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   コングラッチェ 14   


コングラッチェです。
ナーは買い物が好きです。スーパーとかも好きですが、商店街はもっと好きです。
美味しいお惣菜のお店とか、焼き鳥屋さんとか豆腐屋さんとか。



「本当に…本当にそう思ったんだ。俺の事を信じてよ」

蓮は驚いた様子で自分を見つめるキョーコを、真剣な眼差しで見つめ続けた。

お弁当、最上さんが俺の為に作ってくれたと思うだけで本当に嬉しかったんだ。
今まで付き合った彼女達が作ってくれたこともあったけど、こんなにも美味しいと思うことや、誰かに自慢したいなんて思うことも無かった。
勿論、感謝の気持ちはあったけど、自分の時間を使ってまで俺の為に作ってくれる必要なんてないって思ってた。
むしろ気を遣わせて悪いな、って困った気持ちが顔に出てたんだろうな。嬉しそうじゃないとか、本当は食べたくないんだろうって怒らせて。

そんな彼女達に、俺が他の誰かと付き合ってるんじゃないかって疑われたら、言い訳するのも面倒でそのまま怒らせるか泣かせて別れてたのに…。

そんな俺なのに、最上さんに疑われたのがショックだったし、全力で誤解を晴らさなきゃいけないって思った。


本当に、最上さんの事になると全然スマートになれないんだ。理性より本能が先に反応してしまうんだ。
…君の事が好きでたまらないんだよ。

蓮はキョーコに近寄って、抱きしめようと両手を伸ばした。


「分かりました!」


蓮の手がキョーコに触れるより前に、キョーコは真剣な顔で蓮に分かったと言い出した。

「本当に?」
「はい!よーく分かりました。先生、本当に私のお弁当を食べてくださったんですね。誤解して変な言いがかりをつけて申し訳ございませんでした」

ペコリとキョーコは頭を下げ、首を少し傾けて笑顔で蓮を見つめていた。

え!?分かってくれたのはソコだけなの?俺の気持ちは伝わってないのか!!

「…うん。半分でも分かってもらえてよかったよ…」

蓮は複雑な気持ちでため息をついた。


「それでは明日から先生の分のお弁当をお作りしますね。天宮さんの分も作った方がいいかしら?」

うーん、と首をひねって考え出したキョーコに蓮は驚いて話しかける。

「え?明日?」
「はい。だって先生、毎日食べたいって仰ってくれたじゃないですか。乱れきった食生活を改善する気になったと言う事ですよね。私、及ばずながらお手伝いさせていただきます!」
「え?いや、そういう意味じゃなくて…」

好きな子の…最上さんの手料理が食べたいって話で、食生活改善とかそんな事務的な話じゃないんだけど?
…いや、ここはこの絶好のチャンスを最大限に利用するに限るか。

「それじゃあお願いしようかな。まだ千織、学校に居るかな。居るなら呼んで、3人で買い物に行こう」
「はい!私、頑張ります!!」


**


「キョーコさん、本当にいいの?色々と面倒でしょ?」
「そんなことないよ。1人分作るのも3人分作るのも手間は同じよ。それに私、料理は嫌いじゃないの。それが天宮さん達に喜んでもらえるなら俄然やる気出しちゃうわ!」

クスクス笑いながら、キョーコは買い物かごをショッピングカートの上に乗せた。


蓮の車でキョーコと千織はスーパーマーケットへやって来ていた。
キョーコの自宅がある最寄駅の商店街で買い物をしようと言うキョーコの提案を千織は却下した。

「商店街で買い物だなんて目立ってしょうがないわ。万が一、うちの生徒に見られでもしたらどうするの?噂の的になっちゃうじゃない。
買い物はうちのマンションの地下のスーパーよ。あんな駅から遠い不便なスーパー、知り合いと鉢合わせする心配なんてそう無いわ」
「えー。面倒じゃない?」

うるさいわね。色々とキョーコさんの為に気を遣ってるんじゃないの。
今までお兄ちゃんの『彼女』となった子が、お兄ちゃんの知らないところで裏で壮絶ないじめに遭うのを何回も見てるんだから!
女の嫉妬ほど怖いモノなんて無いのよ!

