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   コングラッチェ 13   


こんにちは。風邪がやっと治ったナーです。
通常営業に戻って初回はコングラッチェです。
元々、ナーの通った学校のおバカエピソードを短編で書くつもりだったんですが、いつの間にやら
おバカエピソードそっちのけで、学園モノに転がって行ってますが、きちんと学園モノになってますかね?
間違った方向に行ってたらコッソリ教えてください。



「キョーコさん!!!」
「天宮さん、ゼイゼイ言ってどうしたの!!」

キョーコの教室に、必死の形相の千織が駆け込んできた。
千織は食堂を出た後、キョーコをめがけて全速力で走った。

「どうしたじゃないわっ!」

ヨシッ!まだお弁当箱、開いてないわ。セーフッ!

友人たちと囲んだ机で今まさにお弁当を開けようとしていたキョーコを見て、千織はほっと安堵の息をついた。

「チオリン、どうしたのー?ニコニコ仮面が取れてるよ?」
「…マルミー、それ以上言ったら泣かすわよ?」
「留美さん、天宮さんと仲良いんだ?」

キョーコは笑いながら千織たちのやり取りを見守っていた。

「そんな事より明日からのクラス対抗球技大会の事で相談があるの。悪いんだけど生徒会室に来てもらっていい?お弁当を食べながら話しましょ?」
「う、うん。分かったわ。…皆ごめんね。ちょっと行って来るね」
「ううん。仕方ないよ。でも、生徒会も大変ね」
「本当よ。生徒会指導のアホのせいで」
「ん?チオリンなんか言った?」
「いいえ、こっちの話」

穂奈美たちに手を振って、開きかけていたお弁当を持ってキョーコと千織は生徒会室に向かった。


「で、天宮さんどうしたの?まさか球技大会の種目を増やせとか、どこかの部活からクレームついた?」
「球技大会なんてどうでも良いのよ!そんな話じゃなくて、このお弁当よ!」
「お弁当? …えへへ」

キョーコはテレッと千織を見つめながら笑った。

全く、なんて可愛い笑い方するのよ。お兄ちゃんが今のキョーコさんを見たら、間違いなく無意識のうちに抱きついてるわ。


今朝、HRの始まる前に、キョーコは朝ご飯のチョコパ○を食べていた千織のところにやって来て、看病をしてもらったお礼だと言ってお弁当を置いて行った。
蓮にも同じものを先程届けたのだと聞いて、千織はガッツポーズして小躍りする兄を思い浮かべて苦笑していた。


…お兄ちゃんが今まさに学食で生徒に見せびらかしながらキョーコさんが作ったお弁当食べてるわよ、なんて言ったらキョーコさん、ショック死しちゃうわ。
流石、兄妹。考えることは同じね。皆にキョーコさんのお手製お弁当を自慢したいのよ。
私だって見せびらかせたかったからこそ、普段は寄り付かない食堂になんか行ったんだもの。

だから手に取るようにお兄ちゃんの考えがわかるわ!

見せびらかしたいのがメインだけど、『お弁当を作ってくれるくらい親密な彼女がいる』アピールで女子生徒からのラブアタックを減らしたいのと、あわよくばキョーコさんに自分の本気度をアピールしたかったのよ。
まぁコレは間接すぎて、鈍いキョーコさんには伝わらないでしょうけどね。

でも、どんなお弁当だったかすぐに噂になるはずだわ。その時、私やキョーコさんが同じようなお弁当を食べてたなんて記憶してるような奴がいたら、すぐに疑惑を持たれて嫉妬に駆られた女子生徒に校舎裏に呼び出されちゃうわ!
そうならないようにまずはキョーコさんを隔離よ!


「…キョーコさんが作ってくれたお弁当、一緒に食べたかったの」
「天宮さんっ!私すっごく嬉しい!!一緒にお弁当を食べるなんて初めてね!」


一緒に食べたいだけなら、わざわざ生徒会室に隔離なんてしないで、キョーコさんの教室でマルミー達と一緒に食べればいいだけの話じゃないの。
…こうも善意を全面に押した話をマルッと信じちゃうなんて、この子大丈夫かしら?


キョーコの笑顔に毒気を抜かれた千織は、ふよふよと浮かんでしまう笑いをかみ殺してキョーコのお手製弁当の蓋を開けた。

わぁ…彩りが良くてとっても美味しそう。

「それじゃあ、いただき… あら?なんか私のお弁当とキョーコさんの、少し違う?」
「あはは。バレちゃった?少しハンバーグ焦がしちゃって。あ、でも先生と天宮さんのにはちゃんと焦げてないハンバーグを入れたわよ?」
「え。そうじゃなくて…」

そんなんじゃなくて。キョーコさんのお弁当箱の中身、なんとなく形が不揃いな人参とか、房が千切れてるブロッコリーとか…あれ、アスパラベーコン巻が無いじゃない。卵焼きだって端の部分だし…。

