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   偶然と必然 1   


そんなこんなで1周年を勝手に記念してはじめてしまいました。
良かったらお付き合いくださいませ。


仕事を終えて自宅へ帰る途中、何かお腹に入れておこうと駅近くのコンビニに入った。
終電を迎えた駅前のコンビニは、自分のような仕事帰りのサラリーマンや酔客で割と賑わっていた。

おにぎりを適当に掴んで、缶ビールを取ろうとアルコールの棚の前に立った。

「あのっすみません」

500缶にしようか360缶にしようか、少しだけ逡巡していたところに、緊張したように上ずった声で、躊躇いがちに声をかけられた。

「何?」

声の方を見下ろすと、そこには、ショートパンツにパーカー姿の1人の少女が立っていた。
べっ甲の大きな眼鏡越しに、少し困ったような大きな瞳が印象的だった。

「ビールって、どれが美味しいんですか?」

飲んだことが無いので、美味しいのはどれかを教えて欲しいのだと言う。

声をかけてきた少女は女子高生くらいの年頃だろうか。未成年が無理に背伸びをしようと、深夜のコンビニでアルコールに手を出そうとしているのかと思い、一瞬眉を顰めた。
背伸びなんかしなくても、大人になるまでなんて、あとほんの少しの間なのに。

そう思って少女を窘めようと口を開きかけて、つい笑ってしまった。

その少女は、全然分からないと呟きながら、ショーケースを眺めている。
未成年が少し大人ぶってアルコールを買うにしては真剣そのもの。しかも片手には、イカそうめんを握り締めている。

そのチョイスは渋すぎる。

少女が一体どれほど背伸びをしたいとのかよく分からないが、まぁ他人事なのでそれ以上介入しようとは思わない。
それに未成年のくせに、なんて説教なんかしたところで、少女の目標が達成されるまで、他の客が声をかけられるだけだろう。

「あの…」
「あぁ、ごめん。美味しいビールだったよね?…うーん。無難にスタンダードなのでいいんじゃない?」

はい、と売上No.1のビールを選んで彼女の前に差し出すと、ほっとした様子でそれを受け取った。

「ありがとうございます。そしてもう1つ、我儘を聞いてもらえますか?」
「もう1本選んでほしいの?」
「いえ…その…」
「ん?」

我儘を聞き入れてもらえるかが不安だったのだろう。自分を上目遣いで見つめてくる瞳にドキリとした。

何も考えられず、ただ固まってその少女の瞳を凝視してしまった。
今自分を見上げている少女は本当に困っている様子で、庇護欲をそそられた。

「…お金をお渡しするので、これを一緒に買って貰えませんか?」
「は?」

未成年と間違えられて、アルコールを売ってもらえない自信がある。年齢確認ができるモノを提示すれば、アルコールは売ってもらえるが、今は自動車免許等の類を持っていないので、完全にアウトだ。
そこで自分の分の買い物を一緒にして欲しいと言われたのだ。

ビールとイカそうめんを上目遣いで自分を見上げながら差し出す少女。

財布を持っているのに、そこに身分証が入っていないなんて、本当に未成年じゃないのか?
そんな嘘をついてまでビールとイカそうめんが欲しいとは、と思うと何だか楽しくなってきた。

「良いよ買ってあげる。そのかわり、俺の家で飲まない?」
「え?…」
「あぁ、変な気は起こさないよ。家はこの隣のマンションなんだ。どうせなら、そのビールの感想を聞きたくて」

人生初の飲酒体験なんだろ?というと、なる程、と彼女は簡単にOKしてくれた。

彼女の分も合わせて清算して、コンビニを後にすると、少女が荷物を持つと手を伸ばしてきた。
これくらい持つよ、というとありがとうと言われた。律儀な子なんだなと思うと、自然と顔が緩んだ。



