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   コングラッチェ 8   


ナーの出た学校、授業前に出欠をとって、受けたくない人は退席OKっていう先生が何人もいました。
寝てる位なら出て行きなさい的な?
但しどの教科もテストは容赦なかったです。数Ⅰの学年平均点が驚愕の46点ていうのを今も覚えてます。
なんとセンター試験の過去問が数題紛れてたんですよ。先生のしてやったり顔が忘れられません。



蓮はぐったりと肩を落として、苦虫を噛み潰したような顔で千織を見ていた。
そんな蓮を無視して千織は話し続ける。

「まぁ、お兄ちゃん本気だから、真剣に考えてやってよ。内定してた大手銀行を蹴って教師になんかなったんだから」
「えっ?」
「ほら、去年、キョーコさんが初めてうちに遊びに来た時、大学生だったお兄ちゃんがたまたまうちにいたのよ。覚えてない?」
「んー…」

キョーコは目をつむり、眉間に皺を寄せて考え込んだ。

そう言えば挨拶した時、なんかご家族にじーっと見られてた気がしたようなしないような…
それが敦賀先生だったの??

「その時お兄ちゃん、キョーコさんに一目惚れしたのよ」
「えぇ!?」
「キョーコさんが帰ってから、あの子の名前は?どこに住んでるの?近所?彼氏はいるの?って根掘り葉掘り…そっか、今思えばお兄ちゃん、最初から乙女だったわね」

一目惚れって…こんな地味な私を敦賀先生が??

そんなキョーコの困惑を無視して、千織は話を続けた。

「お兄ちゃん、キョーコさんに勝手に運命を感じちゃったらしく、急に教師になるとか言い出して、うちの学校の採用試験を受けたのよ?
キョーコさんの近くに居たい一心で。もう、本当にバカじゃなかろうかと呆れを通り越してドン引きしたけどね」
「えぇっ!?嘘でしょ?」
「嘘じゃないわよ。本当の話よ。大学で教職課程取っておいて良かったって小躍りしてたもの。まぁそんなバカだから浮気の心配なんて必要ないし、不破君なんかよりはマシだと思うわよ?ちょっと…ううん。かなりウザいけど」

ちょっと…いいえ、かなり天宮さんの話についていけないけど…でも…

キョーコがチラリと蓮を見ると、もう隠すことは何もないとばかりに、両手を挙げて降参のポーズをとって、眉を下げて笑っていた。

…本当なのかな…


「ちょっと見た目が良いから、今まで来るもの拒まずで適当に彼女をとっかえひっかえしてたのに、キョーコさんに一目惚れしてからはパッタリと女の影が無いのよ?自分から女の子を好きになったのなんて初めてだって」
「とっかえひっかえ…」
「千織…。」
「あれ?フォローになってなかった?まあそんな話は元気になってから思う存分2人でやってよ。とりあえずお兄ちゃん、下のスーパーでポカリでも買ってきて。キョーコさん汗かいたでしょ?その間に気分が良いならシャワー浴びちゃいなよ。替えのパジャマは私ので悪いけど、サイズは大丈夫だと思うし」

あれ?そういえば、私、自分のパジャマ着てる。

「…私どうして自分のパジャマを着てるのかな…」
「あれ?もしかして全然記憶ない?」
「家までナビしようとして…そこまでは覚えてますが…」

私、家に辿りついていたって事?なのにどうして先生の家に…って言うかそれよりも何よりも

「あの…コレ、私が自分で着替えたんです…よね?それとも天宮さんが着替えさせてくれたの?」

もっもしも先生に着替えさせられてたなんて言われたら…わわわ私どうしようっ!!ブッブラジャーだって着けてない!!
まさかまさか私のむむ胸を見られてるの…? 嫌ーーーーーーーーーーー!!


