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   西方の3愚者 前編   


蓮誕です。前・後編でアップです。
キョコ誕話(東方の3博士)の続きです。



「やっぱり最初の贈り物はシルバースプーンかしら?」
「それもいいね。『銀のスプーンを咥えて産まれた子は幸せになる』…か。勿論幸せになってほしいからね。ジュリ、デザインはどうする?」
「予定日が9月でしょ?誕生石のサファイアをダイヤで囲んだらいいんじゃないかしら?ウフフッ。とっても可愛らしいスプーンになりそうね!」
「母さん、シルバーは変色しやすいんですから、そこに石を埋め込んだらメンテナンスが大変ですよ」
「あら、じゃあシルバーじゃなくてプラチナにしておけばいいわ」

ジュリママ、本来の意図から離れた品物になってますよ?それに恐ろしく高額な品物になりそうです!

「あとは私の母国のロシアでは贈り物にマトリョーシカも伝統的よ?私が産まれた時に祖父から貰ったマトリョーシカが確か家にあるはずだわ」
「マトリョーシカか!!それも良いね。よし、キョーコと久遠を取り巻く人たちを入れ込んでみるか!そうだな、ざっと100個くらい重ねられるだろうか?」
「父さん、母さん、だるまやのご両親と俺とキョーコでいいんじゃないかな? …後々うるさそうだから社長も入れておくか」

敦賀さん、モー子さんと天宮さん、それに社さんを忘れてますよ?社さん、今のを聞いたら絶対に泣いちゃいます。

ジュリエラとクー、蓮の3人が、蓮の家のパソコンを使ってショッピングサイトを真剣に覗き込んでいる様子を、
ダイニングテーブルで紅茶を淹れながらキョーコは見守っていた。

「あの…ジュリママ、クーパパ。お気持ちは大変嬉しいのですが、まだ先ですし…それに頂き物も、そろそろ子供部屋に入りきらない様相を呈してまいりました」
「まぁ!キョーコ、ごめんなさい。全然気が付かなかったわ。そうよね…
もっと広いお部屋が必要ね。久遠、そこのジムを潰して子供部屋にしてしまいましょう」
「えぇっ!母さん、ジムは困るよ」
「それなら使ってない反対側の書斎と子供部屋をつなげたらどうだ?」

クーパパ、リフォームまでしちゃうんですか…。


初孫の知らせにヒズリ夫妻の喜びようは半端無く、毎日のように産まれてくる赤ちゃんのためのプレゼントが届く。
2人からのプレゼントでベビー服やおもちゃは勿論、退院時のセレモニードレスやらベビーベッドなど、既に思いつくものはほとんど全て揃っている状態だ。
果てには仕事の合間を縫うように、2人はプライベートジェットで駆けつける始末だった。

「世界が君を待っているんだよ!さぁ、早く出ておいで~」
「駄目よクー!まだまだ早すぎるわ。でも、こんなに待遠しいなんて久遠の時の比じゃないわ!」
「待ち遠しすぎて母さんの寿命が尽きてしまうんじゃない?」

ふぅ…。

「キョーコ、どうしたの?疲れた?それとも体調が悪い?少し横になる?」

楽しそうにはしゃぐ3人から目を逸らしてため息を噛み殺したキョーコに、蓮はそっと歩み寄り、心配そうに眉をひそめてキョーコの肩を抱いた。
その抱いた肩の薄さに、蓮の眉間の皺が一層深くなる。

「こんなに痩せて…つわり、まだ酷いの?」
「まだちょっと…。すみません、少し横になっていいですか?」
「うん、勿論。何か欲しいものはある?果物でも持って行こうか?」

キョーコはフルフルと首を横に振って1人ベッドルームへと向かった。


今日こそ…ううん、今日しかないわ。キョーコ、しっかりしなさい。今日は敦賀さんの誕生日なのよ?
私に出来る…ううん、私にしか贈れないプレゼントでしょ!

キョーコは大きなベッドに体を横たえたまま、不安を振り切るように、自分を鼓舞した。

そうよ。私、今すごく幸せなのよ?大好きな人の赤ちゃんを宿して、みんなが誕生を待ち望んでくれてる。
お母さんだって、『おめでとう』って言ってくれて…。だから何も不安に思う事なんか無いのよ。

でも…


「キョーコ、覚悟はできているのね?」


お母さんに赤ちゃんが出来た事を報告した時に言われた一言が、私の心に刺さったままなんだ。
だからこそはっきりさせなきゃ駄目だ。

『お母さんになる覚悟』なら、ちゃんと出来ている。私の覚悟なんて甘いものかもしれないけど、それでも…

私のように、母親の愛情に飢えた子にだけは絶対にしない。

だからお願い。お母さんに勇気をちょうだいね?


キョーコは自分のお腹をギュッと抱えて、ゆっくりと目を閉じた。



ベッドルームをノックする音に、うとうととしていたキョーコは現実に引き戻された。

「キョーコ、ちょっといい?」
「……はい。どうかしました?」

目をこすって、すぐにもくっつきそうな瞼を無理矢理開ければ、蓮が心配そうな表情を浮かべてキョーコが横たわるベッド脇に歩み寄ってくる姿が見えた。

「キョーコ、本当にどうしたの?日に日に元気がなくなっていくっていうか、最近キョーコの笑ってる顔を全然見てないよ。
子供の事で何か不安?それとも仕事の事とか、何か悩んでる?何でもいいから話してよ」
「…」

何と答えていいのか言いよどむキョーコに、蓮は躊躇いながら尋ねた。

「もしかして……その、産むのを迷ってる … とか?」
「えっ!ちっ違いますよ?」

不安げにキョーコを上目遣いに見上げる蓮に驚き、その後、怒りのような感情がふつふつと湧き上がってきた。

「そんなこと思う訳ないじゃないですか!!敦賀さん、何てこと言うんですかっ!」

キョーコはガバリと勢いよく起き上がる。

「キョキョーコ、ゴメン!ごめんなさい!!興奮すると体に悪いからちょっと落ち着いて!」

キョーコの見せた怒気に、蓮はオロオロとキョーコをなだめようと必死に謝った。

もー頭来た!!アレコレ悩むのなんて止めたわ!2択なのよ、答えなんてすぐに出るんだわ!!

…今すぐ敦賀さんに誕生日プレゼントを受け取るか決めていただこう。


覚悟を決めたキョーコは、ベッドの上で正座をした。

「敦賀さん、ちょっとここに座ってください」
「…何かな」

いそいそと蓮もベッドに上がって、キョーコの目の前に腰を下ろす。

「ちゃんと正座です」
「はい…」

怒ったような表情で腕組みをするキョーコを前に、蓮はお説教を待つ子供のようにちんまりと座り直した。

「私、率直かつダイレクトに言います」
「…はい」

ゴクリ

何だろう?大量の買い物を怒られるのか?それともうるさいとか?
暑苦しい父さんたちの相手が嫌だからだるまやに帰りたいとか?
…まさか俺と別れるとか言うつもり?

何を言われるのか、怒りのオーラを纏ったキョーコに緊張しながら、蓮はキョーコの言葉を待った。


「敦賀さん、私と結婚してください!」
「……え?」



つづく



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