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   王子は誰だ 15   


少し忙しくしてたら、風邪ひきました…。
皆様、季節の変わり目、ご自愛ください。




『それではよろしくお願いします』
『そんなに改まられても…』

食後、片づけを終えたテーブルにキョーコは手帳を置き、フェリックスにペコリと頭を下げた。

『では、王子様の普段の生活をご教授ください』

普段、俺何してる?
…女の子とデートしてるなんてキョーコには言えないし言いたくないよっ

『えーと、勉強してます…?』
『何の勉強ですか?社交会に向けたダンスとかインテリジェンスな会話術とか?』

キョーコの脳内で、フェリックスとどこかの姫君がクルクルとワルツを踊りはじめた。

インテリジェンスな会話??
そのネイル素敵だね?今日の服に合ってるし、君の雰囲気にぴったりだよ。とか?
…ある意味インテリジェンス。でもそんなこと言えやしないよー。
ダンスって…クラブにはよく行って踊るけど…キョーコが期待してるのは絶対にそっちじゃないよな。

『そうだね…。インテリジェンスな会話…実地訓練が多いかな?ダンスはそこそこ踊れるけど…』

目を泳がせつつもフェリックスは何とか答えた。
キョーコはフムフムとメモを取っている。

そっかー。やっぱり高貴な印象も重要だけど、知性溢れる会話って重要よね。
物語に出てくる王子様も、みんな内面からキラキラしてるもの!!

そうだ、物語の王子様と言えば…

『やっぱり王子様は乗馬とかやるんでしょうか!?やっぱりフェリックスさんが跨ってるのは白馬かしら?』

メルヘンな国に旅立ったキョーコの脳内では、森の妖精たちに囲まれて、フェリックスと愛馬がギャロップを踏みはじめた。


えーっ!白馬?俺の馬は茶色いなぁ。
それに俺が跨ってきたのは…いや、やめとこう!これこそ言ったら軽蔑される!瞬殺される!!

いや、それ以前に…

キョーコのキラキラした目が眩しすぎるっ!
跨ってきたものを差し引いても、キョーコ、王子に夢見すぎだよ!!
白馬に乗った王子様なんて童話にしか出てこないよ!
知り合いのジョージだってカールだって乗ってないよ!

…俺、なんでこんなに身の置き場のない気持ちになってんの?

フェリックスは泣きたい気分になった。


『ちょっと俺寝る…』
『えぇ!まだ色々とお聞きしたいんですけど!!』
『えっと…体調悪い』

フェリックスは逃げるように席を立った。

ガタンッ

キョーコが勢いよく立ち上がり、フェリックスの元に駆け寄って顔を覗き込む。

『大丈夫ですか?頭痛いとか症状ありますか?』
『ううん。大丈夫…。ちょっと1人にして欲しいだけ』

フェリックスはキョーコから顔を背けて答える。

ていうか、今この状況から逃げたいだけです。…ごめんキョーコ。


『フェリックスさんの体調が悪いこと知ってたのに、いろいろ教えて欲しいとか騒いでごめんなさい』

しゅんと謝るキョーコにフェリックスは驚き顔を上げた。

『ち違う、キョーコのせいじゃないよ。ホント違うんだ。己を恥じたというかなんというか…』

そう、単にキョーコとの会話を楽しめない状況から逃げ出したいだけなんだよ。
ほんと、自分が嫌になるよ。

『ごめんね、キョーコ。王子様の日常はまたの機会って事で許して?』
『はい。…じゃあ、マリアちゃんとこちらの部屋に居ますから、何かあったら声をかけてくださいね?』
『うん。ごめんね…』

フェリックスはトボトボと寝室に向かった。


フェリックス様、純真無垢なお姉さまが眩しすぎてへこんじゃったのね…まあ無理もないわ。
いまどき小学生だっておとぎ話とリアルが違うことくらい分かってるわよ。

マリアは、日頃の行いに動揺するフェリックスと、フェリックスを無邪気に追い詰めるキョーコを黙って観察していた。

「お姉さま、お茶でも飲みながらゆっくりしましょう?」
「そうね、マリアちゃん…。フェリックスさんの体調が優れないの、私分かってたはずなのに…お世話係失格ね」

あーあ。お姉さままで落ち込んじゃって。
どうやって浮上させようかしら。

RRRR…

マリアがキョーコの乗ってきそうな話題を考えていたところに、キョーコのケータイが鳴った。

「あわわ。誰だろう?椹さんかな??」

慌ててバッグからケータイを取り出して通話ボタンを押す。

「はい。最上です」
『キョーコちゃーーーーーーーーん!!蓮から何か連絡なかった?』
「え?社さん??敦賀さん、どうかされたんですか?」
『アイツにずっと電話してるんだけど、繋がらないんだよぉー』
「えぇ!?」

社のパニックぶりに引きずられてキョーコも動揺する。

『キョーコちゃんたちと別れてから、割とすぐに家に帰った筈なんだけど、全然連絡が取れないんだよぉ…
ずっと忙しくしてたし、昨日も徹夜だったから、アイツ倒れたりしてないか心配で…SOSとか連絡なかった?』
「私のところになんて連絡ありませんけど…。分かりました。私も探してみます。何かわかったら社さんに連絡しますね?」
『うん。お願いします。じゃあね』

「蓮さま、どうかなさったの?」

通話を切り、心配そうな表情を浮かべてケータイを握り締めるキョーコの手に、マリアは両手を添えて尋ねた。

「マリアちゃん…。敦賀さんと連絡が取れないって、社さんが…」

どうしよう、とキョーコはマリアに訴える。

「…分かった。フェリックス様は私に任せて、お姉さまは蓮さまを探して?」
「えぇ!?」
「フェリックス様は寝込んじゃったし、私だけでも大丈夫よ。それにセバスチャンもいるし。何かあればおじい様に連絡もするわ。」
「でも…」
「マリア、蓮さまも心配だけど、探すならマリアより大人のお姉さまの方が機動力があると思うの。
お姉さまがマリアの代わりに蓮さまを見つけて下さらない?ね?」
「…分かったわ。見つけたらすぐに連絡するね?」
「ありがとう、お姉さま!!」



「それじゃあ、フェリックスさんに何かあったらすぐに連絡頂戴ね?」
「はい!任せて!…あ、お姉さま、これ持って行って!!多分必要だと思うの!」

マリアはキョーコのバッグにガサガサと袋を押し込んだ。

「?用途が分からないけど…」
「大丈夫!どうにかなるから!!」
「…じゃ、行ってきます!」



キョーコはマリアに背中を押されて駆け出した。




つづく。



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