HOME   »  スポンサー広告  »  スポンサーサイト  »  Birth   »  [完]東方の三博士  »  東方の三博士 2

   スポンサーサイト   


上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

   東方の三博士 2   


こんなタイトルをつけている割に、キリスト教についての知識はほぼないです。
あるとすれば、幼稚園がカトリック系だったので、そこで刷り込まれた知識ですかね。園長先生が外国人の牧師さんでした。
当時、外国人が珍しかったので、皆で敷地内にあるお宅にピンポンダッシュしてた記憶が…。




「あんた、分かってると思うけど冷静になるんだよ?」
「ばかやろうっ俺はいつだって冷静だっ!」
「もう頭に血が昇っちまってるじゃないか」
「…」
「仕方がないねぇ。あたしがかけるよ」

はぁ。と溜め息をついてから、女将は連絡先として教えられている蓮の電話番号を押した。


RRR…


だるまやから電話?キョーコに何かあったのか?

スマホのディスプレイに通知された呼出元の名前に驚き、蓮は慌てて電話を取った。

「はい。敦賀です」
『あんたっ!キョーコちゃんの事なんだと思ってるんだいっ!!!!』

女将の絶叫が直撃した蓮は、衝撃で頭をくらくらさせた。

「えーと、女将さんですよね?」
『他に誰があんたにこんな口の利き方をするって言うんだいっ!いやしないだろっ!!』
「それはそうですが、じゃなくてキョ…何かあったんですか!?」

そばに居るテレビ局のスタッフや、これから始まる番組の共演者たちの視線を気にして蓮は声をすぼめた。

『…そうやって本当に大切にしなくちゃいけないものを間違えるような男だから見限られるんだよ!
冗談じゃないよっ!大切なものを泣かせるような大馬鹿男なんかっ!コッチから熨斗つけて何とかって女優に叩きつけてやるよ!!』
「えぇっ!?ちょっと待ってください、何のことですか!」

蓮は女将の怒りと話の内容に困惑しきりだった。

『マンション前から仲よさそうに腕を組んでタクシーに乗り込んで行ったらしいじゃないか!今日はクリスマス・イブだよ!そんな日に一緒に過ごす相手なんだろ!!』
「違いますよ、仕事で…って、えっ!?まさかあの時に」
『問答無用だ!もう金輪際、二度とうちの子に手を出さないどくれ!このスットコドッコイが!!』

ガシャンッ

「ふー。」
「…おめぇよ…」
「ん?なんだい?何か文句でもあるって言うのかい?…もっと言ってやった方がよかったかねぇ?」
「…いや、よくやった」
「これでもしも何もしないようなヘナチョコ野郎なら、本気でキョーコちゃんをこの家に連れ戻すけど、アンタ、それでいいよね?」
「当たり前だ。聞くまでもねぇだろ!」


「ただいま戻りましたー。お待たせです!」
「寒い中悪かったねぇ、急に食べたくなっちゃって。ほら、甘いもの飲んだからかね?」

2人は何食わぬ顔でキョーコを居間に座らせ、キョーコが買ってきた柿ピーをつまみながらお茶を飲みだした。



蓮はスマホを耳にあてたまま呆然と立ち尽くしていた。その様子に驚いた社があわてて声をかける。

「れ、蓮?どうかしたのか?顔が真っ青だぞ!」
「破滅と絶望の序曲が…」
「敦賀さん、どうかしたの?」

甘ったるい声にピクリと反応して、蓮はツララのような目で、番宣を兼ねた生番組に一緒に出演する、ドラマで恋人役の香川を見つめた。
香川の媚を含んだ顔が一瞬で凍りついた。

「ヒッ」
「れ、蓮君!?」

昨日だって撮影が終わった後、すぐに帰ろうとしたんだ。
香川さんに夕飯に誘われたのを断ったのに、社さんが他の共演者たちに捕まって、芋づる式に俺まで一緒に夕飯を食べに行く羽目になって…

『かいがいしい女性』をアピールしようと、一緒にテーブルを囲んだ雌豹たちから、次から次へと目の前に料理を盛り付けた皿を差し出された蓮は、碌に料理の味も会話も楽しむことなく愛想笑いに終始し、ぐったりと家路についた。

今日なんて生番組でアルコールを飲む事になるから、車を置きにマンションに戻って出たところを香川さんに偶然出会って…

いや、偶然なんかじゃない。きっと待ち伏せされていたんだ。テレビ局に入る時だって周りを気にすることも無く腕を組んで離れなかった彼女だ。
もしかしたら雑誌社に手を回して写真も撮らせているかもしれない。

…違う、今考えるべきはそんなことじゃない。ましてこんな事態になっているのは俺がキョーコを誤解させるような行動をとったのが悪い。
たとえ移動先が一緒でもタクシーは分乗すればよかったんだ。

きっとキョーコは家を飛び出してだるまやに居るんだ。女将さんのあの様子じゃ、きっとキョーコは誤解して泣いている。
すぐにでもだるまやに行きたい。キョーコに会って今すぐ誤解を解きたい!

