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   BOOST 家族の肖像(後編)   


鑑定結果ですが、絶対に100%とは書かれないそうです。
もっと将来、化学が発展した時に結果が覆る可能性とか理由があるんでしょうけど。
その0.1%以下にどんな要素があるんですかね?逆に怖いです。
因みに友達の弟君は、子供と99%の血縁関係が証明されました。ヨカッタネ(泣)!!



「マリアちゃん…」
「だって…だって…」

大きな瞳からポロポロと涙を流して、唇を震わせながら必死に話そうとするマリアを、その場にいた全員が固唾を飲んで見つめていた。

「だってマリア、お姉さまのことを叔母様なんてっ!蓮さまのことを近い将来叔父様だなんてっ…そんなオヤジ臭い呼び方なんて絶対にしたくないわ!!」
「…へ?」
「お姉さまと血が繋がってるって事は凄く、すっごく嬉しいの。本当ですのよ?でもお姉さまはお姉さま、蓮さまは蓮さまって呼びたいのよ!」
「マリアちゃん!」

キョーコは走り寄るマリアを優しく抱きとめた。

「お姉さまぁ」
「マリアちゃん、ありがとう」

キョーコが抱いたマリアの頭を蓮は優しく撫で、涙ぐんでいるキョーコに微笑みかけた。

「良かったね、キョーコ。君に素敵な家族が増えたよ?」
「…っはいッ」

その様子をマリアの父、皇貴は穏やかに、少し悲しそうに笑って見つめていた。

「…そうですか。血縁関係が証明されましたか…」
「パパ…」

その場にいた全員が皇貴を見つめる。マリアもキョーコの傍を離れ、父親にそっと寄り添った。


そうよね、マリアちゃんのお父さんにしたら複雑よね。腹違いの妹がウッカリ現れたんだもの…


「皇貴さん、あなたには悪いことをしたと思ってるわ。ごめんなさい…」
「おっお母さん…」

冴菜は皇貴に頭を下げ、そして何時になく真剣な表情でじっと皇貴の顔を見据えて、静かに感情を抑えて語り出した。

「宝田氏とは…あなたとは家族にはなれないけど、それでも宝田氏に愛されて育まれていたあなたのように、私もこの子を、キョーコを愛したいと思ったの。そんなあなた達と少しでもつながりが欲しくて…
キョーコの名前を下から読んでもらえないかしら。そうすれば分かっていただけるはずよ」

え?
私の名前…キョーコを反対から読むって… 

コーキ…?

まさか…皇貴さんって事?

「おおお母さん?私の名前ってマリアちゃんのパパの名前から付けたって事!?由来って…そういう事なの!?」
「勿論それだけじゃないわ。ただ、それも一因って話よ」

目を伏せて寂しそうに語る冴菜を、キョーコは呆然と見つめた。

「お母さん…」

人に頭を下げたり自嘲してみたり…こんなにも人間らしいお母さんなんて、私初めて見たわ!
本当はお母さん、とっても常識的な普通の人間だったって事なの?

「本当にキョーコさんが僕の妹なんだ…」
「お父様…」

マリアの手を握り締めたまま、皇貴はキョーコをじっと見つめていた。

「キョーコさん」
「はっはい…マリアちゃんのお父さん…」
「僕の事は、どうか兄と呼んでください」
「えっ!」

びっくりしてどうしていいか分からず、自分の肩を力強く抱いている、頼もしい存在を見上げると、蓮はキョーコに優しく笑って頷いた。

…本当に…本当に呼んでもいいのかな?

「…おっ…お兄さま…」

おずおずと小さな声で、それでも勇気を出してキョーコは皇貴を兄と呼んだ。

途端、皇貴は両手で顔を覆ってガクリと項垂れた。

「えっ!?皇貴さ…お兄さま、どうしたんですか!?」
「…ワンスモア。」
「……お兄さま?」

皇貴は顔を覆ったまま身を捩って天を仰いだ。

マリアちゃんのお父さん、私のせいであんなに打ちひしがれて…私の存在がそんなにショックなのね。
…そうよね。私さえ現れなかったら、宝田家に無駄な波風なんて立たなかったんだもの…

「ごめんなさい」

キョーコはやっとの思いで小さく一言呟くと項垂れて、大きな目をギュッとつぶった。
1人で痛みを耐えようとするキョーコを、蓮は広い胸にかき抱いて、盛大なため息をついた。


まったく皇貴さん、貴方って人は…


「お義兄様。キョーコに兄と呼ばせて萌え悶えないでください」
「……へ?」
「久遠、君に兄と呼ばれる覚えはない。さぁ、僕の可愛い妹から…キョーコから即刻離れなさい」
「お断りします」
「…それなら今すぐハリウッド主演作をもぎ取ってきてあげよう。さっさと1人アメリカに帰りたまえ」
「それも遠慮します。俺は実力で戻りますし、戻る時はキョーコと2人で帰ります」

キラキラと神々しい似非紳士スマイルを浮かべてキョーコを抱きしめたまま、蓮は皇貴とバチバチと視線を戦わせている。

ひえぇぇ~~~~!!どっどうしようーーーっ!!

