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   お返しのお返し   


バレンタイン話『啓示』の対となってる(筈の)ホワイトデー話です。
うっかりホワイトデーを忘れてまして。某様宅でホワイトデー話を堪能して、
あれ?自分、用意してないね?とビックリしました。
脳内妄想を書き起こしたはいいけどタイトル思いつかず!!変なタイトルですみません。


「はい、キョーコ。バレンタインのお返しだよ」
「えぇ!?」

そろそろ寝ようとベッドにモソモソと入ろうとしていたキョーコに、蓮は茎の部分に赤いリボンが結ばれているだけの、1輪のプリンセス・ローザを差し出した。

「わぁ…ローザ様ですね!そっか…今日はホワイトデーでしたね。すっかり忘れてました。」
「あ、棘を処理してないから、指を傷つけないように気をつけて?」
「素敵なプレゼントありがとうございます」

バレンタインなんて、バカショーのせいで敦賀さんの車でぺちゃんこになったチョコだったのに、こんな素敵なプレゼントを貰えるなんて…。

キョーコはふにゃりと笑って匂いを嗅ごうと顔を寄せた。

「キョーコ、違うよ?それはプレゼントじゃないよ」
「え?」

一輪でも存在感抜群、ゴージャスな薔薇を『お返し』と差し出しておきながら、プレゼントじゃないと笑いながら蓮は言う。
キョーコは意味が分からず、頭の上にクエスチョンをいくつも浮かべながらローザを見つめていた。

そんなキョーコをくすくすと笑いながら、蓮はクローゼットからいそいそと何かを取出して、キョーコの横に座った。

「はい。コッチがプレゼント。それはプレゼントを受け取ってもらう為の魔法の杖だよ」
「ほえ…風船、ですか?」
「うん。可愛いでしょ?」

キョーコの顔より少し上の高さで、ハート型をしたピンク色のバルーンがほよほよと3つ浮いていた。
風船とつながっているリボンをキョーコに差し出す。

「可愛い…凄く可愛いです!!ハート型の風船なんて初めて見ました!!ありがとうございます!!!」

こんなに可愛らしいプレゼントを貰えるなんて!!しかも大きなハート型…
どうしよう、形にも意味があるって思っていいのかな?自惚れてもいいのかな?

「じゃあ、その魔法の杖に付いている棘で風船を割ってね」
「えぇぇっ!?割るんですか?どうして!こんなに可愛いのに勿体ないです!!」

びっくりして蓮を見れば、予想通りのキョーコの反応を、面白そうに笑っている。

「バレンタインは潰れたチョコだったから、そのお返しは破裂させようと思ってね」
「うぐぐ。…なんか敦賀さん、意地悪ですね?」
「いいから、いいから。ほら、割ってよ」

ズイッと風船の1つをキョーコの目の前に差し出した。

風船の形に意味なんて無かったんだ…。
敦賀さんの気持ちが詰まったハートを貰えたのかと一瞬でも舞い上がっちゃった自分が哀れだわ。
こんなにも素敵なローザ様を魔法の杖に見立てた罰ゲームを用意するほど、潰れたチョコを根に持ってらっしゃったとは…。

「うーっ。自分で破裂させるなんて怖いです。本当にやらないと駄目ですか?」
「駄目です。」

涙目になっているキョーコに、キュラキュラと光り輝く笑顔で蓮は否と告げる。

「そんな小動物のような可愛い顔をして見つめても駄目だよ?」

クスクスと笑う蓮に、許してくれる気配が無い事を悟る。
キョーコはギュッと目を瞑って、恐々と棘を風船にあてた。

「ダメダメ、眼は閉じない」

蓮がキョーコの後ろから抱きかかえて、自分の膝の上にキョーコを座らせた。

「ふぇぇっ!敦賀さん!?」
「だって目を瞑ろうとするから。瞑ったら駄目だよ。きっと後悔すると思うよ?」

蓮はキョーコの額をグッと押して自分の胸に後頭部を付けると、人差し指でキョーコの上瞼を、親指で下瞼を押さえて両目が閉じないようにがっちりと固定した。

「ギャーッ拷問っ!拷問ですっ!!そんなに潰れたチョコを怨んでたなんてぇー!!」
「ほらほら、早く割らないと目が乾いちゃうよ?」

うぐーっ!!逃げ場なし!!!敦賀さん、すっごく楽しそうにしてるもの。やり遂げない限り私の両目はこのまま閉じさせてもらえないんだわ!!
目が乾いて痛くなってきたよぉ!