チラリと時計を見れば、本番まで1時間を切っている。

「社さんすみません。すぐ戻りますから!」
「えっ!?蓮?ぅおいっ!どこに行くんだっ」

社の問いかけに返事もせず、蓮は急いで走り去る。

「蓮ーーっ!!どこ行くんだよぉ!」




RRR…

「ありがとうございます。だるまやです」
『…よかった。キョーコが出てくれた。』
「っ敦賀さん!? どうしてお店に…」
『キョーコのスマホにかけても電源が切られてたから、一か八か、だるまやにかけてみたんだ』
「…今忙しいんです。もう切りますね」
『待って!!お願いだから待ってくれ。話を聞いてくれ』
「…昨日は私の話なんか聞いてくれなかったくせに… 香川さんと楽しいクリスマスをお過ごしください!!」
『違うっ!彼女はそんなんじゃないよ!!そうじゃなくて…。昨日は本当にごめん。今すぐ会って話をしたい。…今すぐ君の元に行きたい。でも今は行けないから…7時からの生番組に出るから、それを見て欲しい』
「…お店、忙しいんです。そんな暇ないと思います」
『うん…。それでも俺はキョーコが見てるって、俺の視線の先にいると信じてる』

「忙しいって言ってるじゃないですか…」

キョーコは寂しそうに、通話の切れた受話器を握り締めた。


「ぅおい!蓮、どうしたんだよ!!どこに行ってたんだよ!」
「すみません。社さん。ちょっと楽屋に」

スタジオの袖に戻った蓮は穏やかに笑いかけた。

「…よし。普段の敦賀 蓮を取り戻したようだな?…で、キョーコちゃんに何かあったのか?」

社が声を潜めてひそひそと蓮に尋ねた。

「ええ。…そうですね生きるか死ぬかの瀬戸際です」
「えぇ!?嘘だろ?」
「いえ。俺が」
「はぁ?蓮、お前大丈夫か?」
「…尽力します」


「それではお願いします!!」

スタッフに呼ばれ、蓮をはじめ、ドラマの出演者がスタジオに入った。

「「「きゃーーーー蓮ーーーっ」」」

観客席からの声援に蓮は笑顔で答える。

「敦賀さん、やっぱりすごい人気ですねぇ。さすが抱かれたい男No.1をキープし続ける男は違いますね!」
「いえいえ、ありがとうございます」
「そんな敦賀さんが、高視聴率をキープしたまま、とうとう明日最終回を迎えるドラマで共演している香川さんと、相当仲がよろしいって話ですが、真相はいかがなんですか!」
「そんなぁ…ねぇ、敦賀さん」
「今日はクリスマスですし!何かが始まるには絶好のシチュエーションですよね!」

煽るMCに、香川は嬉しそうに頬を緩めて蓮を見つめた。
そんな様子に観客席からは悲鳴やブーイングが漏れる。

「真相って。何もないですよ」

蓮はMCに笑って答えた。

「でも今日も一緒に腕を組んで仲よさそうにテレビ局に入って来たじゃないですか。俺も見ましたよ。ビッグカップル誕生かって、噂の的ですよ?」
「いやいや、まさか。テレビ局に向かう途中、たまたま、本当に偶然、香川さんに会ったんですよ。ね?香川さん」

蓮は有無を言わさない、神々しい笑顔で香川に笑いかけた。

「えっ…えぇ」
「それにそんな噂、香川さんに迷惑ですよ」
「えっそんなこ「それに俺だって困りますよ。そんな根も葉もない噂、明日…25日に誕生した神の子の耳にでも入ったら、俺は祝福を貰えないじゃないですか」
「キリストからの祝福ですか?敦賀さんってリアリストだと思ってたのに、ロマンチックなことを言うんですねぇ」

蓮は穏やかに笑った。
その笑顔にスタジオ中の女性が『ほうぅっ』とため息をついた。

「じゃあ、イブの今夜はキリストの誕生を祝うんですか?」
「ええ。勿論祝いますよ。…神聖な、大事なバースディ・イブですからね。真っ先に駆けつける『東方の三博士』となって、一番乗りで祝いますよ」
「なんか、お詳しいですね?敦賀さんってクリスチャンなんですか?」
「ただの一般知識ですよ…」


…だからキョーコ、そこで待ってて。必ず迎えに行くから…


蓮はカメラに、テレビ越しのキョーコに向かって真剣に語った。


「…っ敦賀さん!!」

キョーコは口元に両手をあてて泣きだしていた。



to be continued.





母が頑張ったら、次は父も頑張ります。



Comment
Comment Form
管理者にだけ表示を許可する

menu    Profile    menu

ナー

Author : ナー

menu    Recent    menu

menu    Counter    menu


キリ番踏まれた方、コメントなどでご連絡ください。
リクエストなぞあれば浮かれてお聞きしちゃいます。

    Since 2014.12.07     

menu    Category    menu

menu    禁無断転載    menu

menu     Link     menu

menu    ブロとも    menu



形而上 愛の唄
美海様が作ってくれた拙宅バナー



menu   WonderfulWorld   menu
Mimi's Worlds  by 美海様 mimi's worlds /STAR星DREAM夢の卵 HEARTハートLOVE愛の卵 From Mr.D * Dear my dare Dears. Love Dreams Eggs ©From far away beyond beautiful sea.

Hop Step Skip Jump !!
  by ゆみーのん様 Hop Step Skip Jump !!

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。