人のために尽くしちゃうキョーコさんらしいわ。…本当にお人好しなんだから。

「…ありがとう。いただきます」
「はい。召し上がれ」

千織は神妙な顔をして両手を合わせて食事のあいさつをした。そんな千織をキョーコはニコニコと見つめながら、自分もいただきますと小さく言って箸を取った。


**


千織との楽しかった食事を終えて、キョーコが教室に戻ると、女子生徒たちの悲鳴がそこかしこで聞こえてくる。びっくりして穂奈美たちが居る窓際へとキョーコは駆け寄った。

「ちょっと、どうしたの?何かあったの?」
「大ありよ。大ニュースに友加だって涙目になってるしね」
「えぇっ。どうしたの!!」
「何と敦賀先生、食堂に彼女が作ったお弁当を持って来て食べてたらしいんだよね」
「えぇ!?彼女!!」
「うん。彼女。しかも凄く美味しそうなお弁当だったらしくって、敦賀先生も満面の笑みを浮かべながら食べてたらしいんだよねー」
「これは結婚も近いんじゃない?」
「いやーーーーーーーっ!!聞きたくないーーーーーっ!」
「友加落ち着きなよ!大体あんなイケメンがうちらみたいなショボい女子高生を相手にするわけがないじゃん」
「ショボくないーーーっ若さあふれるピッチピチのJKだよーーーっ!」
「あははー。友加がキレたー。…あれ?キョーコちゃんどうしたの?」
「うっううん。何でもないよ?」

キョーコは留美に笑って誤魔化した。
その後、5時間目、6時間目とキョーコはぼんやりと授業をやり過ごした。



天宮さん、朝からチョコパ○を食べたり、お昼もパンだけで済ませてるなんて、絶対に体に良くないわ。
先生だって、朝は何も摂らないみたいだし、お昼もパン1個だなんて、どうやってあの大きな体を維持してるのよ!
やっぱり先生と天宮さんへのお礼はお弁当にしよう。
料理なら得意だし、どうせ自分のも作るんだもの。1つ作るのも3つ作るのも手間は一緒よ。

…先生、何が好きなんだろう?

天宮さんに聞いてみようかしら。でもなんかそれじゃ気合い入れすぎ?
卵焼きとハンバーグと…そうだ、ブロッコリーが冷蔵庫にあったわよね。
先生、喜んでくれるかな?…って、ちち違うの。別に先生に美味しいって言って欲しい訳じゃなくて、作っても迷惑にならなければいいなって。
そうよ。看病のお礼がこんなショボいものだなんてガッカリされないかが心配なだけよ。
…でも、ちゃんと食べてくれたら嬉しいなぁ。

そんなことを考えながら、前日の午後の授業はやり過ごしていた。


それが1日後にはこの有り様よ。やっぱり私は空回る性分なんだ。惨めな気分だし、何だか自分が嫌いになってきちゃったよ。
…でも私が勝手に押し付けたんだもの。迷惑なモノはきちんと回収した方がいいわよね。
放課後に行ってみよう。…手早く済ませたいな…。


**


「あれ、最上さん。来てくれたの?」

蓮は他の数学担当教師が出払っている数学準備室を訪れたキョーコを笑顔で迎え入れた。

「何か飲む?あ、ココアがあるよ?まぁ、お湯を注ぐだけのやつだけどね」

いそいそとキョーコをもてなそうと机の上の資料をどかしている蓮を、キョーコはジッと見つめ、意を決して口を開いた。

「先生、朝お渡ししたものの回収に伺いました」
「え、お弁当箱ならちゃんと洗って返すよ」
「…結構です。どうせまだ手つかずでしょうから、私の夕飯にします。1食浮きます」
「えっ!もう無いよ?」

えぇ!?昼飯にって渡してくれたんじゃないの?しかも最上さんの顔滅茶苦茶怖いんだけど!

「無い!?…捨てたんですか!!先生酷い!どうせ食べないならそのまま突き返してくれればいいのに!」
「最上さん、何言ってるの?」
「だって先生、彼女のお手製弁当をお昼に食べたそうじゃないですか。…やっぱり彼女いるんじゃないですか!!そんなお弁当を持ってるのに、知らずに私ったら浮かれてお弁当を作って…馬鹿みたいじゃないですか。やっぱり私、敦賀先生にからかわれてたんですね。もういいです。お弁当箱、返してください」

キョーコはずいっと両手を蓮の前に差し出した。


ちょっと待て。今最上さん、お弁当を浮かれて作ったって言わなかったか?
俺の為に、浮かれながら作ってくれたって事?


「…ブロッコリー」
「へ?」
「ハンバーグに卵焼き、人参と、たこさんウィンナー…。全部美味しかったよ。本当だよ。カロリーさえ摂れればいいやくらいにしか思ってなかった食事がとても美味しくて、すごく楽しかった」
「…先生、本当に食べてくれたんですか?その…捨てる時にチラッと中身を確認しただけじゃないんですか?」
「まだ疑うの?意外に執念深いんだね」
「なっ!!悪かったですね!どうせ執念深い面倒くさい女ですよ!」
「本当に食べたよ!全部残さずに美味しくいただいたよ!!そうだな、人参は甘くて、ハンバーグは胡椒が利いててうまかったし、卵焼きは俺好みの味だった!また食べたいって…毎日食べたいって思ったよ!!」



つづく。



Comment
先生
ピンチを切り抜けられましたねー!

このあと、チャンスを広げられるかどうかはわかりませんが。Ψ( ̄∇ ̄)Ψ

しかし、ちおりん。いい仕事しましたね。

キョコさんの身に危険なことが起こらず何よりでした。

(あとで兄は妹に叱られるんですかね)
Re: 先生
魔人seiさま

コメントありがとうございます!
先生チャンスをピンチにしてしまうようです。
ちゃんとこのあと挽回できると良いのですが。どうなるやら。

チオリンはきっとお兄ちゃんにジャンピング・ニーを決めてます。
キョーコちゃんに危険をもたらすような輩には、身内だろうと容赦なく必殺です。
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