千織はフーッと怒りを鎮めようと大きく息を吐いた。

「大丈夫。お兄ちゃんがちゃんと車で送るから。あと、買い物代はお兄ちゃんが出してね」
「勿論だよ」
「えぇっ!別にそんなのいいのに…」
「何言ってんの。私たちの分を作ってもらうんだから当たり前よ。どうせなら1食1万でお兄ちゃんに売ればいいのよ」
「1万でいいの?安すぎでしょ」
「ほらね?」

げんなりした顔で千織はニコニコと笑う蓮を指差した。

「もう、天宮さんたら冗談ばっかり言うんだから…。さて、何が食べたいですか?リクエストとかあれば言ってくださいね」
「んー…なんだろう。卵焼きが美味しかったわ。あれってどうやって作るの?」
「えへへ。出汁巻き卵は得意なんだー。そうだ、鮭とほうれん草を卵で巻いてみる?」
「凄い!キョーコさん、本当に料理が得意なのねぇ…尊敬しちゃうわ」

キョーコと千織が話している間、蓮は後ろから二人の仲の良い様子を笑って眺めていた。
が、目は笑っていない。

千織…できればそろそろ空気を読んで、最上さんと2人きりにしてくれないか?
2人でショッピングカートを押しながら買い物をする…。最上さんが選んだ食材を俺がかごに入れる。
…うん。なんか理想的なカップル図じゃないか?いや、カップルというよりむしろ新婚?

「…すか?先生、聞いてますか?」
「え?」

気が付けば後ろを振り返ったキョーコが不思議そうな顔をして、蓮を見つめていた。

ププッ!お兄ちゃんきっと今、キョーコさんと新婚のように手を繋いで買い物をする様子を妄想してたんだわ!
さすが乙女だわっ!ニマニマしちゃって。キモッ!!


「ごっごめん。ぼーっとしてた。最上さん、何かな?」

蓮は咳払いを1つした後、顔を真っ赤にして笑いをこらえている千織をジトリと一瞥した。

「先生は何が食べたいですか?」

キョーコは気にする様子もなく蓮に笑いかけながらもう一度尋ねた。

「うーん…」
「そんなに悩まないでください。生姜焼きがいいとか、ポテトサラダが食べたいとか何でもいいんですよ?」
「それもいいけど…そうだ。あれ入れてくれると嬉しいな。たこさんウィンナー」
「ふえっ?」
「何お兄ちゃん子供みたいなこと言ってんの?バカじゃないの?」

千織は冷めた視線を蓮に送っている。

「今日のお弁当に入ってたじゃないか。あれ、可愛くて最上さんのお弁当っぽくて嬉しかったんだけど?」
「そんなの入って無かったわよ。…あれ?キョーコさん…」
「あわわわわわ」

だってだって、なんか浮かれちゃって…普段なら斜めに切れ込みを入れて炒めるんだけど、つい出来心でタコにしてみたのよ。
そうしたらフライパンで焼いているうちに足がもげちゃって、無事だったのが1個だけだったんだもの。
浮かれたまま先生の分のお弁当箱に入れちゃったのよぉーー。


そうか…俺のお弁当にだけ、たこさんウィンナーが入ってたんだ。

「ふぅん。キョーコさんもまんざらじゃないんだ?」
「いえ、あのその…」
「プッ!キョーコさんがタコみたいに赤くなってどうするのよ」
「最上さん、俺のお弁当には毎日たこさんウィンナーを入れて欲しいな」
「うーー・・・ ふぁい…」

とろけるような極上の笑顔で、蓮は真っ赤になったキョーコを見つめていた。



つづく。



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