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   母強し その先にみるもの   


キョーコちゃんがジュリエラに連れ去られた話 の続きです。



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   母強し 世間の厳しさ教えます   


ジュリエラに拉致された話その後です。敦賀さん不在です。



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   母強し   


「あなた妖精?」

見上げると、頬を紅潮させて、大きな目を一層見開いてキラキラとさせている女の子がいた。

「エット、ニホンゴ、ヨクワカラナイノ」
「そっか、妖精だもんね」

こちら側の、それも小さい島国の言葉が分かるはずないと1人納得して、女の子は英語で語りかけた。

『えっと、英語なら分かってもらえるかしら?』
『大丈夫。』
『ねえ、妖精さん、どこから来たの?』
『妖精?!』

都内の公園で、蓮の母親・ジュリエラは1人ベンチに座り休憩していた。


クオンを一目見て帰ろうと思ってたのに…


スチール撮影のために、ジュリエラは訪日していた。
正面からはまだ会えなくても、そっと遠目でいいから、成長した息子を見たかった。


…なのに、あの子が映画の撮影をこの公園でしてるってローリィが言うから来たのに…撮影クルーなんていないじゃないの!

息子に会えない悲しみで、ジュリエラは打ちひしがれていた。

ローリィに騙されたのね…
ゴゴゴゴゴ……
あのヤロー、どうしてくれよう!!

そこに突然、妖精なのかと問う女の子が目の前に現れたのだ。


今この子、私の事を妖精といったわね??もしかして…残念な子なのかしら?
"世界で最も美しい"とか"生ける至宝"とか言われるけれど、妖精は無かったわ。


『私ね、妖精のお友達がいるのよ?』

ジュリエラの困惑を無視して妖精話を続ける女の子に…
クオンに会えない淋しさが少女のメルヘン脳によって紛れていた。

『妖精のお友達?』
『そう。私が小さいころ、一緒に遊んだのよ?』
『小さいころ?』
『うん…10年前、妖精界に帰っちゃったの。でもね…この前、再会できたの!』


恥じらうように頬を染めてふわりと笑う少女。


なんて可愛いらしく笑うのかしら…この子の方が妖精のようよ!

『で、再会した妖精にね、あなたは少し似てたの。やわらかい空気とか、…あと瞳の色も!』
『瞳の色?』
『ほら、妖精さんの目は普段は青いけど、光の加減で色が変わるでしょ?…コーンと同じなのよ』
『コーン?』
『そう。お友達の名前よ?』

そうだ、と言ってキョーコは持っていたバッグから小さながま口を取り出す。

『ほら、これ見て。妖精さんと同じ青い色をしているでしょ?』

これは…!

『これ…どうしたの?』
『これはね、小さいころに妖精さんに貰ったの!「魔法の石だよ」って。それからずっと私の宝物なの!』

妖精界にはこんな石がいっぱいあるの?などとキラキラした瞳で聞いてくる。


この石は…光の角度で色が変わるその石を、嬉々として太陽にかざし続けた幼いクオンに、私があげたもの。
クオンにとっても宝物だった石を、この子にあげたのね。
それにさっき、その妖精…クオンと私が似ているといっていたわ。…嬉しい。


『ねえ、あなたお名前は?私はジュリよ』
『私はキョーコよ!よろしくね!ジュリ姫!』



「最上さん。…妖精は見つかった?」
「あ、敦賀さん!!社長さんが仰ったとおり、いらっしゃいましたー!」

走り寄る蓮を嬉しそうに見上げるキョーコ、そのキョーコを蕩ける笑顔で見つめる蓮を見てジュリエラは驚き、そして喜んだ。


クオン、あなた、人を愛することができるようになったのね!!


こんにちは、と蓮に手を差し出すジュリエラ。
蓮が力強く握り返す。

『母さん、お久しぶりです』
『クオン…』


ハグを交わし、キョーコに気づかれないよう、小声で再会を喜ぶ親子。
感極まったジュリエラの目には涙が浮かぶ。


…もう今日は最高の日だわ!
最高な気分をもっともっと味わいたい!!


『クオン…あなたキョーコちゃんと今すぐ結婚しなさい。』
『!何を言い出すんです。そもそもまだ付き合ってません!!』


あぁ、こんな人だったな…


感動の再会から1秒後とは思えない母の言葉に蓮は軽く眩暈を覚える。


…まだ付き合ってないですって?こんなに可愛い子を前に、まだ付き合ってないですって???

『なんてことなの!この子が今すぐ私の娘にならないなんてっ!クオンとキョーコが付き合ってないなんて…私の寿命はあと10秒よ!!』
『10秒って…短すぎませんか?』

「情けないッ」と地面に崩れ落ち、よよと涙を零す妖精にびっくりして駆け寄るキョーコ。
ジュリエラを抱きしめ、キッと蓮を下から睨みつける。

「敦賀さん!!妖精さんに何したんですか!!」
「何もしてないよ? ジュ… 妖精が急に泣き出したんだ。うちに帰りたくなったんじゃないかな?」

今すぐアメリカに帰って欲しいと蓮は切に願った。


『えっ…妖精さん、もう帰っちゃうの?…キョーコ淋しい…』

ギュッと眉根を寄せて、大きな目に涙をためてジュリエラを見つめるキョーコ。


…10秒経ったわね。

『キョーコちゃん、私もあなたとずっと一緒にいたいわ。一緒にこっちの世界に来る?きっとコーンもすぐに見つかると思うの。
…ううん。コーンならキョーコちゃんをすぐに迎えに来てくれるわ!』


そうよね?クオン。
はっ!こうしてはいられないわ。
早速クーに連絡をしてメルヘンなお部屋を用意してもらわなきゃ。(帰るまでに)
クローゼットに入れるお洋服はキョーコと一緒に買いに行きましょう。
N.Y、パリ、ミラノ… あぁ、どのデザイナーにお願いしようかしら!!!



パチンッ



ジュリエラが指を鳴らした瞬間、どこからともなくスーツ姿の屈強な男が現れ、目にも止まらない速さでキョーコを捕獲した。


!!!!!


何が起きたのか全く理解できないキョーコを抱えてたSPに、ジュリエラは満足そうに微笑んで次の指示を与えた。

『成田でスタンバイしてるプライベートジェットでキョーコと待機!』
『『OK. Master!』』
「うゎーーーーーーーーん!敦賀さーーーーん!!たーすーけーてー!!!」
「最上さんっ!!」


キョーコの絶叫が高速で遠のいていく。


『母さん!!なんてことしてくれてるんですか!!』
「くそっ!最上さーーーーーーーーーーん!!!!」



キョーコをアメリカに強奪 → 娘との楽しい生活 →息子がキョーコを追いかけて帰還 → 結婚 ⇒ 初孫ゲット


完璧すぎる計画に自画自賛のジュリエラは、その至宝たる笑顔で1人呟いた。
『クオン、おうちで娘と待っているから、早く戻るのよ?早く戻らないと、キョーコを養女にしてお前の妹にしちゃうわよ?』




おしまい。





蓮はボヤボヤしてられないって話です。



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