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   コングラッチェ 11   


学園話に戻って参りました。
チオリンの朝ごはんは、ナーの学生時代のリアルな朝ごはんです。

「いらっしゃいませ」
「っハイ!」
「何かお探しならお手伝いしますよ?」

うーっ…できれば放置しておいてほしい…。

真っ赤になってモジモジとしているキョーコを店員はクスリと笑って、何かあれば声をかけてと言い残してレジの方へと立ち去ってくれた。

お姉さん、絶対に呆れてるわよね。お店を出たり入ったり、その上お店の前をウロウロしたり。これ以上の異常行動は不審者として通報されかねないわ。

よし。決めた。女は度胸よ!

キョーコは決死の覚悟で商品を手に取ってレジへと向かった。

「これ、お願いしまするっ!」
「プレゼントですよね。ラッピングしますので少々お待ち下さいね」

あぅ。やっぱりバレてる…。


**


「天宮さん、おはよう!」
「おはよう。キョーコさん朝から元気ね」
「うん。テストも終わって、気楽だしね!…て、天宮さん、朝からお菓子なんか食べてるの?」
「あぁ、コレ?私の朝ごはんよ。キョーコさんも食べる?」

千織がキョーコに差し出したのは、クリームを薄いスポンジ生地で包み、チョコレートコーティングされたチョコパ○だった。

「えぇっ!?それが天宮さんの朝ごはんなの?」
「そうよ。昔から大抵コレね。ママもお兄ちゃんも朝はコーヒーだけよ?」

千織はそれがどうしたとばかりに、牛乳パックを片手にチョコパ○を食べている。

「天宮さん、お昼はいつもどうしてるの?お弁当?それとも学食で食べるの?」
「ん?お昼はメロンパンとコッペパンのあんバターサンドよ」
「何それ!!」
「だって学食も混んでて行く気しないし。売店のパンで十分よ」

全部甘いパンじゃないの!栄養だって偏り過ぎよ!!天宮さんの食生活がとても心配だわ。

難しい顔で考え込んだキョーコを、千織は不思議そうに見つめていた。

「ねぇ、何か用があって来たんじゃないの?…まさか、ゴシソクと何かあった?」

千織は可愛らしい顔を急に曇らせて、ピクリと片眉を動かした。

「へ?ご子息??私子供なんていないわよ!?」

慌てて手を体の前でブンブンと振るキョーコに、千織は仄暗くニヤリと笑って朝ご飯にかじり付いた。

「違うわよ。ゴシソクって不破君の事よ。『四則』演算も出来ないお坊ちゃまって事。ここ数日で定着した新しいあだ名よ」
「あぁ…アイツの事だったのね。…ご四則かぁ…本当に残念なあだ名ね」

本当にナイスなネーミングよ。
あんなものを大量に持ち歩くなんて恥ずかしかったけど、私ったらいい仕事をしたわ。

「まぁ、あんな馬鹿は放っておけばいいわ。で?」

ピーッと新しいチョコパ○の袋を破りながら、千織はキョーコの話を促した。

「あ、うん。その…」

キーンコーンカーンコーン …

「…チャイムだ。教室に戻らなきゃ。また来るね!」
「う、うん…」

慌てて走って行くキョーコを千織は首を傾げて見送った。


**


「キョーコさん、4限目の物理、自習だし学食行かない?」
「うーん…どうしよう」

キョーコと仲の良い薪野 穂奈美が筆記用具と自習プリントを持って声をかけてきた。
その先を見れば、須藤 友加、丸山 留美もこちらを見ながらおいでおいでと手を振っている。

先週はテスト週間でバイトも行けなかったから、来月はバイト代がピンチなんだよなぁー。

「この時間なら白玉あずき、まだあるんだよねぇ。答え見せてくれたら奢るからさ!ねっ?」
「下心アリアリだなぁー」
「やった。交渉成立よね?」

キョーコはくすくす笑いながら3人と学食に向かった。


「あれ?あそこに居るの敦賀先生じゃない?」
「ふぇっ!?」

友加が学食の隅に、目ざとく蓮たちが居るのを見つけた。
ビクリと体を揺らしてから、友加が指をさす方に視線を向けると、そこには蓮と社、そして奏江が座っていた。

「珍しい取り合わせよね。敦賀先生と社先生は仲良さそうなのは知ってたけど、琴南先生も輪に居るなんてさ」
「でも目の保養になるよぉ。…あっ!社先生が手を振ってる!!一緒の席に座っちゃうチャンスじゃん!」
「あっマルミー!!」

