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   偶然と必然 リベンジ 前編   


本編は終わった「偶然と必然」のその後と言いますか、ドタバタその1です。
一話で終わる筈が長くなってしまいました。


「うー。」

「ひぇっ。」

「むー。」

「……ちょっとうるさいんだけど。」
「んなっ!?だったら私が居ない時に1人で観てくださいよ!」
「嫌だよ。現場検証には犯人も立ち会うのが鉄則でしょ?」
「犯人って何ですか。私が何をしたと言うんですか。濡れ衣です。冤罪です。無実です」

一体どんな拷問なのだと頬を膨らませて唇を突き出したキョーコは、険しい顔でテレビを眺めている蓮に抗議していた。

蓮は会社帰りに、キョーコが過去に出演したドラマのDVDをTSUDAYAでレンタルして来た。

キョーコが実は人気実力派女優だと言う事を知ったのは、正式に付き合い始めるほんの数分前だった。
蓮はキョーコの事を常識とはちょっとずれた社会人くらいに思っていたので、芸能人だと聞かされた時は本当に驚いた。

それはキョーコが『普通』だったから。

『普通』に話せて、『普通』に笑う、『普通』に可愛い女の子。

でも蓮にとってはキョーコと話すだけで気分が高揚するし、キョーコの笑顔を見るだけで心が締め付けられるし、キョーコの
仕草すべてが可愛いし愛おしい。蓮は自分だけの宝箱だと思っていた。

そんなキョーコが、ドラマで一体どういう風に役柄を演じているのだろうか。旬な女優として人気のある女優なのだから、きっと演技も抜群にうまいのだろう。
興味を持った蓮はネットで『京子』を検索し、たくさんのファンの熱烈な書き込みやアンチファンの辛辣な書き込みも貪り読んだ。

蓮はブラウザを閉じてため息をついた。
読んだ感想は、『人気者は大変だな』の一言に尽きた。
皆が偶像の『京子』に踊らされている。本当は存在しない『京子』に恋をしたり、その人気を妬んだり。

本当の『キョーコ』の事を知っている人間なんて、俺だけで十分だ。
そうだ、週末の夜は久しぶりにキョーコと会えるのだから、その時に撮影秘話でも聞きながら一緒に観よう。
会社帰りに寄ったTUDAYAで、蓮は半年前に放送が終わったドラマのDVDを借りた。


夕飯の後片付けを2人で済ませた後、蓮がDVDをデッキにセットしていると、キョーコが隣にやって来た。
そのキョーコが手に持っているものを見て、蓮はクスリと笑った。
ソース味の小さなあられが入った小袋と、水色の小さなラムネジュース瓶の型に入ったラムネを大事そうに握り締めているキョーコはホクホク顔だった。

「懐かしいなぁ。俺も子供の頃に食べたよ」
「えへへ。私も久しぶりに買いました」

キョーコの中で珍味ブームが過ぎた後にやって来たのは、駄菓子ブームだった。
コンビニで酢ダコの隣にあった10円のコーン菓子を食べた時、キョーコの中で何かが起きたようだった。


**


「なにこれー!敦賀さん食べたことありました?めんたい味…明太子味じゃないって事?確かに明太子の味はしないけど。それじゃあめんたいって何?敦賀さん知ってます?ねぇねぇ。めんたい。美味しいけど何味ですか?」
「キョーコ、興奮しすぎだから。それにその棒菓子なんて子供の頃よく食べたけど、『めんたい』の意味なんて考えたことも無かったよ」
「うぅっ。コーンポタージュ味って一体何?とか思わないで、買ってくれば良かったー!」
「あぁそれ味の種類たくさんあるよね。確かチョコがかかってるのもあった気がするな」
「えぇっ!?今度全種類買ってきます!!」

大興奮のキョーコに一口食べてみろと菓子を突き出されて、笑いながら避けているうちに蓮の頬にグサリと刺さった。

「あぁっ!ごめんなさい!」
「全く…。俺の顔をめんたい味にしてどうするの。……俺を食べてくれるの?」
「ふえっ?」
「そっか。違うか。じゃあ俺がキョーコを美味しく食べようね」
「っ!?つつつ敦賀しゃん?目つきが妖しいです!!ちょっとどこ触ってるんですか!!」