「へー、2Kなんですね」
「狭くてごめんね。独身だし働いてるから寝に帰るだけの家だからね。…はい」
「ありがとうございます」

ラグに座って、キョロキョロと室内を見渡している少女に、プルトップを開けた缶ビールを渡す。

「それじゃあ、君の初体験に乾杯!」
「っ…イヤらしい言い方しないでください!!」

パカンと乾杯をしてゴクゴクとビールで喉を潤した。

「旨いっ!」

少女は恐々と両手で缶を持って一口、コクンとビールを飲み込んだ。

「うえぇ…美味しくない…」
「そう?まぁ、最初からこの味を美味しいって言う子はあんまりいないんじゃない?」

クスクスと笑いながら盛大に顔を顰めて缶の中を覗き込む少女を観察していた。
覚悟を決めて口元に缶を運んだ少女は、目をギュッとつぶってゴクリとビールを飲む。

「うーっやっぱり不味い…でも克服せねばっ!!」
「あっコラ」

少女は真剣な顔でそう言うと少女はぐびぐびと喉に流し込んでは、不味いと顔を顰めている。
缶を少女の手から取り上げようとすると、少女は逃れようと、嫌だと身を躱す。
大体未成年がお酒を、それも無理に飲む必要なんて全く無いのだ。それなのに少女は缶から手を放そうとしない。

「こら、良い子だから渡しなさい。もう俺が飲むよ。ビールだって旨いって思う人に飲んでもらった方がいいと思わない?」
「駄目ですっ。これを飲まねば…肥やしにならないのです」

真剣な目つきで少女は缶を見つめている。それほどまでに肥えたいのなら、真夜中のアイスやポテトチップの方が効率的な上に、少女にとっては魅惑的なんじゃないか?と不思議に思った。


「肥やしって…まぁ、君、ヒョロヒョロだから少しは肥えた方がいいとは思うけどね」

特に胸のあたり、と口ほどにモノを言う目でジッと見つめると、かぁっっと真っ赤になった少女がににじり寄ってきて、膝をペシリと叩いた。

「痛っ」
「酷い事を言うからです!そんな事を言う人なんてモテませんよ?」
「ソウデスネ」

これが意外にモテるんだよね。コッチから声をかけなくても女性の方から寄ってくるんだ。男として悪い気はしないしね。

「~~っムキーーーッ!」

少女がもう一度叩こうと片手を振り上げた腕を難なく片手で押さえた。そして口に入れようと摘んでいたイカそうめんを見て、悪戯が閃いた。
学生の頃、友達の家で飲んでいた時に偶然がもたらした惨状を思い出して、少女の持つ缶ビールに持っていたイカそうめんをツッコんでやった。

「ちょっと何する…ひゃあぁぁぁぁーーーーーーーっ」

途端にビールが勢いよくゴボゴボと溢れ出して来る。

「ひょわーーーっ!!何してくれてるんですかっ!!ちょっと!全然止まらないッ…冷たいーーーーっ!!」


あははははっ!!
ヤバい。腹が捩れる!!何このマジ狼狽えっぷり!面白すぎるよ。

先程まで真っ赤になって怒っていた少女が、今は真っ青になって溢れ出すビールにオロオロとしている。
その姿を見て、ラグの上を転がりながら笑い続けた。


「あー顎痛い。凄いダルダルだよ」
「バカバカ!!パーカーもズボンもびしょびしょじゃないですかっ。カーペットだってこんなに濡れちゃって」
「あはは…ッ…て何してんの!?」
「だって気持ち悪いし。…うーっお酒くさい」

少女は顔を顰めながら、ビールで濡れたパーカーをモソモソと脱いで、胸元に花柄の編み刺繍のレースで飾られたオレンジ色のキャミソール1枚になって、パーカーの濡れた場所に鼻を近づけて、クンクンと匂いを嗅い臭いと唸っている。

少女の頼りなげなほど細い首筋、二の腕、キャミソールからチラリとのぞく胸元に釘付けになった。
柔らかそうなその肌は、お酒を飲んでいるせいかほんのりと色づいている。

もう、誘っているようにしか見えなかった。

「なんて悪戯するんですか」

拗ねたように唇を突き出して、潤んだ瞳で見つめられた瞬間、背中がゾクリと震えた。

その拍子に缶を取り落としそうになって、慌ててビールを握り締めた。


少女を見据えたまま、ごくりと喉を鳴らしてビールを呷って、そして


「ふぇ?」


少女に覆いかぶさった。



つづく。





イカそうめん、ビールに突っ込んだことないですか?
ビール瓶でしたが、ナーは学生の頃やられました。
そしてこんなスタートですが、続いてしまいます!大丈夫か自分!?



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