HOME   »  スポンサー広告  »  スポンサーサイト  »  偶然と必然シリーズ   »  [完]偶然と必然  »  偶然と必然 3

   スポンサーサイト   


上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

   偶然と必然 3   


これを1周年記念でアップしていいんだろうか?
何だか自分が心配になってきました。


「昨日は本当に…ごめん」
「…チーズ鱈と貝ひも…どっちかな…うーん、サラミも捨て難い…」

蓮が振り絞った勇気は少女に黙殺された。黙殺と言うより気づきもしない。
お酒のつまみの棚で、どれを買おうか真剣に悩んでいる少女の様子に、緊張の頂点にいた蓮は倒れそうになった。

「あのさ」

もう一度声をかけられて、やっと自分に話しかけていたことを理解したようだった。少女は蓮を振り仰いで、あ、と小さく声を零した。
それでも驚いた様子はない。

やはり少女はここで蓮を待っていたのだ。

「……眼鏡、ありませんでした?」
「眼鏡?あぁ…。伊達眼鏡ならベッドにあったよ」
「べべべベッドですかっ!」

急に真っ赤になった少女に、消え去っていた緊張がもう一度蓮の体を突き抜ける。
今は目の前のおつまみに心を奪われていても、彼女にとっては忘れたくても忘れられない忌まわしい出来事に違いが無いのだ。

「その…本当に昨日はごめん。謝って済むことじゃないけど、どうしても謝りたくて」

そんな蓮を、少女は何も言わずにじっと見つめていた。
非難を浴びせられるより、無言の抗議の方が辛い事を、蓮はまざまざと知った。

身を切られるような痛みに耐えながら、蓮は少女から目を逸らさずに謝罪を繰り返した。

「本当にごめん!!」

小柄な少女の前で、蓮は大きな体躯を二つに折って頭を下げ続けた。

「…1つ、お願いを聞いてもらえますか?」


ようやく聞けた少女の声に、蓮はガバリと頭を上げた。

勿論赦されなくていい。赦される資格など自分には無いのだ。『目の前から消えろ』と言われてもいい。
何か意思表示をして欲しいという願いが通じたのだと蓮は思った。


「何でもお聞きします」
「コッチとコッチ、どっちが良いですか?」
「…は?」

少女が手に持っているものを見て蓮は一瞬で固まり、間の抜けた返事しかできなかった。

彼女はコンドームの箱を、蓮の眼前にグイッと差し出していた。

「…だって昨日、着けてくれなかったじゃないですか」

これは昨日の行為を断罪すべく、ここで土下座をしろと遠巻きに言っているのか?
土下座程度で許されるものでは無いことくらい理解している。それでも彼女の心が少しでも晴れると言うのであれば、誠心誠意を込めた立派な土下座をして見せようじゃないか。

「困るんです。まだ私、自分の事だけで精一杯なのに、子供とか…無責任な事は出来ないんです」
「はい。本当にスミマセン」

確かに避妊もせずに彼女を貪った。
寸前でどうにか思いとどまって、荒い呼吸に合わせて上下する彼女の白い腹の上に、自分の欲望を吐き出した。

「ですから、どっちがいいですか?」

『ですから』の意味が分からない。彼女にとって俺は嫌悪すべき最低最悪な男なんじゃないのか?二度と顔も見たくないし、触らないで欲しいと。普通そういうものだろう?
あれか?今度女性を抱くような事態に備えて、自分のようにゴム無しで臨まなくてもいいように、きちんと常備しておけという親心か?
…何だか眩暈がする。

猛省しております。当分の間、遊びは勿論、特定の彼女もいりません。己を恥じて清く正しく生きて行く所存です。
今日から清らボーイとして生きて行きます。だから当分の間、ソレの活躍の機会はありません。

「イヤイヤ。お気づかいなく」
「何言ってるんですか。私が困るんです!!」

どうして君が困るんだ?そんな頬を膨らませて怒ってみせても、可愛いなとしか思えないよ。

…可愛いって…。

俺は本当に反省してるんだろうか?

「ですから…失ったものはもう戻らないので、もういいです。あなたも反省しているようですし」
「え?」
「私も深夜にノコノコと初対面の男性の家に上がり込んでしまったという落ち度があります。なので3:7の割合で、私も悪かったんです」
「それを言うなら0:10で俺が悪いよ!」
「いえ。色気皆無な、見た目年齢子供の私をどうこうしようなんて有り得ないと思い込んでいた私がバカだったんです。世の中にはロリコンとかロリコンとかロリコン「それは違うから!!」」

「……  そうですか?」

そんな疑わしげに見ないでよ!

「とにかく3:7もしくは4:6でお願いします」

ちょっと待て!処女を俺に奪われた事をもういいって何なんだ?普通良くないだろう!?
最初は大好きな人に捧げるとか、女の子たるもの色々とあるだろう?海の見えるホテルでとか夢見るだろう!?
それなのに自動車事故みたいに加害比率を言い出すなんて、この子は何を考えているんだ!?

俺の方がパニックに陥ってるこの状況は一体何なんだ?…落ち着け、冷静になるんだ。
そうだ、話を元に戻そう。彼女が両手に持っているモノも早く棚に戻させなくては。

他の買い物客の視線が痛すぎる…。

「で、これが無いとどうして君が困るんだっけ?」
「だから!!昨日の…その続きを…」


経験したいんです。


蓮の頭の中は真っ白になった。

どうして、何故彼女がそんな事を言い出したのか、蓮には全く理解が出来なかった。
蓮に惚れた女性が、それこそ目をぎらつかせて『既成事実』を成そうと迫ってきたことも、過去を振り返れば幾度となく経験した。
あの女性たちと同じように、処女を散らした責任を取って付き合えとでも言うのか?と一瞬自分の過ちをあさっての方向に放り出して怒りそうになった。

でも、今目の前に居る少女の瞳にそんな感情は一切窺えない。昨日の出来事を責める様子も無いが、蓮に好意を持っている様子も無い。
それなのに昨日の続きを、蓮に抱かれたいと、少女は真剣な面持ちで蓮の答えを待っている。

何の罠なんだ?それともドッキリか?
いやいや。しがないサラリーマンにドッキリを仕掛けて何になる?

「…本当に、本気で言ってるの?」
「はい!よろしくお願いします!!」


少女は一瞬ほっとした顔をして、ビシリと腰を90度直角に曲げて頭を下げた。

お願いされるとは、どういう事なんだ…意味が分からないし、頭の中は大混乱だ。

でも…



清らボーイ宣言、撤回。



つづく。





多分、次限定です。。
1周年なので、頑張ろうかと思ったんです。半年以上限定記事アップしてないですし。
でもぬるいですし、飛ばしても大丈夫にするつもりです。いや、もう飛ばしてくだしゃい。



Comment
Comment Form
管理者にだけ表示を許可する

menu    Profile    menu

ナー

Author : ナー

menu    Recent    menu

menu    Counter    menu


キリ番踏まれた方、コメントなどでご連絡ください。
リクエストなぞあれば浮かれてお聞きしちゃいます。

    Since 2014.12.07     

menu    Category    menu

menu    禁無断転載    menu

menu     Link     menu

menu    ブロとも    menu



形而上 愛の唄
美海様が作ってくれた拙宅バナー



menu   WonderfulWorld   menu
Mimi's Worlds  by 美海様 mimi's worlds /STAR星DREAM夢の卵 HEARTハートLOVE愛の卵 From Mr.D * Dear my dare Dears. Love Dreams Eggs ©From far away beyond beautiful sea.

Hop Step Skip Jump !!
  by ゆみーのん様 Hop Step Skip Jump !!

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。