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   YOUは何しに?   


この番組、全国でやってるのかな…。すみませんわからないです。
でも面白いんですよ。先週空港に居たので、撮影隊いないかなぁと探した私です。



「…繰り返しご乗車のお客様にご案内いたします。この先○○駅での踏切内にて現在も車が立ち往生しており…」



うぅ…どうしよう。
このまま電車が動くのを待ったほうがいいのかしら。それとも降りてタクシーに乗ったほうが…
でもタクシーっていくら位かかるんだろう?持ってるお金で足りるか全然わかんないよぉ~。
でもこのままじゃ間に合わないかもしれないし~~

「~~~っ降りるっ!」



「山崎さーん、そろそろ尺OKなんじゃないですか?」
「バカヤロ。まだ足りねぇよ!」
「ちぇー」

TV京東で人気の、空港に到着したばかりの外国人へインタビューし、そのまま取材交渉をして旅に同行する番組の
撮影クルーが、インタビュー相手を探して空港内を歩いていた。



「お客さーん、渋滞に嵌っちゃったよ」
「うぇぇ!?」
「んー、普通だったらあと5分もしないで到着なんだけどねぇ」
「このままだったら、あとどのくらいかかりますか?」
「どうだろうねー。30分の時も1時間の時もあるからねぇ」

どうしよう~。もう予定時刻過ぎてるのにぃ~~
電車も駄目、車も駄目だなんて…運が悪い自分が恨めしいぃ

「~~~~っじゃあここでいいです!」
「えぇ?お客さんこんなところで降りてどうするのっ危ないから乗ってな!」
「だって間に合わないし!走ります!!」



「山崎さーん、俺疲れたっス!」
「そうだなぁ…面白いインタビューも取れたしな。・・・あと1人だけねばろーぜ」
「マジかー…って山崎さん、あの人、メッチャかっこよくないですか??」