サワサワと不埒な手つきでキョーコの太腿に手を伸ばした蓮の笑った瞳の奥に、情欲の炎をチラリと見て己の身の危険を察知して後ずさろうとするキョーコの腰を、蓮はもう一方の腕で絡め取った。

「そっそれに、まだめんたい味食べきってないしっ」
「大丈夫。もっと食べ応えのある棒を今からキョーコにあげるから。ね?」
「??? … ! にゃーーーーーーーーーっ!!」


**


蓮の隣に座ってポリポリとあられを上機嫌に噛むキョーコの顔が、DVDの再生が始まった途端引きつった。

「つつつつ敦賀さん?何を見ようと言うのです?そのドラマは私が出てたやつ…」
「うん。キョーコ主演のDark Moon。視聴率46%って今の世の中じゃあ、相当な高視聴率らしいね」

どうせなら人気作を見てみようと、そんな単純な理由でビデオ屋の棚から選んだケースには『視聴率驚異の46%越!』の文字が躍っていた。

「ほっほかっ他のDVDなりテレビを観ましょうよっ!!」
「何をそんなに慌ててるの?」
「だって恥ずかしいじゃないですか!」

普段、自分の出演作を観る事はあっても、それは演技のチェックや反省の為で、誰かと見る事は無かった。
マネージャーの社とさえ一緒に観た事が無い。それを自分の恋人の隣で何故見なくてはいけないのか。

キョーコは焦りながらDVDを停めようとリモコンに手を伸ばしたところで、蓮に抱きしめられて動きを封じられた。

ジタバタと暴れたキョーコだったが蓮の力強い拘束に、再生を止める気が無い事を悟り観念した。
それからのDVD鑑賞は、キョーコにとって拷問のようだった。
自分の拙い演技に奇声を発して、遂に眉間にしわを寄せた蓮にうるさいと怒られた。


「ふぅん。キョーコが新任の教師として採用された学校が舞台なんだ」
「はい。恐れ多くも主演させていただきました…」

初恋の青年、嘉月と再会してキョーコが演じる美月が淡い恋心に頬を染める場面で、蓮の眉がぴくりと動く。

「キョーコ、この貧乏教師の何を思って頬を染めたの?」
「この時は確か、この俳優さんにいただいたブラウニーが美味しかったなぁって思ってました」

いつも美味しいお菓子を差し入れしてくれるいい人だったとキョーコは思い出しながら笑う。

「それじゃあ…後ろ姿を見送る切ない表情は、誰を思って演技してたの?」
「うーん…。あ、校門のところに桜の木があったんですけどね。それを見てお花見をする前に桜が散っちゃったなぁと寂しくなってました」

自分じゃない男に向けるキョーコの表情に蓮は焦れ、その1つ1つをキョーコに問い質していた。
それに対してキョーコは淡々と斜めに答えていく。

「なる程…。全く恋愛感情を抜きに演技をしてたのか」
「うー。だから社長さんに嘘くさい演技だって言われたんです」

キョーコから返ってくる打っても響かない回答に呆れつつ、尋問している自分の女々しさに嫌気がさして、蓮は缶ビールをグイッと呷った。

テレビの中では生徒たちに人気の清楚な雰囲気の教師が、呼び出された理事長室の椅子に座った男の膝の上で妖艶な笑みを浮かべている。
まるで悪女のようだ。

「ちょっとキョーコ、恋愛感情分からない癖にどうしてコイツの事色っぽい目で誘うように見てるの!?」
「へ?だって本郷家の長男を誘惑してこの後、婚約者に収まる流れなので…あっストーリー話しちゃった!!」

あわわと自分の口に手をあてるキョーコをじっと見下ろす。
どちらかといえば可愛らしい印象のキョーコなのに。

「もー。恥ずかしいから1人で観てくださいよー!!」
「大体、恋愛ドラマの出演は俺が乱入したやつが初めてだって言ってた癖に。これも恋愛ドラマじゃないか」
「違います。これは復讐劇です!」

むっと唇を突き出したキョーコが、それならばと反撃に出る。

「大体ですね、さっきから私の恋愛音痴ぶりに目くじらを立ててるようですが、敦賀さんこそどうなんですか?」



つづく。





すみませんー。もう全くDark Moonと別モノとなり果ててます。
21歳で未緒役は無いなと。女版嘉月で復讐劇に仕立てたかったんですけど、
全く駄目だ…。



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