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   母強し 暴走は続くよどこまでも 後編   


ほんとおバカ話ですんません。
暴走おバカ話、これにて完結です。


『クオン、5年ぶりのハリウッドの空気はどうだ?本気で戻ってくる気になったか?』
『父さん、何を呑気な事を…俺は最上さんを迎えに来ただけです』
『迎えですって?私のキョーコを奪い去るつもりなの!?』
『何を言ってるんですか。最上さんを無理やり連れ去ったのは母さんでしょう』

撮影終了を合図に、意識の無いキョーコを胸に収め横抱きにした蓮が、両親の傍へと歩み寄った。
突然自分の前からキョーコを連れ去ったジュリエラと、一向にキョーコを日本に帰そうとしないクーに、一気に詰め寄った。

『だって仕方が無いじゃない!キョーコがこんなにも可愛らしいんだもの。ほら、寝顔なんて天使のようだわ。こんな愛らしい天使、簡単に手放せるわけないじゃない!』

『うーん…悪魔が…悪魔が聞たりて笛を吹くー…』

大魔王と化した蓮に竦み上がり、最後の自己防衛とばかりに意識を手放したキョーコは顔を顰めて呻っていた。

『もう!クオンが怖がらせるから寝言まで変なことになってるじゃないの!!』
『悪魔役だったんですから仕方が無いでしょう。もう俺と最上さんの出演シーンも撮り終わったんですから、日本に連れて帰ります!』

キョーコの目が醒め次第日本に帰るのだとこぼしながら、両親に背を向けて一歩を踏み出す。

『待ちなさいクオン!あなたそうやってキョーコの事をこれからも騙し続けるの!?』
『騙すって一体何『敦賀蓮がコーンだって事よ!!』』

キッとジュリエラは蓮を睨みつけた。

『それは…』
『どうして今までキョーコが自分から帰るって言いださなかったか分からないの?コーンを…クオン、あなたをずっと探していたからよ!!』

ジュリエラの言葉に蓮はビクリと震え、身を強張らせた。
そして自分の胸に顔を預けて眠るキョーコの顔をじっと見つめた。

コーンのいる妖精界の女王と王と一緒にいれば、コーンに会えるのではないか、もしかしたら会いに来てくれるのではないか。
そう思っていたのだと、ジュリエラは蓮に必死に伝えた。

『敦賀蓮が、キョーコの探しているコーンだって伝えるチャンスなのよ。違うかしら?』
『母さん…』

最上さんがそこまでコーンの事を…俺の事を…。

『さ、分かったらコンタクトを外して髪も今すぐ染め直してらっしゃい。コーンいえ、クオンに戻るのよ』

何も言い返せない俺に、母さんは真剣な顔で言った。

『私たちの息子に戻りなさい』



そして俺は君が知っている『敦賀蓮』は、本当は久遠なんだと告白するつもりで本来の姿に戻った。
今まで騙してきたのかって、泣きながら非難され罵倒される事や、拒絶される事だって想定していたのに。
それをあっさりと納得されてしまうとは…流石最上さん、順応性が高すぎる。俺の方が事態についていけないよ。

「敦賀さんの真の姿は、妖精界の王子・コーンだったんですね。私ったら今まで全く気が付きませんでした。流石妖精さんです。
髪も目も魔法で色を変えてたんですね!!」
「魔法!?」
「はい!」

瞳はカラーコンタクトを取って髪は脱染しただけだ。全然魔法なんか使ってないし使えるわけが無い。
それより何より!

妖精界は最上さんの中では不滅なんだ!そっちの方が驚きだよ。

「ちょっと最上さん落ち着こう」
「はい!大丈夫です。落ち着いてます」

いやいや。全然落ち着いてないよ。そのキラキラした目は、魔法の呪文を今すぐ教えて欲しいと言ってるよね?
その彷徨う視線は魔法のステッキを探してるよね?

「あのね、俺は魔法なんか使えないただの人『さすがキョーコ。私の子ね。私たちの活動をこんなにも理解してくれるなんて!』」
『ママ!』

通訳を介して蓮とキョーコの会話を聞いていたジュリエラが蓮の話に割って入ると、ツカツカとキョーコに歩み寄りそのままガバリと抱き締めた。

『そうなのよ!私たち妖精は人間と共存関係を築こうと日夜努力しているの。クーだって本当はキョーコと一緒にいたいのに、啓蒙活動の為に泣く泣くアメリカに残ったのよ?」』
『いやいや。単に映画の撮影『おだまりっ!』…はい』
『クーパパ…。王様なのに妖精界と人間界の架け橋として頑張ってらっしゃるんですね。私尊敬しちゃいます!』

違うよ最上さん。父さんは映画の撮影があるから残っただけだ。
自分も最上さんを日本に送り届けるんだと地団駄を踏む父さんを見ていたら、きっと尊敬なんて言葉は出てこなかった筈だよ。