1人駆け出した留美を追いかけて、キョーコたちも蓮たちが座る席に近寄った。

「こら。お昼前に学食になんか来てないで学生は勉学に励みなさいよ」
「自習だから学食で勉学に励むんだよー。先生たちこそこんなところでコソコソ何してんの?」
「あはは。コソコソと密談だよー。それより自習なんて言ってるけど、3人して最上さんに答えを教えてもらうつもりだな?」
「社先生、あたりー!」

留美たちが軽口をたたき合う様子をキョーコは楽しそうに見つめていた。

「白玉あずき買ってくるから、キョーコさんは座って問題解いててよ」
「仕方ない。私はソフトクリームトッピングしてあげる」
「じゃあ、マルミーは抹茶ソースをトッピングしてあげるねー」

穂奈美たちは売店の窓口へ楽しそうに歩いて行った。

「随分と高カロリーな一品になりそうね?お昼前によくもまぁ…」
「えへへ。でも嬉しいです」

心底うんざり顔で奏江は歩いて行く穂奈美たちを見つめている。

「先生たちは早めのお昼ですか?」
「うん。俺たち弁当持ってきてないから買うしかないんだけど、昼はできるだけ生徒たちが少ない時間に来ないともみくちゃにされちゃうからね。
特に蓮…敦賀先生なんてもう、隣の席をめぐって生徒たちの喧嘩が始まっちゃうしさ」
「社先生、変なこと最上さんに吹き込まないでください」

慌てる様子の蓮を、社はおかしそうに笑った。

やっぱり敦賀先生、モテモテでいらっしゃるのねぇ…でもそれより何より…

奏江はカレー、社はかつ丼を、蓮はパンを食べていた。

「敦賀先生のお昼ごはん、メロンパンだけなんですか?」
「ん?コーヒーも飲んでるよ?」
「そんなの食事に入りません!!」

やっぱり敦賀先生も食生活が崩壊してる!どうやってその大きな体を維持してるのよっ!

「ちょっと最上さん、そんな話はどうでもいいのよ。それよりこの前。卒業式の後、敦賀先生があなたを送ったでしょ?」
「へ?」
「えぇっ!?俺がインフルエンザで苦しんでる間に敦賀先生、何してんの?」

突然の話題にキョーコがシャーペンを握っていた手にぐっと力が入り、芯がポキリと折れた。

キョーコは自分を笑顔でジッと見つめている蓮をチラリと見た後、真っ赤になって慌てて視線をテーブルの上のプリントに落とした。
その様子を奏江は冷静に観察している。

「はっ…はい。その節は大変お世話になりましたっ」
「うん。もうすっかり良いみたいだね?」
「ナニナニ!!何それっ!俺、何も聞いてないぞ!?蓮君、なに満面の笑み浮かべてんの??」
「モーッうるさいわね!社先生、少し落ち着きなさいよっ!!で最上さん、敦賀先生に何もされなかった?正直に話していいのよ?」

それぞれが普段生徒には見せない地を出している様子に、キョーコは驚きつつも笑った。

先生たちは凄く大人だと思ってたのに、凄く普通な感じ。何か心地いいなぁ。

「正直も何も…本当に熱を出したところを、敦賀先生に良くしていただいただけです。本当にそれだけです。ね、先生?」
「……うん。熱を出した最上さんの看病をしながら、躰の汗を拭いてあげたり、口移しで水を飲ませたり、『1人にしないで』なんて可愛いダダをこねる最上さんの手を一晩中握ってたりなんて、してませんよ?」

ニコニコと似非紳士スマイルを浮かべる蓮を、全員がギョッと目を見開いて見つめた。

何よっ!何よそれ!!私、そんな事、何ひとつされてないわよ?
そんな嘘をさらりと喋り切るなんて、敦賀先生の言葉はやっぱり信用ならないわ!!

「…蓮、してないんだよな?やっていない事を列挙しただけだよな?」
「ええ。そうですね」
「何よその胡散臭い笑顔は…緊急職員会議が開かれる前に極秘会談でスッパリ吐いた方が身のためじゃないの?」

奏江が追及をしようとしたところに、穂奈美たちが笑顔で戻ってきた。

「お待たせー!!特製白玉抹茶あずきソフトだよー!」
「…結局4人全員それじゃないの」

嬉しそうにスプーンを持つ女子たちに、話の腰を折られた奏江がため息をついた。



つづく。



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