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   王子は誰だ 17   


ナーでございます。王子話です。
引越し前から続けてるお話なので、旧居にも同じものをアップしてます。




テンに急きょ用意してもらった金髪のウィッグを被り、黒のカラーコンタクトを外して、
蓮はフェリックスが滞在するホテルへ向かっていた。

どうにか偶然を装ってでも最上さんに会えないか…
ホテルに着いたらマリアちゃんにメールをしてみようか。
…やっぱりマリアちゃん頼みなのか。

情けない気持ちになりながら、蓮はホテルへと車を走らせていた。
もうすぐホテルに着くというところで信号に捕まる。
なんとなく車窓を見ると、紛れもなく愛しい彼女が雑踏の中、1人佇んでいるのを蓮は見つけた。

「え?最上さん!?」

どうしてこんなところに?
まさかあのバカ王子に何かされて飛び出したとか?
いや、だったらマリアちゃんからすぐにでも連絡があるはずだ。

蓮はジャケットの内ポケットをまさぐり、スマホが無いことにこの時はじめて気が付いた。
…そうだ、ジャケットを羽織ったときに置いてそのままだ。

自分の目の先で…手を伸ばせば届きそうなその距離でキョーコが寂しそうに、肩を落としている姿に焦燥感が募る。

「あっ」

サラリーマン風の男がキョーコにぶつかり、キョーコの体が大きく揺れた。
男は振り返って舌打ちをしていた。

「最上さん!」

蓮はハザードランプを灯し、急いで車外に出た。
気持ちより先に体が反応していた。


**


「ねぇ、キョーコちゃん。どうして『敦賀さんが美女とランデブー』なの?」

さっきまでの動揺とまた違う次元の動揺に蓮は襲われていた。
キョーコに抱きつかれて驚き、コーンに嫉妬した次の瞬間、キョーコの口から意味が分からない
雄叫びが発せられたのだ。


「あのね、コーンっ…ひっく。うっく。」

「うん。落ち着いて。俺ができることなら何でもするから。…ほら、今日はまだ人間界で1回も魔法を使ってない。
キョーコちゃんの願いを叶えられるよ?だから、ね、何があったか教えて?」

最上さん、どこからそんな話を?…誰だ、変なことをこの子に吹聴した奴は。
コッチは君をあの王子から取り戻そうと躍起になってるっていうのに。

「あのねっ…社さん…敦賀さんのマネージャーさんからね、敦賀さんと連絡が取れないって慌てた電話があったの」
「えっ…あ、うん」

社さん、どうしたんだろう?何か急用でもあったのか?
普段電話なんてかけてこないくせに…ロクでもないことだったら、明日背中をつねって捩じ上げておこう。

「でね、フェリックスさん、体調が優れないって今寝てるの。その看病を放って私…敦賀さんを探しに出ちゃったのっ」


ドクンッ


蓮の心臓が跳ねた。

ねえ、最上さん。あのアホ王子より俺を選んでくれたって事?
俺を探そうとしてくれてたの?


「なのにねっ、なのに敦賀さんはね…
両手で抱えきれないほどのボッキュッボッの美女とランデブーを楽しんでるだけなのーーーっ!」


…そこは全然分からない。分からないけど、早めに誤解だけは解いておこう…。

「ねぇ、キョーコちゃんの言ってる敦賀さんって、前にグァムで言ってた『敦賀さん』だよね?」
「そうよ?」
「だったら、そのランデブーってのは有り得ないんじゃないかな?」
「へ?」

キョーコはコーンの胸に埋めていた顔を上げる。

うっ…涙を流しながら上目遣いに見上げるのは反則だよ…
…頑張れ、俺の理性。鎮まれ、俺の本能…

「だってね、この体は『敦賀さん』なんだよ?どうしてもキョーコちゃんに会いたくて、妖精界から意識を飛ばして、
寝てた『敦賀さん』の身体を借りてるんだ」

ジッと蓮をキョーコは何か言いたげに見つめていた。


…ヤッパリ苦しいか?この程度じゃ最上さん、騙されてくれないか?

蓮の背中を冷や汗がつーっと伝う。


「じゃあ敦賀さん、今はどうしてるの?」

心配そうに眉を寄せてキョーコは蓮に尋ねる。

「大丈夫。心配しないで。ここの奥底で眠ってるよ。…よっぽど疲れてたみたい。よく寝てる」

蓮は自分の左胸をトントンと叩き、キョーコに笑顔を向ける。

「よかった…。敦賀さん、ゆっくりできてるのね?」
「うん。だからキョーコちゃんが言ってたような…破廉恥な行動、彼はできないし、そもそもしないよ、ありえないよ。
俺が保証するよ」
「どうしてコーンが私に保証してくれるのか分からないけど…。でも…ありがとう、コーン」

保障するさ…。俺は君しか欲しくないんだよ。

「キョーコちゃん、少しは落ち着いた?」
「うん…。」
「じゃ、少し落ち着ける場所に行こう。」


蓮はクラクションの渦の原因となっている自身の愛車の元にキョーコの肩を抱いて戻った。
蓮の車を避けようと、3車線の車列が2車線に蛇行している様子にキョーコは青ざめた。

「ひゃーーーーっ!!!コーン、どうしてこんな道の真ん中に車を停めたのーー!」
「え?キョーコちゃんの気配を感じたから?」
「なにそれーっ!どうでもいいけどこの状況は迷惑極まりないわよっ早く車を出しましょう!!」

どうでもいいって…。そこはもっと何か感じ取ってほしいんだけどなぁ。

「はいはい…」
「返事は1回!!」

あはは。さっきまで泣いてのに、もうこんなに表情をコロコロ変えてる。
ホントに君の隣に居て飽きることが無いよ。

「早く出すーっ!」
「はいっ、お姫様」


蓮は笑って車を発進させた。




つづく。




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