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   そうだ、旅に出よう。 中編   


お久しぶりにレイノが出てきた 続きです。
葬り去ろうかと思ってましたが、続きました。



「どうして魔犬がこんなところにいるのよっ」
「何度言ったら覚える。俺の名前はビーグルでもなければ、魔界の住人でもない。レイノだ」
「お前の名前はレイノでもないだろう。玲観」
「れいかん?」
「倅の名前です」
「せがれぇ??」

恰幅のいい僧侶の脇で眉をしかめるイケメン僧侶…ビー・グールのヴォーカル、レイノがそこに居た。
不肖の息子です、と笑って住職はプロデューサーと打ち合わせの為に消えて行った。


「…あんた、お坊さんだったの…だから変な力が使えるのね?」

プイっとそっぽを向くレイノ。

「っていうか、あんた、歌手でしょ?どうしてこんなところにいるのよ」
「…親父に拉致られた」
「連れ戻されたのね…。で、あんた芸能界引退すんの? その姿…… ぶふーーーっ!!」
「…うるさい。笑うな」


レイノは僧侶として剃髪されていた。いわゆるツルッパゲの状態。
旅番組の企画を受けた父親の住職が、仏教体験を一般の若い女性をターゲットに広めようと思いついた、
『美坊主と一緒に仏教体験』を現実のものとするため、レイノは黒い僧衣を纏った僧侶に捕まり、実家に強制送還されていた。


この人、確かに「美坊主」だわ。十分に整った顔してるし、企画としては視聴率も結構取れるんじゃないかしら?

奏江はしげしげとレイノを観察していた。

「ねぇ、あんたたち知り合いなの?随分楽しそうだけど?」
「楽しそう!?いやだ、モー子さん。こいつは悪魔の使いよ?悪魔に知り合いはいないわっ」
「お坊さん捕まえて悪魔ってあんた…バチが当たるわよ?」
「まぁいい…2日間、お前の傍にずっといてやるからな…いい機会だ。覚悟しろ」

ニヤリと笑うレイノに身構えるキョーコ。

「冗談じゃないわよ!この破戒僧がっ」


…何だかわからないけど、この坊主、キョーコのこと随分と気に入ってるみたいね。
普通の女なら、こんなわかりやすいアプローチされたらすぐに落ちるでしょうに…

奏江は『シャーッ』とレイノを威嚇するキョーコを残念な目で見つめていた。



***



「「それでは座禅を体験してみたいと思いまーす!」」

笑顔でリポートを開始する奏江とキョーコ。2人はピンクの作務衣をショートパンツ風にアレンジした衣装を着ていた。


作務衣にショッキングピンクはナシよ。十分罰当たりだと思うわ…

奏江はフッと溜息をついた。


「それではまず、胡坐(あぐら)をかいて座ってください」
「「はーい。」」

住職の指示に、2人は座布団の上に座った。

「では次に右の足を左の腿の付け根にのせます」


ぐっ!腿の付け根って…どうすんのよ!!本当にやらなきゃいけないの????
ちょっとっ!カメラ近いわよ!!

レイノをちらりと見れば、その視線はキョーコの白い脚に向けられ方頬を引き上げて笑っている。

本当にコイツ、坊主なの?罠にかかった獲物を見るような目でこの子のことを見てるわよ?
大丈夫なのかしら・・・


「キョーコ、足をもっと体に近づけないと…」
「ひゃぁっ!!ちょっとどこ触ってんのよ!!足首持たないで!!」

何素に戻ってんのよ?お仕事でしょ!耐えなさいっ

「やだーっほんとに手取り足取り教えてくれるんですね~」

奏江がすかさずフォローを入れる。収録の事など全く気にしないレイノがキョーコの太ももに手をかけようとしたその時、
レイノの手がピクリと動きを止めた。


「・・・ライオンが来た・・・」
「ライオン?ってちょっとレイカンさん、急にどこ行くのよ??」


なんなのよモーーーッ


「おーっ!ここのお寺か~!リラックスできそうだなぁ~~」
「そうですね。でもリラックスじゃなくて精神統一じゃなかったでした?」

声がした方に顔を向けると、蓮と社が寺の庭を歩いていた。


「えええぇっ!!敦賀さん!どうされたんですか??」


キョーコは撮影中ということも忘れて突然現れた蓮に声を上げた。

「あれ?京子ちゃんと琴南さん…こんなところで何して…あっごめん、仕事中?」

驚いたように蓮はキョーコたちと撮影隊を見比べる。
プロデューサーはトップ俳優の乱入をラッキーなハプニングとばかりに撮影の継続を指示した。


「偶然だね?俺たちロケの帰りに途中で1泊予定なんだ」
「そうそう。ロケ帰りなんだ~。ずっと現場でカンヅメ状態だったからさ、蓮が自然に癒されて帰ろうって言い出してさ~」
「そうなんですかー。お仕事お疲れ様でしたー。」

蓮と社に向かってキョーコは偶然ですね~と笑顔を振りまく。


何ナチュラルに騙されてんの?絶対に偶然じゃないわよ!敦賀さんの驚いた顔も全部演技よ!
売れっ子俳優がこんなところで癒されてる暇なんかある筈ないじゃない!
それに社さんのあのニマニマした顔を見れば丸わかりじゃないの!!


奏江は手を額に当ててため息をついた。


「それはそうと、何してるの?」
「今から座禅を組むところなんです!心が落ち着いてストレス解消になるそうなんです!!」
「じゃあ、俺も一緒にやろうかな?…いいですか?」

蓮の申し出にプロデューサーは願ったり叶ったりという表情で頷いている。

「それではもう一度座布団に座って胡坐をかきましょう。そして右の足を左の腿の付け根にのせ、最後に左の足を右の股の上にのせます」


「ムムム・・・あっ」

コロンッ


「うわっ」

コロンッ



「敦賀さん、京子ちゃん…2人して何やってんの?」
「だってモー…琴南さん、難しいよぉ!どうしてできるの??」

2人でコロコロ転がられても…
敦賀さんは足が長すぎて組めないのね。キョーコが組めないのは意外だわ。運動神経と関節の柔らかさって関係ないのかしら?


ムキになって足を組もうとする2人。


「あっ」
コロンッ  ぽすんっ


「わわわわっ!ごめんなさい!!」

転がったキョーコの頭が、胡坐をかいた蓮のひざに落ちた。


一瞬無表情となった蓮だったが、神々しい笑顔でキョーコを見つめる。


「…うん。大丈夫?頭ぶつけなかった?」

どこか痛くないかと頭を触るフリをしてさわさわと髪を梳く。

「だだだ大丈夫ですっ」

真っ赤になって答えるキョーコ。


プロデューサーはいい絵が取れた!と満足げにしている。
この収録、ちゃんと旅番組として終わるのかしら・・・心配だわ・・・

奏江は起き上がろうとするたびに満面の笑みをたたえる蓮の膝に押し戻され、額を抑えられて焦りまくるキョーコを見ながらため息をついた。




つづく。






ちなみに私は胡坐さえかけません。



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