スタッフ数人がかりで押さえ込まれるクーを見なかったキョーコはウットリと空を見つめている。
そんなキョーコをジュリエラは零れんばかりの愛情を湛えた笑顔で包み込んだ。

『それじゃあ、キョーコにも妖精界のお仕事を手伝ってもらおうかしら?』
『えぇ!?私にお手伝い出来る事があるんですか!!是非やらせてください。何でもやります!』
『ちょちょっと母さん、最上さんに一体何をさせる気なんだ』

ワタワタと慌てる蓮と、ダイヤモンドのような輝きを見せるキョーコをジュリは満足そうに見つめた。


**


『…ママ。どうして私純白のドレスを着ているのかしら?』
『他の色が良かったかしら?キョーコなら何色でも似合ってしまうものね』
『そうじゃなくてですね?』
『キョーコ、今更何を狼狽えているの?子供達に夢を与えるのも妖精の立派な仕事なのよ?ティンカーベルを見習いなさい!』
『!!はい!』

飛行機を降りて迎えの車に押し込められたキョーコが着いた先で、あれよあれよという間にメイクを施され、真っ白いドレスを着せられていた。
そう。ウエディングドレスを。
頭上にティアラを載せたキョーコは、おとぎの国から抜け出したお姫様の様に可愛らしい。
そしてその隣に立つ蓮も、襟や袖にゴールドの刺繍を施したオフホワイトの衣装に、肩から腰へは斜めにサッシュを掛けている。

「コーン、本当に王子様みたい!!」
「キョーコちゃんも凄く綺麗だよ」

そんな2人が、城のバルコニーに並んで立った。
キョーコ達が連れてこられたのは、夢の国・ネズミーランドだった。そして今2人はシンデレラ城にいる。

「わーっ!お姫様と王子様だー!!」
「きれーー!!」

来園していたカップルや家族連れが歓声を上げて遠巻きに笑顔で見つめている。
金髪碧眼超絶美形な王子様と、その隣で頬を紅潮させて微笑む可愛らしいお姫様。
シンデレラ城で結婚式が出来る事を知っている大人たちも、目の前にいる2人の完璧な在り様に、ネズミーランドのアトラクションだと思い込んでいる。

「コーン!ちょっと私事態についていけないわ!」
「大丈夫。ほら、落ち着いて周りの子供たちを見てご覧?君に…シンデレラに夢中になっているよ?」
「はうっ!わっ私、ちゃんとシンデレラになれてる?」
「勿論。今キョーコちゃんは子供たちを笑顔にする魔法を使ってるんだよ?ほら、魔法にかかった子たちが手を振ってくれてるよ?」
「こっこれも魔法ですか!」
「そうだよ?だから、キョーコちゃんも俺に魔法をかけてくれる?」

「それでは誓いのキスを」

いつの間にか2人の後ろに立っていた、聖書を持った神父が笑顔で2人に『さあ』とキスを促す。

「え?え?」
「キョーコちゃん、こっち見て?」
「コーン?誓いのキスって…何を誓うの?」
「キョーコちゃんが俺に一生幸せの魔法をかけ続けてくれるっていう誓いのキスだよ?…誓ってくれないの?誓ってくれないと、俺は世界で一等不幸な男になっちゃうよ」
「そっそんな!!大丈夫。私に出来る事なら何でもするわ!」
「ありがとう。俺もキョーコちゃんに一生幸せの魔法をかけ続けるよ」

もしも魔法が解けそうになったら、腕によりをかけてもっと強力な魔法をかけてあげる。

母さんの暴走に便乗するのは不本意だけど、ここまで来たらこの芝居を続けてしまおう。
芝居だって、それが本物だと信じ続けるキョーコちゃんが居る限り、まやかしの世界も真実の世界に変えてしまおう。
それくらいの魔法、俺にかけられなくてどうするんだ?俺はキョーコちゃんの王子様なんだろう?

蓮はキョーコの細い肩に手を置くと、ふっくらとしたピンク色の唇に自分の唇を重ねた。

「コッコーン!!こんなに沢山の人の前でキスするなんて恥ずかしすぎる!破廉恥よ!!」
「でもほら、皆すっごく楽しそうだよ?歓声が上がって拍手までしてくれてるし。
キョーコちゃん。これからは2人で手を取り合って、メルヘン国の素晴らしさを伝えて行こうね?」

唇を両手で塞いで目を白黒させているキョーコを、蓮は愛おしそうに抱き寄せると、お姫様抱っこをした。



そんな2人を見守る美女が1人、バルコニーの陰でニヤリとほくそ笑んだ。

「フフフ。クオン、メルヘン国へようこそ」

これであなたも立派なメルヘン王国の住人ね。
一緒にキョーコの脳内メルヘン国を護って行きましょうね!
そうだ、クーの為にもアメリカのネズミーランドでもう一度きちんと結婚式をやりましょう!
新婚旅行はどうしましょう!!妖精の国・フィンランドに行っちゃう?それとも地上の楽園・パラオにしておく?
勿論、私も一緒に行くわよ!!

「あー楽しみ!!」



おしまい!



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