視線の先には、キョロキョロと迎えを探しているのか辺りを見回す、サングラスをかけた金髪・長身の若い男性がいた。
サングラス越しでも端正な顔立ちが窺える。

「今日一番の上玉じゃないですか?何だろ、モデルとか?」
「よしっ取材交渉だ!いくぞ!!」
「了解!」



「あぅっ!」

ズササッ

「…ったーぃ」

も~~キョーコの馬鹿馬鹿!!
どうして転ぶのよ!!空港が見えたからって気を抜いたんでしょ!
~~~慣れないハイヒールなんて履くんじゃなかったよぉ!

「ふぇっ…」

っ~~泣いてる場合じゃない!あと少しで着くんだから!がんばるのよ!!



『すみません、インタビューよろしいでしょうか?』
『・・・いいですよ?』
『あなたは何しに日本へ?』
『・・・』

少しの間考えた後、笑顔でインタビューに答える。

『彼女にプロポーズしに?』
『えぇ!』
『仕事で離れてて、3ヶ月ぶりに逢うんだ』
『そっそれを取材させてもらえませんか!!』

撮影クルーが興奮気味にお願いする。

『それは無理かな。彼女はロマンチックが大好きなメルヘンの住人なんだ。
公開プロポーズなんて知られたら絶対に振られちゃうよ。
それに・・・OKを貰えなかった時、すっごく格好悪いからね。ごめんね?』
『そうですか…っていうか、そんなにカッコイイのに振られるはずが無いでしょう!』
『いや…彼女の行動は予測不可能なんだ。どんな答えが待ち受けているか、俺にも分からない』

情けなさそうに眉を下げる外国人に撮影クルーも少し同情した。

へぇ。こんなイケメンを振り回す女がいるんだなぁ…

『彼女に内緒で帰って来たんだ。これから彼女の元へ行って驚かせるつもり。迎えが来てるはずなんだけど…
珍しく見当たらないんだ』


社長には一時帰国することを事を知らせた時、側近のセバスチャンを迎えに寄越すって言ってくれた筈だけど
いないな…

「あっ…」

辺りを見回していた視線が1点を捉える。
その視線の先を撮影クルーが追う。


空港の出入り口付近で辺りをキョロキョロと必死に誰かを探す1人の少女がいた。
走ってきたのか息を切らし、髪は乱れて顔は上気していた。
よく見れば転んだのか、膝に血が滲んでいる。

「キョ・・・コ」
「え?」

蓮は思いがけず現れたキョーコに驚き、次の瞬間、撮影クルーの存在を忘れて人ごみを掻き分け、
彼女のもとに駆け出した。


「キョーコ!!」


大声で呼ばれて、びくりと身を竦めた後、キョーコは声のする方へ振り返った。

「つ…コーン… コーン!」

蓮の元に駆け出そうとして、キョーコの足がもつれて前につんのめる。

「ひゃぁっ」

また転ぶ!

ぼすん

床に打ち付けられる衝撃を覚悟してギュッと目を瞑ったキョーコの体は、駆け寄った蓮の胸に受け止められた。
キョーコを受け止めた衝撃で蓮のサングラスが吹き飛ぶ。

「大丈夫?どこも痛くない?」
「……痛い」
「えぇっ!」

蓮は驚いて抱きしめたキョーコから身をガバリとはがす。

「どこを打った?どこが痛いの?」
「…」

蓮は俯くキョーコの視線に合わせようと、キョーコの細い肩に手を置いて身を屈める。
キョーコは大きな目に涙を溜めて眉を寄せ、肩を震わせていた。


「ねぇ、キョーコ教えて。どこが痛いの?」

蓮はひたすら動揺する。

「…敦賀さんが帰ってくるって…私に内緒で帰ってくるから逆に驚かせてやろうって、社長さんが言い出して…」
「えっ」

社長…あなたはやっぱりロクなことをしない…

「うん。すごく驚いたよ」
「ミューズが…久しぶりに会うんだから敦賀さんをびっくりさせてやろうって、お化粧してくれて、ワンピースとか
ハイヒールとか…お洒落もしたのに…」
「うん。とっても似合ってるよ。とっても可愛「うそつきっ!!」」
「キョーコ?」
「ふえぇぇっ…」


たまらずキョーコは泣き出した。


「ミューズに駅まで送ってもらって…電車に乗ってたら、事故で途中の駅で止まっちゃって… うぅー」
「そうだったんだ…」
「ぅっく…運転再開を待とうか悩んで…でもなかなか動かなくて、タクシーに飛び乗ったの…」
「そう…」
「でもっ…渋滞に巻き込まれちゃって、到着時間になっちゃって…私走ったのっ」
「えっ!キョーコ、走ってきたの?!」
「うっく…走って、でも転んじゃって…折角おしゃれしたのに…服が汚れちゃって、お化粧も汗ではげてるしっ
…もう嫌だ…心が痛いぃ」

蓮に会えたことで緊張の糸がプツリと切れて、キョーコは蓮の胸に顔を埋めて本格的に泣き出した。


どうしよう…こんなにも愛しい存在がこの世にあるなんて…


蓮はキョーコをありったけの愛情で包みこむ。

「キョーコ、ありがとう。俺のために一生懸命になってくれるキョーコが何よりも誰よりも綺麗だよ。
神様からの一番のギフトだよ」
「敦賀さん…」

鼻をスンスン言わせながら、蓮を不安そうに見上げるキョーコにやさしく微笑み、頬をそっと撫でて涙を拭い、
目じり、瞼、唇にキスを落とす。

そしてキョーコを強く抱きしめた。


「キョーコ、ただいま」
「・・・はい」
「キョーコ、迎えに来てくれてありがとう」
「…はい」
「キョーコ、会いたかったよ」
「…はい」
「キョーコ、結婚しよう」
「…はい」
「…ありがとう」
「…はい」




「はいぃ?」




***


「いやーっ驚きましたね!最初撮影隊もまったく気がつかなかったらしいですが、2人の会話で名前が出てきて
もしかして…と気がついたそうです。分かってからは身震いしたそうですよ」
「そりゃそうっスよー。スクープじゃないですか。敦賀蓮が京子と付き合ってて、プロポーズですからね!
しかも京子、めちゃくちゃ可愛いすぎるだろう!何あの生き物!!俺と結婚してくれ!!」
「日町さん、まず無理でしょうね。勝負になりません。えー撮影隊によると、この後敦賀さんはパニックに陥った
京子ちゃんをお姫様抱っこして空港から消えたそうです。そして婚約会見はこの放送の後、ご覧のチャンネルで!!
敦賀さん京子ちゃん、お幸せにっと!」





お幸せにっと。





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