「皇貴…お前、キョーコ君を妹だと認めてくれるのか!?」

石化を解いたローリィが、睨み合う蓮と皇貴の間に割って入った。

「お父さん…貴方には本当に失望しました。最上冴菜さんとキョーコの2人を今まで放っておくなんて、何が「世界に羽ばたけ!!愛の使者プロジェクト」ですか。貴方こそラブミー・スタンプと台帳を持って、お2人…いや、家族の信頼と愛を勝ち得るべきじゃないのですか?」
「はうぅぅっ」

皇貴は準備していたラブミー・スタンプと台帳をすっとローリィの眼前に差し出した。

「あーあー。マリア、おやつにピエール・エル○のマカロンが食べたいですわー。ね、お姉さま?」
「へ?う、うん。マカロンかぁ、色とりどりで綺麗で、お姫様のお菓子って感じよねぇ~」
「お姉さまと一緒にお茶ができたら、マリアきっとすごーく幸せですわ」

ニコニコと天使のように笑いながら、マリアはローリィを見つめている。

「よしっ!今すぐ買って来ようじゃないか!!セバス!車をまわせっ」

ローリィとセバスチャンはつむじ風が舞う勢いで部屋を出て行った。

…マリアちゃんのパパ、私のことを妹って認めてくれたって事でいいのかな??
でもなんだか社長さんや敦賀さんとの関係が一瞬で険悪なものになっちゃったみたいだけど、大丈夫なのかしら?

でも、でも今はそれよりも何よりも確認しなくちゃいけないことがあるのよ!

「お母さん、さっきの私の名前の由来だけど…他にどんな理由があったの?教えてよ!」

キョーコは状況を満足げに見つめていた冴菜に意を決して疑問をぶつけた。

小さい頃から疑問だった、自分の名前がなぜカタカナなのか、なぜ「キョーコ」なのか、長年の疑問が一気に紐解かれようとしていた。

「そんなに知りたいのなら教えてあげるわ。あなたの名前、最初は『凶子』って申請したのよ」
「なっ…!!!」
「それが常用漢字じゃないとかなんとか区役所で言われて。その上、そんな漢字を使おうなんて、一体何を考えているのかって説教までされて。本当に頭に来たわよ」

サラリと告げられた内容に、キョーコは驚きで言葉を詰まらせた。

「…自分の子供にわざわいの子って…普通付けないでしょーっ!お母さん酷いよ!!!」
「キョーコ…」

えぐえぐと泣き始めるキョーコを蓮はギュッと抱きしめる。

「あなたも区役所の窓口と同じように凡人じみた、浅はかな考えをする浅い人間だという事?
…お母さん、本当にがっかりよ」

驚いた様子を見せた後、冴菜はキョーコにダメ息をつく。

「ふっぐっっ…他に…他に何の意味があるって言うのよっ…えっぐ…ふぇぇ」
「あるに決まってるでしょ?」

冴菜はウットリとした恍惚の表情でぽろぽろと涙を零すキョーコを見つめている。

あぁ。本当になんてうちの子は可愛いのかしら。眉を下げて、大きな目からは大粒の涙をぽろぽろと流して…。
やっぱり窓口のオヤジを脅しあげてでも、この漢字で受理させればよかった!!


「そんなの『凶悪的に可愛い子』って意味に決まっているじゃないの」



「「「「ええええっーーーーーっ」」」」

「それを絶対に受理しないなんて言うから、他の漢字を当てはめる気にもならなくて『キョーコ』と申請したのよ」

「凶悪に可愛い…うん。確かにそうですね」
「つっ敦賀さんっ!何納得してるんですかっ」
「え?だって本当に可愛いし、お義母さんがそんな漢字をつけようとした理由も分かるよ。皇貴さんも納得ですよね?」
「そうだね。そこは久遠に同意できるな」
「…えぐっ…名前も知らないけど、区役所の常識を持った凡人のおじさん、本当にありがとう!!私、『凶子』じゃなくて本当にヨカッタ!」

「さて。家族会議も一段落したみたいだし、記念写真でも撮りましょうか?」

いそいそと三脚を組み立て、待ってましたとばかりに不敵な笑みを浮かべながらカメラの準備を始める冴菜に、キョーコはたじろいた。

「お母さん待って!その写真、BOOSTの表紙にするつもりでしょ!?私そんなの載りたくない!!」
「嫌なら集合写真の欠席者みたいに上の方に楕円で顔写真を載せるだけよ?残念な仕上がりね?」
「うぅっ!!」

やっぱりお母さんに、常識なんてモノはこれっぽっちも無いんだわ!最初からこれが狙いだったのよ!!
ほんの少しでもお母さんが可哀想に思えた自分の浅はかさに涙も出ないわーーーっ

「おじい様は買い物に出てしまったから楕円で参加してもらえばいいわ。
お姉さま、もういいじゃない。初めての家族写真ですのよ!さぁ蓮さまと並んで?」
「いや、久遠は家族じゃないんだから久遠、君がシャッターを押せばいい。キョーコ、お兄さまの隣においで」
「キョーコは俺の奥さんになる人なんだから俺の隣でいいんですよ。ね?キョーコ」
「あら!それじゃあ私はお姉さまと蓮さまと手を繋ぎたいわ!」
「はわわわ」


ふふ…。キョーコったら面倒くさそうな兄と姪ができて、とっても嬉しそうだわ。

ヨカッタ!

それに新生・宝田ファミリーの写真を撮れるなんて、今回もいい仕事ができたわ。


「いいから皆コッチ向いて頂戴!! はい、チーズ!!!」



おしまい。




キョーコちゃんの名前を下から読んだらコーキじゃん!ってちょっと強引かなぁと少し躊躇ってたところに、
昨年アメンバー申請を下さったお嬢様から、皇貴さんに「お兄さんて呼んでいいんですよ」って言わせたい
というメッセージをいただきまして。
『やっておしまいなさい』とおバカの神様が背中を押してくれたのだと勝手に信じてアップしました。
年明けにアップしますなんてメッセージしておきながら、1月も終わりに滑り込ませる形となってすみません。
しかも皇貴さん悶えさせちゃったし。



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