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   王子は誰だ 7   


『お早うございます!フェリックスさん、今日も張り切って観光しましょう!
朝ごはん出来てますよ! …フェリックスさん?』


キョーコはフェリックスが滞在するホテルの寝室にいた。

『もう起きてくださーい』

スヤスヤと寝息をたてて眠り続けるフェリックスの頬を、キョーコはペチペチと叩いた。


…ん…


『起きました?』

フェリックスがボンヤリと目を開けると、満面の笑みのキョーコがいた。

『キョーコ…』
「フンギャッ」

フェリックスが、覗き込んでいたキョーコの腕を引っ張った拍子に、キョーコはバランスを崩してフェリックスの胸に倒れ込んだ。


温かい…キョーコのいい匂いがする…
フェリックスはギュッとキョーコを抱き締めた。

「うぎゃあ~~~~~!何するんですか~~~!」


ガンっ


~~~~~っ!

『痛ッテ~~~っ!!起き抜けに肘鉄って酷くない?』


フェリックスは顎を押さえながら涙目でキョーコに抗議した。

『何を言ってるんですか!当然です。まさか、あをな真似をいつもしてるんですか?破廉恥にも程があります!』

プリプリと怒るキョーコさえ可愛く見える…どうしよう、俺絶対に100ぱー病気!

『で、ふざけてないで今日はどうします?予定通り、秋葉原に行きますか?』
『…行かない。なんか調子が悪い』

Mr.Rollyに会って、どっか優秀な医者紹介してもらおう…。

『えぇ!どこか体調悪いんですか?熱ありますか?』

キョーコが駆け寄り額に手を当てる。


ボッ


フェリックスの顔が一瞬で真っ赤になる。

『うーん、平熱っぽいですけど、顔が赤いですね。大丈夫ですか?』
『大丈夫じゃない…』

弱々しい声に、キョーコは心配そうな顔になる。

フェリックスさん、疲れが溜まってるんじゃ…。

『分かりました。ご飯食べたら、社長さんのところに行きましょう!』


***


「蓮、お疲れ。少し休んで東京に戻るか」

蓮たちは、夜明けの海をバッグにしたCM撮影のために、東京近郊の海辺にいた。撮影は順調に進み、
空が完全に明るくなった頃には全ての撮影が終了していた。

「社さんもお疲れ様です。俺に付き合わず寝ててよかったのに」
「はは。そうはいかないさ。担当俳優が頑張ってるんだ。とは言っても、ほぼ徹夜だもんなー。仮眠とってから戻ろう」
「いえ、帰ってゆっくりした方が良くないですか?事務所に一度寄るにしても、その後はオフですし」
「でもお前、疲れてるのに…すまないな~俺が免許を持ってないばかりに移動時間も休ませてやれなくって…」
「大丈夫ですよ。気分転換にもなってます。さ、帰りましょう」

本当にコイツ、性格までイイ男だよなー。俺が女だったらイチコロなのに…。どうしてキョーコちゃんは転ばないんだ…。

疲れた頭にキョーコの笑顔を浮かべながら、社は1人ため息をついた。


***


『おーっフェリックス君、久しぶりだな~。どうだ、日本滞在を楽しんでいるか?』
『Mr.Rolly お陰様で。父があなたによろしくと言っていました』


フェリックスは朝食後、ローリィを訪ねてLMEの社長室に来ていた。


『君のお父さんとは旧知の仲だからな!何か困ったことがあれば何でも言ってくれ』
『ありがとうございます。実は…』

話をしていると、社長室の奥のドアがぱたんと開き、愛らしい少女が現れた。

『フェリックス様~!』
『あ!マリア!!』

ローリィの孫であるマリアはフェリックスを目に捉えると、走り寄り抱きついた。

『お元気でした?』
『うん。マリアも少し大きくなった? クスッ…重くなってる』
『まぁ!レディに向かって言っていいことと悪いことがありますわっ』
「おい、マリア。フェリックス君と話してる途中なんだ。少しおとなしくしていなさい」
「はーい。でもフェリックス様に久しぶりにお会いできたんですもの。ご一緒してもよろしくて?」
「まぁ、いいんじゃねえか?」

幼いころに母親を亡くし、父親の愛情や大人を信じきれなかったマリアが、いまだに懐く大人は限られていた。
その中の1人がフェリックスだった。
マリアが楽しそうな顔でフェリックスと話をしている様子をローリィは微笑ましく眺めていた。


『で、フェリックス君、俺に話ってなんだ?』
『それが、日本に来てから心臓が変なんです』
『心臓が?』

ローリィは顰め面をし、マリアは心配そうにフェリックスの顔を覗き込んだ。

『ドキッとしたり、ドクンとしたり、ぎゅーっとなったり急に脈が速くなったり…とにかく変なんです。心臓の名医を紹介してください』

フェリックスは真剣な表情でローリィを見つめるが、ローリィとマリアは豆鉄砲を食らった鳩のような顔をしてフェリックスを見つめた。

『…ほぅ。ドキッとしたり…因みにそれはどんな時に起きる症状かね?』
『別に走ったりしてないです。普通にしている時です。こんな事、今までありませんでした』
『や、そうじゃなくて…大体の予想はついてるんだが一応聞いておく。その症状は、どんな時に起きる?』

はて?とフェリックスは考え込む。

どんな時?…キョーコの笑った時……キョーコに触れた時…キョーコに・・・? 

あれ?? 全部キョーコ??キョーコのせいで俺の心臓、おかしくなってる?


あいつ、悪魔の使いか!?


スッと血の気が引いてフェリックスの顔は青くなった。
マリアは嬉々とした面持ちで、両手を胸の前で握り締めてフェリックスを追い詰める。

『まぁ!フェリックス様!!誰かの事をお慕いしていらっしゃるのね!!』
『はぁ!?お慕い??』

俺は悪魔を慕うようなマネはしない!!

『だってその方を見ると、心臓がドクンてするのでしょう?嬉しい気持ちになるでしょう?』

確かにそんな気もする。キョーコが笑ってるとこっちもつられて笑っちゃうし…。今朝も無意識に抱きしめてたし…

昨日なんかキスしそうになったし!!


『フェリックス様はその方に恋をしたのですわ!フェリクス様の元に天使が舞い降りたんですわ!』


悪魔じゃなくて…キョーコが俺の天使…?
キョーコの笑顔を思い浮かべ、ぼふんっと音がする勢いでフェリックスの顔が赤くなった。

『どちらのお嬢様ですのーっ!私お会いしたいわ!!』


「うーむ」

蓮すまん。馬の骨、1本増やしちまった。

キャーキャーと騒ぐマリアを余所に、ローリィは少し困ったような顔をしてフェリックスを眺めていた。




つづく。





マリアちゃんも大好きです。絶対に黒い感じが。



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