真っ赤になったり真っ青になったり、忙しく顔色を変えるキョーコを見て、蓮はすぐにキョーコの想像に行きついてフォローする。

「最上さん、慌てなくても大丈夫。フラフラな癖に、ちゃんと俺を家から追い出して自分で着替えてたから」

本当は手を貸そうとして思いっきり噛み付かれたんだけどね。

「さっ左様でゴザイマスか。…ふあーーーっ良かったぁーーー」

ほーっと息をつくキョーコを、蓮は面白そうにくすくす笑った。

「最上さん独り暮らしでしょ。高熱で意識が無くて不安だったから、俺の家に連れてきたんだよ」
「そうでしたか…。重ね重ねご迷惑をおかけしました」
「そんな迷惑だなんて「あっ!替えの下着を持ってくるの忘れた!」」

キョーコと蓮の会話を切り裂いて、千織がシマッタと声を上げた。

んー、どうしよう。下のスーパーにあったかな?コンビニ行くのは面倒だし…

「そうだ、お兄ちゃん、新品のパンツ、ストックあるでしょ?」
「えっ…そりゃあるけど」
「ボクサーパンツなりトランクスなり1枚ちょうだい。下着持ってくるの忘れちゃった。あ、ビキニとかブリーフはやめなさいよ?キョーコさんに瞬殺されるからね?」
「そんなもの出さないし、そもそも持ってないよ」

ムッした声で応えながら、蓮はクローゼットへと向かった。

「あっ天宮さん、男性ものの下着を身につけるなんて破廉恥よ!」
「あぁ、ボクサータイプなら大丈夫よ。まあ見てみてよ。やっぱりダメなら買ってくるから」

そんなぁーっ!!どどどどうしよう~~~っ

「…最上さん、これ」

真っ赤になって困ったように蓮を見上げるキョーコの様子に、蓮も少し恥ずかしそうに黒のボクサーパンツを手渡した。

「あっありがとうございます…」

うーっ。こういう免疫ゼロだからどうしたらいいか分かんないよ… あ、でも…

「ね、普通でしょ?」
「う、うん。これなら大丈夫だと思う」

キョーコはボクサーパンツを広げて裏表をシッカリと確認してホッと安堵した。

お兄ちゃん、アルカイックスマイル浮かべてるけど、本当は心の中でガッツポーズしてるんだろうなぁ…。
…変態め。

「じゃあシャワー浴びちゃって。バスルームはコッチ。お兄ちゃん、タオルどこ?」
「あぁ…ちょっと待って」
「迷惑かけちゃってごめんなさい」

のそのそとベッドから立ち上がりながら、キョーコは恐縮しきりに2人に頭を下げた。

「いいから気にしないで。そうね、代わりに風邪が治ったら、テスト範囲で分かんない所を教えてよ。お兄ちゃんなんかよりキョーコさんに聞いた方がずっと分かりやすく教えてくれるし」
「お前、自分で勉強しろよ」
「うるさい。教えベタな数学教師が」
「そんなことないよ。俺の受け持ってるクラス、割と点数いいんだぞ?」
「それはお兄ちゃんに褒めて欲しい女子生徒が平均点を引き上げてるだけでしょ?お兄ちゃんの実力なんかじゃないよ」
「全く……そう言えば、不破君が最上さんにノートを借りようと訪ねて来たな…」
「えっ」

キョーコは驚いて蓮を見ると、要らないことを言ってしまったとバツが悪そうに目を泳がせている。

ノートかぁ…。アイツ、相変わらず全然授業に出ないのね?出欠取ったらすぐに軽音部の部室に籠ってるんだわ。
…美術室かもしれないけど。
もうショーちゃんになんか貸してやらないもん!赤点とって留年しちゃえばいいんだ!!

眉を寄せて鬼の形相で壁を見つめるキョーコに千織は驚いた。

いつもだったら『ショーちゃんったら仕方が無いんだからぁ~』とか言ってホイホイと不破君の要求をのんじゃうのに、全くそんな素振りを見せないなんて…

「キョーコさん、不破君と何かあったの?」
「なーんにもありません!」
「だっていつもな「千織、他に買って来て欲しいものは?」」
「シュークリーム!」
「分かった。じゃ行ってくるから」
「はいはーい。あ、生クリームとカスタードのツインシューだよー!チョコは選ばないでよ!」

千織の興味をショータローからシュークリームに逸らして、蓮は部屋を出て行った。

先生、ショーちゃ…松太郎のコト、私に気を使ってくれたんだなぁ。
…あれ?松太郎の事で私、意外と落ち込んでない…かも?
自分勝手なアイツに呆れや怒りはあるけど…失恋の痛手なんて微塵もない…。

これって全部、敦賀先生のお陰なのかなぁ。
…あと熱で思考能力が低下してるせいかも。

クスリと笑ってキョーコは千織についてバスルームへと向かった。



つづく。



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