「最上キョーコ、覚悟を決めました。ドライアイになる前に行きます!!」

手を伸ばして出来る限り自分から風船を遠ざけて、魔法の杖を右手に持ち、最後は破れかぶれ気分で『エイッ』と掛け声と共に勢いよく風船に棘を叩きつけた。

パンッ

小さな破裂音と共に、風船は割れた。

「ひゃっ!」

割れた風船からは、勢いよく放射状に赤い何かが飛び出して、キョーコと蓮に降り注いだ。

蓮は抑えていた手をキョーコから離す。

キョーコは目の前に舞い降りた赤いそれを1つ摘んだ。

「何これ……花びら?…薔薇の花びらじゃないですか!!しかもこれ…」
「うん。気付いた?プリンセス・ローザだよ」

惜しげもなく摘まれたプリンセス・ローザの深紅色の花びらがベッドの上に舞い散っていた。

「凄い!凄い凄い!!凄い綺麗です!!」
「ね?目を閉じなくて良かったでしょ?さぁ、魔法使いさん、もう1つお願いします」
「えぇ!まだあるんですか!?」

驚いてキョーコが振り返ると、蓮は笑いながら風船を差し出している。

「残り2つ。あと2回、魔法がかけられるよ?」
「ウキャーーーッ!!」

目を爛々と輝かせて、子供のように喜びながらキョーコは蓮から風船を受け取った。

さっきまで恐る恐る風船を割っていたキョーコはもうどこにもいない。
今度は自分の頭上で風船を勢いよく割った。

次にキョーコと蓮に降りしきったのは、ピンク色の花びら。

「この薔薇の名前は『天女』だよ。俺の前に舞い降りた可愛らしいキョーコにピッタリの薔薇だと思ったんだ」
「天女だなんて…敦賀さん、畏れ多いです…」

居たたまれなくなって、キョーコは蓮から離れようと腰を浮かすと、後ろからそっと抱き寄せられた。

「駄目。俺のそばにずっといて欲しいから、羽衣なんて返してあげないよ」
「…ムズムズします。そんな風に言ってくれる人なんて、敦賀さんだけだと思いますよ?」
「さ、最後の魔法をかけてみて」

極上の笑顔で、蓮は最後の風船をキョーコに差し出す。

次は…最後はどんな色なの?

キョーコは頬を紅潮させて、ドキドキしながら最後の風船を割った。

「~~~~~!!!」

最後に舞い降りたのは、天使の羽を思わせる純白の花びらだった。

「この薔薇の名前は『ホワイト・プリンセス』。どう?魔法で純白のお姫様になってもらえたかな?」
「凄い!!凄い!!敦賀さんありがとうございます!最初は風船を破裂させろなんて、どんないぢめかと思いましたけど、まさかこんなプレゼントをいただけるなんて!!」
「喜んでいただけた?」
「はい!勿論です!!」

キョーコはベッドの上に散乱した花びらを両手で集めて掬い上げて、もう一度宙に放った。

赤、ピンク、白の花びらがふわりと舞い散る。

その中にキラリと何かが宙で光った。

なんだろう?

不思議に思って花びらをよけて、ベッドに落ちてきた花びらとは異質なものを摘み上げたキョーコの手がピタリと動きを止めた。

「…敦賀さん…これ…」
「これがホワイトデーの本当のプレゼントだよ。お姫様、受け取ってくれるかな?」

キョーコは手に持ったプレゼントを、大きな目を殊更見開いて凝視していた。
それは白い薔薇の花びらが入った風船にあらかじめ入れておいたリングだった。

リングには薔薇と蔦の彫刻が施されて、中央には青い石がはめられている。

「この石…もしかして…」
「うん。コーンと同じアイオライトだよ。そして青い薔薇の花言葉はね、『夢叶う』だよ。キョーコの夢が叶うようにって願いを込めたんだ」
「嬉しい…ありがとうございます。敦賀さんの隣に立てる役者にやれるように、私頑張ります!」

蓮はキョーコの手を取って、そっとその左手の薬指にはめた。

「仕事柄、身に付けていられる時間は少ないかもしれないけど、どうしてもキョーコにこのリングを贈りたかった」
「敦賀さん…」

感激に潤んだ瞳で、キョーコは蓮を見つめた。

「そして俺の夢をキョーコ、叶えてくれる?」
「敦賀さんの夢ですか?私に出来る事でしたら…」

敦賀さんの夢って何だろう?ハリウッド進出?でもそれは私に叶えてあげられることじゃないし…。
…ご飯を忘れずに食べてもらうとか?

小首を傾げて自分を見上げるキョーコを、蓮は熱く切なげに見つめている。

「キョーコと一つになりたい」

「…… !!」

ボボボボボッ

一拍おいて、蓮の言葉を理解したキョーコの顔が一瞬で真っ赤になった。
そんなキョーコを、蓮は艶めいた情熱的な視線で絡め取る。

夜の帝王ーーーっ!!
一体どのタイミングでご降臨あそばしたの!?いつスイッチが入ったんですか!!!

~~~~っ!!

恥ずかしさを誤魔化そうと、キョーコは蓮の胸にポスンと顔を沈めた。

「…ねぇ赤ずきんちゃん。どうしたらいいか分からないとか、断るつもりなら狼の懐に自分から飛び込んじゃったら駄目だよ?」
「……よく言いますよ。ここまでロマンチックな演出をされちゃって、どうやって断ればいいんですか…」

この策士、と悪態をついてキョーコは顔を埋めたまま蓮の広い背中に腕を回した。
耳まで真っ赤にしているキョーコのつむじにチュッとキスを落として、蓮はキョーコを包み込むように抱きしめる。


薔薇のむせ返るような香りの中、キョーコは蓮に身を委ねた。



END.



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