョーコは蓮の背に手を回して蓮を労う。

「もしかしてお夕飯、お済みですか?」
「え?どうして…」
「ふふ。敦賀さんの服から、少し食べ物の匂いがしました。連絡くれればいいのに」
「ごめん。急だったから…」
「いえ、いいんです。お風呂できてますからお入りください」
「うん。ありがとう」


キョーコはクローゼットへと向かう蓮の背中を少し不安そうに見つめて呟いた。


「敦賀さん、甘い香水の匂いを纏って帰ってくるのは反則ですよ…」


目を瞑って、ぶんぶんと頭を振る。

仕事の流れで女優さんやスタッフの方たちと食事に行ったのかもしれない。そんな中で移り香があっても不思議じゃないわ。そうでしょう?ネガティブ思考はよくない!

「よしっ!ご飯、片付けちゃおう」



キョーコがキッチンに立っていると、風呂上りの蓮が冷蔵庫のミネラルウォーターを取りに、上半身裸のまま入ってきた。

「お先にお風呂いただいたよ」
「はい」

ガシガシと髪をタオルで拭きながらキッチンを出て行く蓮の後姿を見て、キョーコは洗い物の手を一旦止めた。
手を拭いて、今日使っていたバッグを手に取ってリビングへと蓮を追いかける。

「あのっ、敦賀さん。あのですね、き「ごめんキョーコ、今じゃないと駄目?」」
「えっ…えっと駄目ではないですが、あのですね…… 分かりました」
「本当にごめん。疲れてて全然頭が回らなくて、きちんとキョーコの話を聞ける自信が無いんだ。ちゃんと明日聞くから、今日は勘弁して」

蓮はキョーコのつむじにキスをして、ベッドルームへと1人向かった。

ベッドルームの扉が閉じるのを見守った後、キョーコはとぼとぼと、キッチンへと戻った。


**


「ふんふんふーん、ふんふんふーん。クリスーマスーぃぇいっ!」

翌日、キョーコは鼻歌まじりの上機嫌で、朝からクリスマスのご馳走作りをしていた。
ケーキのスポンジを焼いて、七面鳥をオーブンに入れて、順調に準備が進む。

3年続けたグレイトフルパーティも、マリアの誕生日はアメリカにいる皇貴の元で、家族水入らずで過ごすという事で今年は自然消滅した。

皆と過ごすクリスマスも楽しいけど、敦賀さんと2人で過ごすクリスマスも、すっごく楽しみだなぁ。
今日は生出演の特番があるけど、12時前には帰ってくるって言ってくれたし。
大好きな人と…

ボフンっと音を立ててキョーコは真っ赤になりながら、ボウルに入れた生クリームを高速で泡立てていた手が止まる。

「いけない。苺買い忘れた」

どうしよう。地下のスーパーが一番近いけど、商店街の八百屋さんの方が鮮度抜群よね?

「うー…、寒いけど行こう!!」

キョーコはコートを着てバッグを持って家を出た。エレベーターの中でも、クリスマスソングを口ずさんでいた。
エレベーターを降りて、エントランスを抜けて外に出たところで、キョーコはつむじ風に巻かれる。

「ひゃっ!」

ぐるりと舞う風の冷たさにキョーコは一瞬立ち止まり、目をギュッと閉じた。

「ふあーっ寒い~~っ!雪降るのかなぁ?」

独り言を呟きながら見上げたどんよりとした空から、視線を戻した葉っぱの落ちた街路樹が続く道の先に、見慣れた長身の男性と、その男性の腕に絡まって、楽しそうに男性を見上げる人気女優の横顔があった。


ひゅっと自分の喉が鳴るのをキョーコは聞いた。

どくん。どくん。

その後は自分の心臓の音しか聞こえなかった。


男性はタクシーを止めて女性を先に乗せ、その後に続いた。

走り去るタクシーの後ろの窓には、女優の綺麗な横顔と、それを見つめて笑う蓮の横顔があった。


「…苺、買に行かなくちゃ…」


キョーコはクリスマスソングを口ずさむことも忘れて、とぼとぼと歩き出した。



to be continued.





何だか嫌な始まりになってしまいました。
でも、キョーコちゃんを愛する、だるまやの大将とおかみさんを書きたいのです。


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