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   コングラッチェ 18   


こんにちは。
本日は今頃焼肉を食べてるはずです。ナーはホルモン系も何でも来いです。
美味しいと教えてもらった「カッパ」が食べられるとウキウキしてます。

竜巻ですが、数年前に近所をびゅーんと通って行きました。
スーパーの駐車場で車が裏返っていたり、学校の窓が割れたり。大変でした。


「あぁっキョーコちゃん!無事だったんだね!?良かったよぉ。連絡がつかないって皆が心配してたんだよ!」
「小島のおばちゃん…」
「大家さんも心配してたよ。キョーコちゃん軽いから、竜巻に屋根と一緒に飛ばされちまったんじゃないかって。どこも怪我無いんだね?」
「俺、大家さんに知らせてきます!」

アパートの手前で団子状態になっていた住人たちが一斉にキョーコを取り囲んで、無事な様子に一同安堵した。

急に窓がガタガタと鳴るような風が吹きつけたと思ったら、次の瞬間、バリバリという轟音と共に瓦礫が落ちてきたと言う。
かすり傷などはあるものの、住人全員が無事だったと教えてくれた。

「部屋は滅茶苦茶だし雨も降ってたから、部屋にあるものなんてほとんど使えない状態さ。何も持ち出せやしないし、本当に酷い有様だよ」

呆然とした様子で話を聞いていたキョーコに正気が戻る。

「そうだっ!お父さん!!」
「最上さん!?」

取り囲んでいた住人たちの輪を潜り抜けて、キョーコは自分の部屋を目指して走って行く。

「あぁっ!キョーコちゃん危ないよ!!」

住人たちの制止を振り切り階段を必死に駆け上がるキョーコに、蓮と千織も慌てて続いた。

お父さんってどういう事だ?独り暮らしの筈だろう?それに今日墓参りに行って来たじゃないか?

蓮の戸惑いを余所に、部屋に辿りついたキョーコは散乱した荷物には目もくれずに部屋の奥へと進んで行く。
クローゼットを勢いよく開けて息を呑んだ後、自分が濡れるのも構わずその場にへたり込んだ。

「お父さん…良かったぁ…お父さんがいた…」

クローゼットの中の、台の上にあったものを胸に掻き抱いてキョーコはうずくまった。

「キョーコさん…」
「うっく…うぅ……ひっく…おとさん…」

キョーコは父の位牌を抱いて、肩を震わせながら泣いていた。その後ろ姿は小さく、頼りなくて、今にも消えてしまいそうに見えた。

千織より一歩早く蓮がキョーコのそばに歩み寄り、キョーコの細い肩にそっと大きな手を添える。

「最上さん、大丈夫だよ。俺たちがついてるから」
「ひっく……先生…」
「そうよ私だって居るんだから!キョーコさん、安心していいんだからね?」
「うっっ……天宮さん…あり…ありがと…」

ぼろぼろと涙を零し続けるキョーコを千織は抱きしめた。


ひとしきり泣いてキョーコが落ち着いた頃、蓮はキョーコに優しく話しかけた。

「最上さん、ちょっとだけお父さんを借りてもいい?」
「?」

差し出された両手に戸惑いながらも、『心配ない』と頷いて見せる蓮にキョーコは父の位牌をそろりと託した。

受け取った位牌を恭しく眼前に掲げると、蓮は目を瞑り、無言で位牌に頭を下げた。


最上さんの事は俺が絶対に守ります。だから、どうか安心してください。


蓮はポケットからハンカチを取り出して雨に濡れた位牌を丁寧に拭うと、キョーコの手に戻した。

「ここは危ない。お父さんも無事だったし、下に降りよう」

鼻をスンスンと言わせならコクンと頷いたキョーコを、千織がゆっくりと立たせてやる。

「キョーコさん、私たちがついてるから大丈夫よ」

位牌を抱いたキョーコの肩を、蓮はぎゅっと力強く抱いて一歩を踏み出した。



「キョーコ!!!無事だったんだな!?」

聞き慣れた大声にキョーコは顔を上げた。
そこには血相を変えたショータローが、アパートの階段下からキョーコたちを見上げていた。

「…ショーちゃん…」

親しげにショータローを呼ぶキョーコの声に、蓮のキョーコの肩を抱く手がピクリと震えた。

「大家から電話があってビビったぞ。お前、怪我は無いんだな!?カーちゃんも心配してる。家に帰んぞ…ってうわっ!天宮に敦賀までなんで居るんだよ!!」

ふぅん…不破君、キョーコさんしか目に入ってなかったんだ?私たちずっと一緒にいたのにね?
でも、どうしてキョーコさんが不破君の家に行かないといけないの?幼馴染みなだけでしょ?

千織がキョーコを見ると、キョーコはじっと心配そうに蓮を見上げていた。

心細いから一緒に来て欲しいなんて、先生に言ったら迷惑よね…。

気づかわしげにキョーコを見下ろす蓮と、それを見上げるキョーコの様子にショーが苛立つ。

「ほらっキョーコ何してんだよ!早くしろよ!!」
「…不破君、俺もついて行っていいかな?」
「あぁ?部外者は引っ込んでろ!」
「部外者でもないと思うよ?ほら、今日から4月だろ?俺、最上さんの担任なったんだよ。学校にも竜巻の連絡があってね。心配で様子を見に来たら、丁度天宮さんと2人で帰って来た最上さんを見つけたんだ。無事で何よりだよ」

お兄ちゃん胡散臭過ぎっ!!よくもまぁペラペラと嘘が出てくるものねぇ。
でもご近所さん達が集まってる手前、これ位しか言えないか…。

集まっている住人たちは、蓮たちのやり取りを楽しそうに見つめている。

「青いのぉー!甘酸っぱいのぉー。三角関係って奴かのー」
「嫌だ!重田のおじいちゃんったら!もう少し小声で話さないと聞こえちゃうわよ!」
「何が偶然よ。毎朝お弁当を受け取りにやって来てるくせに、よく言うわよね?最近は毎晩遅くキョーコちゃんを送って来てるじゃない」
「喝ーーっ!ワシのあいどるにあの男、どこまで手を出しとるんじゃろか!」
「いやだ!好き合ってる若い男と女がすることなんて1つしか無いに決まってるじゃないよ!!」

駄目だ。お兄ちゃん全然隠しきれてない。寧ろそれ以上の逞しい想像が繰り広げられてる…。
あっ。不破君がワナワナ震えだした…。ご近所さんの妄想を信じちゃったみたいね。

こんな状態の不破君とキョーコさんを2人になんてさせたら、またキョーコさんを無駄に責めるに決まってるわ。

「ねぇ、私も一緒に行っていい?」
「…来てくれるの?迷惑じゃない?」

不安そうに自分を覗き込むキョーコの顔を見た千織の頭にカッと血が昇る。

「私がキョーコさんと一緒に行きたいのよ!もっと人を…私たちを頼りなさいよ!!」
「ありがとう…私、もうどうしたらいいか全然分からなくて…天宮さんと先生に居て欲しいの」
「居てあげるわよ!キョーコさんが嫌だって言っても離れてなんてあげないわ。一緒に行くわよ!いいわよね!?ゴシソクっ!!」
「チクショー!ゴシソク言うなぁー!!」



つづく



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